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難治性ニキビ|ニキビがひどい原因と治療法

難治性ニキビ|ニキビがひどい原因と治療法

難治性ニキビとは、若い男性に多くみられる重症化したニキビのことです。

ニキビを繰り返したり、ニキビ跡により肌に凹凸がみられる人などが当てはまる症状で、そのまま放置しておくと状態はさらに悪化します。

また、難治性ニキビは特にニキビ跡が残りやすいので、早めに治療することが大切です。

この記事では、難治性ニキビの原因や、効果的な治療方法について紹介していきます。

難治性ニキビに効果的な治療法

難治性ニキビに効果的な治療法

難治性ニキビの治療には、イソトレチノインという成分が効果的とされています。

イソトレチノインは、ビタミンA誘導体の一種で、難治性ニキビの直接の原因を解決させる作用があります。

ニキビ治療の最後の切り札とされており、重症化したニキビへの優れた効果が確認されている治療薬です。
また、服用を続けることでニキビができにくい肌になるため、服用を辞めた後でも再発しにくいことが特徴です。

日本では未承認ですが、その効果の高さから、海外ではニキビ治療に積極的に使用されています。

このように、保険適用外ではありますが、難治性ニキビの治療にはイソトレチノインが高い効果を発揮します。

難治性ニキビの主な原因

難治性ニキビの主な原因

難治性ニキビの主な原因は、皮脂の過剰分泌毛穴の角化異常です。

この2つの原因により毛穴が詰まり、ニキビを作るアクネ菌を増殖させるためです。

アクネ菌の増殖によりニキビの炎症が進行していくと、皮脂腺が肥大していきます。
皮脂腺は、1度肥大すると自然に縮小するのが難しいため、皮脂の過剰分泌が止まらなくなります。

さらに、その状態に毛穴の角化異常が起き、毛穴の出口が硬くなることで、アクネ菌の餌である皮脂や角質、汚れが詰まり、難治性ニキビになっていくのです。

このように、皮脂の過剰分泌と毛穴の角化異常により、ニキビが重症化し難治性ニキビとなっていきます。

難治性ニキビにイソトレチノインが効く理由

難治性ニキビにイソトレチノインが効く理由

イソトレチノインが難治性ニキビに効く理由は、以下の通りです。

皮脂の過剰分泌を抑制する
毛穴の角化異常を整える
ニキビの炎症を緩和する

イソトレチノインには、皮脂腺を縮小させる作用があるため、皮脂の過剰分泌を抑制する効果があります。

また、毛穴の角化異常を整えて、毛穴の詰まりを解消する作用もあるので、アクネ菌の増殖を防ぎます。

さらに、イソトレチノインには抗炎症作用もあるため、重症化したニキビの炎症を緩和してくれるのです。

このように、イソトレチノインは、難治性ニキビの原因を根本から解決する作用によって高い効果を発揮しています。

難治性ニキビ・難治性ニキビに似た疾患の種類

難治性ニキビの治療には、基本的にイソトレチノインが効果的です。
しかし、難治性ニキビの原因になる疾患はさまざまなので、イソトレチノインで十分な効果がみられない場合や、そもそも症状がニキビではない可能性もあります。

そのため、難治性ニキビの原因になる疾患や、症状が似ている疾患について、イソトレチノインで完治できるのかをまとめました。

名称 特徴 イソトレチノインに
よる効果
難治性ニキビ 集簇性ざ瘡 ・思春期後期の男性に多い、ニキビの最重症。
・数年から20年以上にわたり化膿を繰り返す。
背中ニキビ ・肩甲骨周りに起こりやすい。
・顔に比べて皮膚が厚く硬いため治りにくい。
頭皮内のニキビ ・30代~40代の男性に見られることも多い。
・長引くと脱毛症につながることもある。
・塗り薬では対処しづらいため内服薬が有効。
アクネ症候群
(PAPA症候群)
・遺伝子異常が原因の難病。
・関節炎、皮膚腫瘍、難治性のニキビが起こる。
・治療にはイソトレチノインに加え、免疫抑制薬なども必要。
電撃性ざ瘡 ・発熱を伴って急性発症する潰瘍性のニキビ。
・白血球過多や関節痛なども生じることがある。
・コルチコステロイドの内服と抗菌薬の全身投与が必要。
酒さ 紅斑毛細血管拡張型酒さ ・鼻、頬などの赤みや、かゆみ、ほてりが出る。
・寒暖差や飲酒で症状が強くなる。
丘疹膿疱型酒さ ・ニキビに似たブツブツができる酒さ。
・持続的なほてりと乾燥、鼻周囲のかゆみ。
瘤腫型酒さ・鼻瘤 ・鼻の皮膚が厚くなり、こぶのようなものができる。
・白人の男性に多い。
顔面播種状粟粒性狼瘡 ・数mmほどの赤いブツブツが、まぶたや目の下などに複数出現する。
・20~30代に多く、かゆみや痛みは少ない。
その他 毛包炎(毛嚢炎) ・毛根を包んでいる毛根・毛包に炎症が起きる症状。
・ニキビのてっぺんがくぼんだようなブツブツができる。
多嚢胞性卵胞症候群 ・卵巣の疾患で、ニキビ以外にも無月経や不正出血などが起こる場合もある。
・イソトレチノインに加えホルモン治療なども必要。

この表の中から、代表的な疾患を紹介していきます。

集簇性ざ瘡

集簇性ざ瘡は、ニキビの中で最も症状が悪化している状態であり、イソトレチノインによる治療が効果的です。

集簇性ざ瘡は、患部に血や老廃物が溜まって赤黒くなったり、赤紫になって腫れたりするニキビで、しこりニキビや紫ニキビともいわれます。

また、思春期後期の男性によく起こり、治りにくく跡が残りやすいという特徴があります。

集簇性ざ瘡の場合、ニキビを繰り返したことで皮脂腺が肥大しているため、イソトレチノインによる根本的な治療が必要です。

背中ニキビ

背中ニキビにも、イソトレチノインによる治療が効果的です。

背中には皮脂腺が多くあり、皮脂が盛んに分泌されるため毛穴の詰まりが起こりやすい部位です。
特に肩甲骨周りは、ニキビが多くできるとされています。

背中ニキビは、衣類でおおわれてニキビができても対処しにくかったり、塗り薬が届きにくかったりなどの理由から、自力で治療することは難しいといわれています。

そのため、内服薬であるイソトレチノインにより、内側から治療していくことが効果的です。

アクネ症候群(PAPA症候群)

アクネ症候群(PAPA症候群)は、まれな遺伝子異常によって起こる自己炎症疾患で、イソトレチノインによる治療だけでは完治させることができません。

アクネ症候群は、難病に指定されており、関節炎や皮膚腫瘍、難治性ニキビなどの症状を引き起こします。

この疾患では、ニキビに対する治療にイソトレチノインを使用する場合もありますが、他にも副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬などが必要です。

そのため、イソトレチノインのみでは完治ができないとされています。

酒さ

酒さは、難治性ニキビに似ている疾患です。
ニキビではなく、発症する原因も不明ですが、イソトレチノインによる治療が効果的です。

主な症状は赤ら顔ですが、酒さの中にもいくつか種類があり、見た目にも違いがあります。

その中でも、丘疹膿疱型酒さは、ニキビによく似た赤いブツブツとした症状が現れるのが特徴です。

また、紅斑毛細血管拡張型酒さは、顔の広い範囲が赤くなり、ほてりやヒリヒリ感が出ます。
この紅斑毛細血管拡張型酒さの場合、一般的には治療が難しいとされていますが、イソトレチノインであれば改善できるといわれています。

このように、ニキビではない酒さにも、イソトレチノインが効果的です。

多嚢胞性卵胞症候群

多嚢胞性卵胞症候群は、卵巣の疾患です。

ホルモンバランスが乱れることで、男性ホルモンの分泌が多くなって脂性肌になるので、ニキビができやすくなります。

他にも、不正出血や無月経、毛深くなる、声が低くなるなどの症状があります。

多嚢胞性卵胞症候群の場合、ニキビの治療としてイソトレチノインが使用されるケースもありますが、基本的にはホルモン治療などが必要です。
そのため、イソトレチノインのみでは完治できません。

また、多嚢胞性卵胞症候群の場合、婦人科でしか確定診断ができません。
放置すると子宮体がんなどのリスクが高まる危険な疾患のため、当てはまる症状がある場合は、すぐに産婦人科を受診しましょう。

イソトレチノインの薬

イソトレチノインが配合されている主なニキビ治療薬には、アキュテインイソトロインロアキュタンアクネトレントがあります。

商品 アキュテイン イソトロイン
(アキュテインジェネリック)
ロアキュタン アクネトレント
(ロアキュタンジェネリック)
画像 アキュテイン イソトロイン ロアキュタン アクネトレント
参考価格
(10㎎)
1錠あたり
300~500円程度
当サイト
1錠あたり83円~
1錠あたり
400~700円程度
当サイト
1錠あたり116円~
購入

イソトロインはアキュテインのジェネリック医薬品で、アクネトレントはロアキュタンのジェネリック医薬品です。

また、ジェネリック医薬品は、先発薬と同じ有効成分が配合されていますが、開発コストが抑えられているため価格が安くなっています。
効果は先発薬と変わらないため、費用を抑えたい方はジェネリック医薬品の使用がおすすめです。

  

イソトレチノインの入手方法

イソトレチノインの入手方法

イソトレチノインを購入するには、自由診療をおこなう病院や美容クリニックで処方してもらうか、個人輸入代行サイトを利用するという方法があります。

イソトレチノインは、日本では未承認なので、保険適用での取り扱いがありません。
また、ドラッグストアや、一般的に使用される国内の通販サイトでも販売されていません。

そのため、イソトレチノインによる治療には、自由診療での処方か、個人輸入サイトからの入手が必要になります。

イソトレチノインが市販されていない理由について、詳しくは別の記事で解説しています。
興味のある人は、ぜひあわせてご覧ください。

難治性ニキビのイソトレチノイン以外の治療法

難治性ニキビの治療でよく使用される、イソトレチノイン以外のニキビ治療薬や治療方法は以下の通りです。

▶皮脂を抑える薬

▶男性ホルモンを抑える薬

▶ケミカルピーリング

▶レーザー治療

▶しこりニキビ切開

次の項目から、これらの治療方法についてそれぞれ詳しく解説していきます。

皮脂を抑える薬

皮脂を抑える薬は、以下の通りです。

商品 トレチノイン
(エーレットジェル)
アジダームクリーム
画像 イソトロイン アクネトレント
特徴 ・皮脂腺の機能を抑える
・角質をはがして肌のターンオーバーを促進
・皮脂の分泌を抑える
・アクネ菌を殺菌する作用がある
参考価格 1本あたり1,980円~ 1本あたり1,040円~
購入

ニキビは、皮脂の過剰分泌が続くことで毛穴が詰まり、治りにくくなっていくことで重症化していきます。

ニキビが治りづらい、すぐに再発する状態を治すには、このような皮脂の分泌を抑える薬を使用して、毛穴詰まりを防ぐことが効果的です。

男性ホルモンの働きを抑える薬

スピロノラクトン製剤と呼ばれる、利尿・降圧剤の1つであるアルダクトンは、ニキビの原因となる男性ホルモンの働きをおさえるため、ニキビ治療に使用されることがあります。

男性ホルモンは、難治性ニキビの原因である毛穴の角化異常や皮脂の過剰分泌に大きくかかわっています。
そのため、男性ホルモンの働きを抑えることで、ニキビを改善できるのです。

このような理由から、難治性ニキビの治療には、利尿・降圧剤のアルダクトンが使用される場合もあります。

ケミカルピーリング

ニキビ治療の1つに、ケミカルピーリングという方法があります。

ケミカルピーリングは、酸を使用して角質の一部を剥がし、蓄積していた汚れやアクネ菌を取り除くため、ニキビ治療や予防に効果があるのです。

このようなニキビの原因を解決する効果から、ニキビの治療として美容クリニックなどで活用されています。

ニキビへのレーザー治療

ニキビには、レーザー治療が使用されることがあります。

レーザー治療は、ニキビの中に溜まった皮脂や膿を取り除いて殺菌する方法です。

真上からレーザーを照射してニキビに穴をあけることで、皮脂や膿を溶かして皮膚から排出するので、炎症を抑える効果が期待できます。
通常より治りが早くなるので、跡が残りにくくなることが大きな特徴です。

このように、レーザー治療もニキビによく使用される治療方法となります。

しこりニキビ切開

ニキビが重症化し、皮膚の下に血や膿が溜まったしこりニキビの場合、切開手術をおこなうこともあります。

切開排膿とよばれており、しこりニキビにメスを入れて中の膿を抜き小さくする処置です。

切開の後は、内服薬や塗り薬を使用して改善させていきます。

このように、重症化したしこりニキビの場合、切開手術によって中の膿を出すこともあります。

難治性ニキビはどのくらいで治るのか

難治性ニキビ|ニキビがひどい原因と治療法

難治性ニキビが治るまでの期間には個人差がありますが、基本的に3~6ヶ月ほど必要です。

たとえば、レーザー治療は2~3週間に1回のペースで5~10回程度の施術をおこなうため、3~6ヶ月ほどの期間がかかります。

また、イソトレチノインの場合は、まず4~6ヶ月ほど服用し、その後は3ヶ月以上休薬して、様子を見たうえで治療を継続するか決めます。

副作用や好転反応が起こる可能性もありますが、やむを得ない場合を除いては、完治させるために根気強く治療を続けることが大切です。

個人差はありますが、難治性ニキビは、3~6ヶ月ほどの期間治療を継続しましょう。

ニキビ跡の治療法

ニキビ跡の治療では、美容皮膚科や美容クリニックで、自分に合う施術を受けることが必要な場合があります。

難治性ニキビは、どうしてもニキビ跡が残りやすい症状です。

ニキビ跡が赤みや色素沈着程度であれば、半年~1年ほどで自然に治るものの、ケロイド(盛り上がったニキビ跡)やクレーター(凸凹としたニキビ跡)になってしまうと自然には治りません。

そのため、ケロイドやクレーターを治療したい場合は、自費診療で美容皮膚科や美容クリニックを受診する必要があります。

ケロイドにはレーザーやステロイド注射、クレーターにはダーマペンなどがよく使用されます。
残ってしまったニキビ跡を治療したい人は、自分に合う施術について医師に相談しましょう。

難治性ニキビの予防方法

難治性ニキビの予防方法

難治性ニキビを繰り返さないためには、適切な治療を根気強く続けることはもちろん、ニキビを予防する生活習慣を取り入れることも大切です。

ニキビを予防する生活習慣は、以下の通りです。

・丁寧なスキンケア
・十分な睡眠
・室内の乾燥を避ける
・皮膚に刺激を与えない
・肌に触れるものの清潔を保つ
・栄養バランスのとれた食事を心がける

ニキビを予防するためには、生活習慣を整えることがとても大切になります。
難治性ニキビの治療中も、治療が終わった後も、上記の生活習慣を意識しましょう。

まとめ

難治性ニキビについて、この記事で解説した内容をまとめました。

・難治性ニキビの治療にはイソトレチノインが効果的。
・難治性ニキビの原因は、皮脂の過剰分泌と毛穴の角化異常。
・イソトレチノインが難治性ニキビに効く理由は、「皮脂の過剰分泌を抑制する」、「毛穴の異常を整える」、「ニキビの炎症を緩和する」働きがあるから。
・ただし難治性ニキビの中には、原因となる疾患によってイソトレチノインだけでは完治できないものもある。
・難治性ニキビを治療する方法として、イソトレチノインのほかに、男性ホルモンを抑える薬やケミカルピーリングなどがある。
・難治性ニキビが治るまでは平均3~6カ月程度かかる(個人差あり)。
・難治性ニキビのニキビ跡を治療するには、ケロイドやクレーターになっている場合、美容皮膚科や美容クリニックで治療を行う必要がある。
・難治性ニキビを繰り返さないためには、適切な治療を続けて完治を目指すことと、生活習慣を整えることが大切。

難治性ニキビは、重症化したニキビです。
治療にはイソトレチノインが効果的で、個人差はありますが、治るまでには3~6ヶ月ほどの期間がかかります。
ニキビを繰り返さないためにも、生活習慣を整えながら、根気強く治療をおこないましょう。


よくある質問

Q&A

難治性ニキビに関して、よくある質問をまとめました。

イソトレチノインは危険?

イソトレチノインは、日本では未承認ですが、正しく使用すれば安全に高い効果を実感できる治療薬です。

しかし、副作用や好転反応が起こる可能性もあるので、イソトレチノインを服用する前には注意点などをしっかり確認しておきましょう。

イソトレチノインの副作用や服用に関する注意事項などは、別の記事で詳しく解説しています。
気になる人はぜひ、こちらからご覧ください。

ニキビ跡の治療にかかる費用はどのくらい?

ニキビ跡の治療にかかる費用は、保険適用であれば1回2,000~5,000円ほどです。

しかし、自由診療では1回5,000~50,000円ほどの費用がかかります。

また、ケロイド治療に使用されるステロイド注射であれば保険適用で受けられますが、クレーター治療に使用されるレーザーやダーマペンなどは自由診療となります。

自由診療の場合、同じ施術でもクリニックごとに金額が大きく違うため注意しましょう。

ニキビ肌に化粧水をつけてもいい?

ニキビ肌には、化粧水をつけても問題ありません。

むしろ、乾燥はニキビを悪化させる原因のひとつなので、ニキビ肌の場合は化粧水で保湿をすることが大切です。

使用する化粧水は、ニキビの原因になるアクネ菌を殺菌する働きや、肌荒れ予防に有効な働きなど、ニキビ肌に特化した化粧水がおすすめです。

洗顔後は、化粧水でしっかり肌を整えましょう。