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レボノルゲストレルとは
レボノルゲストレルは、人工的に合成された黄体ホルモンの作用を持つホルモン剤のことであり、緊急避妊薬(アフターピル)に含まれる主成分です。
レボノルゲストレルは避妊なしの性行為、または避妊に失敗した性行為から72時間以内に服用することで、妊娠を阻止する効果が得られます。
レボノルゲストレルの効果と副作用、正しい使用方法や人気の商品について詳しく解説しています。
レボノルゲストレルを含む緊急避妊薬(アフターピル)
レボノルゲストレルを含む商品には、下記のものがあります。
レボノルゲストレルを含む治療薬一覧表 | |
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画像 | 商品名 |
ノルレボ | |
ナイピル | |
アンウォンテッド72 | |
モーニングピル | |
アイピル | |
マドンナ | |
ポスティノール | |
ノルパック |
レボノルゲストレルを主成分とした緊急避妊薬は、海外では1970年代半ばから避妊のために使用されています。日本では2011年から国内で初めて承認された緊急避妊薬として、「ノルレボ」が病院で処方されています。
また、レボノルゲストレルは緊急避妊薬だけでなく、日常的に服用することで避妊効果を得られる低用量ピルに含まれることもあります。
レボノルゲストレルの効果
レボノルゲストレルは、服用することで卵巣の排卵を抑制する効果が得られます。
また、子宮内膜に受精卵が着床することを阻害する効果や、子宮内への精子の侵入を阻止する効果も期待できます。
レボノルゲストレルは性行為から72時間以内に服用できれば、81%の確率で妊娠を防げます。
レボノルゲストレルの服用方法
・性行為から72時間以内に、レボノルゲストレル(1.5㎎)をコップ1杯程度の水、またはぬるま湯で服用してください。
・レボノルゲストレルを含む緊急避妊薬は、1錠で1回分のタイプと、2錠で1回分のタイプがあります。2錠で1回分のタイプは、1度に2錠服用することで飲み忘れを防げます。
・レボノルゲストレルが含まれる緊急避妊薬は、性行為から服用までの時間が短ければ短い程、避妊効果が高くなります。そのため、できるだけ早く服用することを意識してください。
・レボノルゲストレルを服用してから3週間経っても次の生理が来ない場合は、早めに医師の診察を受けてください。
レボノルゲストレル服用時の注意点
・必ず性行為から72時間以内に服用してください。72時間を超えて服用した場合、高い避妊効果は期待できません。
・1錠で1回分のタイプは、1度の服用で2錠以上飲まないでください。副作用の症状が強めに出る可能性があります。
・レボノルゲストレルは服用してから体に成分が吸収されまで、約2時間かかります。
そのため、副作用による嘔吐で服用してから2時間以内に吐いてしまった場合は、再度レボノルゲストレルを服用する必要があります。
・レボノルゲストレルには性感染症を防ぐ効果はありません。性感染症を防ぐためには、コンドームや避妊用フィルムを使用することをお勧めします。
レボノルゲストレルの副作用
レボノルゲストレルの主な副作用には、以下の症状があります。
・吐き気
・頭痛
・眠気
・めまい
・むくみ
・倦怠感
・胸の痛み
・下腹部の痛み
・消退出血(※1)
・不正出血
・経血量の増減
最も多く現れる副作用が消退出血、不正出血、吐き気です。
吐き気が心配な場合は、吐き気止めを飲むことで症状を抑えられます。
消退出血や不正出血は通常の生理と区別ができない場合があるので、ご自身の生理周期と照らし合わせて確認してください。
もし副作用の症状が収まらない、症状が酷い、出血が生理によるものなのか判断がつかないという場合は、医師の診察を受けてください。
(※1)消退出血とは…通常の生理よりも少量で、色が茶色っぽい出血。
緊急避妊薬を服用後に起きやすいとされているため、避妊成功のサインと見られることもある。
ただし消退出血が起きない人もいるため、避妊に成功したかどうかの確認は妊娠検査薬を使用するか、医師に診察してもらうことが確実。
レボノルゲストレルの作用機序
レボノルゲストレルの作用機序はまだ明確に解明されてはいませんが、排卵前に服用することで、排卵過程を妨げる働きがあります。
また、排卵後の服用では子宮内膜を変化させることで、受精卵の着床を阻害するとされています。
これらの働きによって、避妊効果が得られると考えられます。
なお、レボノルゲストレルによる避妊効果は、主に排卵抑制作用によるものとされています。
レボノルゲストレルを服用できない人
以下の項目に当てはまる人は、レボノルゲストレルを服用できないので注意してください。
・重篤な肝障害がある人
・現在妊娠している人
・妊娠の可能性がある人
・現在授乳中の人
・過去にレボノルゲストレルが含まれる薬を使用してアレルギー症状が出た人
レボノルゲストレルの併用に注意が必要な人
以下の項目に当てはまる人は、レボノルゲストレルを服用する前に医師に相談し、併用しても問題がないか確認する必要があります。
・肝障害のある人
・心疾患のある人
・腎疾患のある人
・消化管障害がある人
・その他既往歴のある人
レボノルゲストレルの併用禁忌
レボノルゲストレルの併用禁忌薬は、特にありません。
ただし、もし他の薬を服用していてレボノルゲストレルと併用しても問題ないか気になる場合は、念のため医師に相談することをお勧めします。
レボノルゲストレルの併用注意薬
以下の薬はレボノルゲストレルと併用した場合、避妊効果が低下したり、副作用が出やすくなるため注意が必要です。
・抗けいれん薬(フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、カルバマゼピン)
・HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル)
・非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エファビレンツ、リファブチン、リファンピシン)
・セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワートが含まれている健康食品やサプリメント)
レボノルゲストレルが含まれる人気の緊急避妊薬
レボノルゲストレルを主成分とする、人気の緊急避妊薬(アフターピル)をご紹介します。
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ノルレボ
ノルレボは、日本国内で初めて承認された緊急避妊薬(アフターピル)です。
病院でも処方されているため、知名度と高い人気を誇ります。
ノルレボは性行為から72時間(3日)以内に服用することで、85%以上の確率で妊娠を阻止できます。 -
ナイピル
ナイピルは、国内で処方されている緊急避妊薬(アフターピル)、「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。1箱4錠入りのため、万が一吐いてしまった時でもすぐに飲み直せるというメリットがあります。
ナイピルは性行為から72時間(3日)以内に服用することで、85%以上の確率で妊娠を阻止できます。 -
アンウォンテッド72
アンウォンテッド72は、国内で処方されている緊急避妊薬(アフターピル)「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。先発薬のノルレボと比較すると、半額以下で購入できるというメリットがあります。
アンウォンテッドは72性行為から72時間(3日)以内に服用することで、84%以上の確率で妊娠を阻止できます。 -
モーニングピル
モーニングピルは、国内で処方されている緊急避妊薬(アフターピル)、「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。上記のアンウォンテッド72と同じく、先発薬のノルレボの半額以下で購入できるというメリットがあります。
モーニングピルは性行為から72時間(3日)以内に服用することで、84%以上の確率で妊娠を阻止できます。 -
アイピル
アイピルは、国内で処方されている緊急避妊薬(アフターピル)、「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。先発薬のノルレボと比較すると、約3分の1の価格で購入できるというメリットがあります。
アイピルは性行為から72時間(3日)以内に服用することで、84%以上の確率で妊娠を阻止できます。 -
マドンナ
マドンナは、国内で処方されている緊急避妊薬(アフターピル)、「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。先発薬のノルレボと比較すると、半額以下で購入できるというメリットがあります。
マドンナは性行為から72時間(3日)以内に服用することで、85%以上の確率で妊娠を阻止できます。
なお、先発薬のノルレボは1錠タイプですが、マドンナは1度の服用で2錠飲む必要があります。 -
ポスティノール
ポスティノールは、国内で処方されている緊急避妊薬(アフターピル)、「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。先発薬のノルレボと比較すると、半額以下で購入できるというメリットがあります。
ポスティノールは性行為から72時間(3日)以内に服用することで、85%以上の確率で妊娠を阻止できます。
なお、ポスティノールも上記のマドンナと同じく、1度の服用で2錠飲む必要があります。 -
ノルパック
ノルパックは、国内で処方されている緊急避妊薬(アフターピル)、「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。先発薬のノルレボと比較すると、約3分の1の価格で購入できるというメリットがあります。
ノルパックは性行為から72時間(3日)以内に服用することで、85%以上の確率で妊娠を阻止できます。
なお、ノルパックも上記のマドンナやポスティノールと同じく、1度の服用で2錠飲む必要があります。