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カナグルダイエットの効果とは?正しい飲み方を徹底解説

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カナグルは「SGLT2阻害薬」に分類される医薬品で、2型糖尿病と、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の治療薬として使われています。
過剰な血糖(血液中のブドウ糖)を尿とともに排泄するよう促す作用で糖尿病を改善させますが、同時にダイエット効果も期待されています

このページでは、そんなカナグルのダイエット効果や正しい飲み方について、体重減少や痩せる効果に重点を置いて解説しています。
運動や食事制限なしで痩せたいという人は、ぜひ最後までご覧ください。

カナグルダイエットの効果

カナグルダイエットの効果

カナグルのダイエット効果のひとつとして、1日60~100gの糖を排出できます。
ブドウ糖1gのカロリーが4kcalであるため、単純計算で1日240~400kcalの糖が排出されることになります。

脂肪には作用しませんが、糖を排出させることで中性脂肪の増加を防ぐことが可能です
食事で糖質を摂取すると、ブドウ糖に分解されて血液中に吸収されます。
さらに過剰なブドウ糖はインスリンによって中性脂肪に変換され、脂肪細胞として蓄えられてしまうのです。
しかし、カナグルを飲めば糖が尿とともに排出されるため、中性脂肪が増加しにくくなるうえに、体重減少にもつながるのです

カナグルの作用は、腎臓でのブドウ糖の再吸収を阻害することです。
腎臓は血液から老廃物をろ過して除去する働きを担っていますが、同時に、ろ過された血液からブドウ糖を再吸収する働きがあり、再び血管に戻します。
このとき、カナグルはブドウ糖を血管へと運ぶ役割を担う物質「SGLT2」の働きを阻害します。
そのため、ブドウ糖は血管に戻らず尿と一緒に排出されるのです。

ちなみにカナグルは医薬品名で、成分名はカナグリフロジンといいます。

カナグルのメリット

カナグルのメリット

カナグルは、ダイエット以外にも以下の効果をもたらします。

・HbA1c値(※)を下げる
・肝機能が良くなる
・コレステロールや中性脂肪を下げる
・心不全などの発症を低下させる

(※血液中のブドウ糖とヘモグロビンが結合してできる「糖化ヘモグロビン」がどれほど存在するかを「%」で示すもので、6.5%以上の場合は糖尿病が疑われます)

カナグルは、SGLT2阻害薬に分類される医薬品の中で効果が最も高く、安全性の高い医薬品です。
そのため、他のダイエット薬では効果がなかった人や副作用が心配な人にもおすすめです。
また、腎臓から血液中に再吸収されるナトリウムの量を減らす働きがあるため、腎臓の負担を軽減して慢性腎臓病の改善にも役立ちます
他にも、糖を積極的に尿とともに排出させる作用があるため、高血糖の予防やむくみの解消にも効果的です。

カナグルは、糖尿病の治療や体重減少だけではなく、さまざまな効果を発揮します。
手軽にダイエットしたい人、糖尿病や腎臓病にお悩みの人、心不全のリスクを抱えている人など、幅広い人におすすめできる医薬品といえるでしょう。

カナグル服用で何キロ痩せる?

体重100kgの人がカナグルを飲んだ場合、約3ヶ月で1.7kgほど痩せられたという結果が出ています。
海外では、カナグルを飲めば具体的に何キロ痩せるのかについて、「飲み始めて12週間後の体重減少率」という、体重が何%減少したのかを研究したデータがあります。
そのデータをもとにした論文によると、カナグル100mgを飲んだ場合の-2.9%の体重減少効果が最高値でした。
また、全体平均でも-1.6%の体重減少率が確認されています。

カナグル服用の効果はいつから実感する?

カナグルは、飲み始めて12週間経過後に効果が現れるとされています。
リバウンドしにくいというメリットがあるものの、カナグルで痩せるにはどうしても時間をかける必要があるでしょう。

残念ながら、カナグルは飲み始めてすぐダイエットに成功するわけではありません
「毎日きちんと飲んでいるのになぜ?」と焦らず、短くとも約3ヶ月はカナグルを飲み続けてみましょう

カナグルの効果時間

カナグルの作用時間は24時間となっており、半減期は10.2時間です。

半減期とは医薬品の有効成分の血中濃度が半分になるまでの時間を表しており、カナグルの効果は半減期の10.2時間をかけて減少していきます。
カナグルは半減期が長いため、飲むのをやめた場合もしばらくは尿糖の排泄が続きます。
作用時間が残っている間に次のカナグルを飲まないよう、しっかり間隔をあける必要があるということを覚えておきましょう。

カナグルダイエットがおすすめの人

カナグルダイエットがおすすめの人

カナグルは、以下のような人におすすめです。

・糖質ダイエットをしたい人
・2型糖尿病と心不全を合併した人
・血糖値が高い人
・急に体重を落としたくない人
・食生活が糖質中心の人
・むくみやすい人
・太りやすい体質の人

とくにダイエットに関しては、糖質を積極的に排出させ、脂肪の蓄積を防ぐ効果があるため、普段の食事で糖質をよく摂取する人におすすめです。

ちなみに、カナグルのような医薬品をはじめとする医療の力を借りるダイエットを「メディカルダイエット」といいます。
メディカルダイエットについての詳細は、下記リンク先のページでわかりやすく解説しています。

カナグルの正しい飲み方

カナグルの飲み方の基本は、1日1回1錠(100mg)です。
作用時間が長いので、起床後の食事前か食事の10分後にカナグルを飲みましょう。
毎日同じ時間に飲むことで安定した効果を発揮するため、タイミングを決めておくのがおすすめです。

もしカナグルを飲み忘れてしまった場合は、飲むのを1回分スキップしましょう。
また、飲み忘れたからといって、一度に2回分のカナグルを飲まないでください。
まとめて2錠飲むと副作用のリスクが高まるため注意が必要です。

夜に飲んでもいい?

カナグルは、夜に飲んでも問題ありません
過去にSGLT2阻害薬を飲んだ際の持続的な血糖モニタリングがおこなわれた結果、朝食後・昼食後・夕食後のいずれにおいても食後の高血糖が改善したとされています。
ただ、なるべく同じ時間に飲むことを心がけましょう。

他のダイエット薬との併用有無

カナグルは、メトホルミンやリベルサスといった他のダイエット薬と併用できます。
カナグルにはない食欲を抑制する効果があるため、より効率的にダイエットを進めたい人におすすめです。

ただし、リベルサスとカナグルを併用する場合、同時に飲んではいけません。
朝食の30分前にリベルサスを飲んでおき、朝食の直後にカナグルを飲むなど、併用時は飲み方が変わることに注意しておきましょう。

SGLT2阻害薬は、リベルサスなどのGLP-1受容体作動薬やメトホルミンなどのビグアナイド薬とは問題なく併用できます。しかし、経口血糖降下薬(SU薬)やインスリン注射と併用する場合、低血糖が起こりやすくなるため注意が必要です。

メトホルミンについては下記リンク先のページで解説しているので、他のダイエット薬にも興味がある人はぜひご覧ください。

カナグルを飲むときの注意点

カナグルを飲むときにはいくつかの注意点があり、以下に当てはまる人は重大な副作用を引き起こす禁忌事項に該当しています。

・妊娠中、授乳中、妊娠の可能性がある人
・手術の前後である、手術予定である人
・摂食障害の人
・肥満原因が内分泌疾患、ステロイドなどの薬剤にある人
・重い感染症にかかっている人

他にも手術を予定している人はカナグルを飲めないため、少なくとも手術の3日前には中止しましょう
手術後も、医師の許可があるまではカナグルを飲まないでください。

また、75歳以上の人や、65~74歳でサルコペニア・ADL低下・認知機能低下といった老年症候群の症状が見られる人はとくに注意が必要です。
サルコペニアとは筋肉量や筋力が減少すること、ADL低下とは筋肉量や筋力に加えて骨密度や内臓機能など全身の身体機能が低下することを指します。
また、認知機能低下とは記憶力や理解力、判断力などが衰えている状態です。

残念ながら、高齢者は生理機能(生命を維持するための基本的な機能)が低下している場合が多いため、カナグルは飲まないほうが良いともいわれています。

不安を感じた人もいるかもしれませんが、カナグルは禁忌に該当しない人にとって、安全性の確認されている医薬品です。
禁忌に思い当たることがなければカナグルは安心して飲み続けられる医薬品です。

カナグルの主な副作用

カナグルは安全性の高い医薬品ですが、以下のような副作用の可能性があります。

・発疹、皮疹
・倦怠感、食欲不振
・のどの渇き、脱水症状
・低血糖
・感染症や膀胱炎、頻尿

非常に稀な症状ですが、女性の場合は性交渉がなくても膣カンジダ症を発症することがあります。
自己感染というのですが、膣カンジダ症は女性の膣内にいるカンジダ菌(常在菌)が過剰に繁殖することでも発症します。
カナグルの副作用として膣カンジダ症が起こるのは、糖を含んだ尿が陰部に残ってしまった場合、カンジダ菌が糖を養分として繁殖するためです。

他にも、尿路で雑菌が繁殖することで、尿路感染症が引き起こされる場合もあります。
とくに女性に多いため、陰部周辺は清潔にしておくなど、適切に対策しておきましょう。

また、カナグルを飲むと普段よりも尿量が増えて頻尿になり、脱水症状を招く可能性があります。
めまい立ちくらみが起こることがあるため、こまめな水分補給で対策してください。
普段から飲んでいる水分に加え、1日あたり500ml程度の水やお茶を飲むのが効果的です。

下肢切断の真相

カナグルには下肢切断のリスクがあるといわれますが、どんなメカニズムでリスクが生じるのか、現時点では不明です。

カナグルは日本の田辺三菱製薬が開発しましたが、国内の臨床試験では下肢切断に関連する副作用は報告されていません
しかし、アメリカでおこなわれた臨床試験(CANVAS及びCANVAS-R)では、「下肢切断の発現頻度が高かった」との結果が出ています。
また、下肢切断のリスクは65歳以上の心血管疾患のある人が使用した場合に著しく上昇するという報告もあります。
該当する人は、カナグルを飲む前にかかりつけ医へご相談ください。

カナグル服用の口コミ

カナグル服用の口コミ

・3週間で体重が4kgも減りました。食事もそのままで減ってくれたので、これからも続けようと思います。

・2週間ぐらいですが、効果がまだ現れていません。もうちょっと続けてみます。

・トイレの回数は増えるし、脱水症状にならないように水分補給を気にかけなくてはならないからめんどくさいです。でも運動しなくても痩せれるという口コミを見たので我慢します。

・体重減少とむくみ解消効果を期待して始めました。実際、飲み始めてからむくみがなくなりましたし、2週間で1.2kg落ちました。

まとめ

  • カナグルには過剰になった血糖を尿へと排泄促進する働きがあり、体重減少効果がある
  • カナグル服用はダイエット以外にもメリットが多くある
  • 食生活が糖質中心の人におすすめ
  • カナグルダイエットは継続的に使用することが重要

カナグルは、過剰な糖質を尿と一緒に排泄させる作用により、脂肪の蓄積を防ぐことができます。
ダイエットしたいけど糖質は我慢したくない」という人に、とくにおすすめです。
該当する人は、ぜひカナグルを検討してみてください。

Q&A

Q&A

ここでは、カナグルダイエットについてのよくある質問にお答えします。

Q.スーグラとはなんですか?

A.スーグラも、カナグルと同じSGLT2阻害薬に分類される医薬品です。
2型糖尿病に加えて1型糖尿病にも効果的である他、ダイエット薬としても使用されています。
ただし、カナグルよりも副作用のリスクが高いという欠点があるため、副作用が心配な人にはカナグルのほうがおすすめです。

Q.インボカナとの違いは?

A.インボカナはカナグルのジェネリック薬です。有効成分としてカナグリフロジンを含有しており、カナグルと名称は違いますが、同様の効果が期待できます

ちなみに、カナグリフロジンはインスリンを介さずに血糖値を下げるという珍しいメカニズムを持っているため、他の糖尿病治療薬よりも低血糖の発症リスクを抑えることが可能です。