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メトホルミンとカナグルの併用|違いを比較

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メトホルミンとカナグルは、どちらも2型糖尿病の治療薬であり、併用することができます。

「メトホルミンとカナグルの違いは?」
「どうやって併用するの?」
「注意点はある?」
などの疑問をお持ちの人も多いでしょう。

そこでこの記事では、メトホルミンとカナグルの併用や、2つの医薬品の違いについて解説します。
メトホルミンとカナグルを飲む人が知りたい情報をまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。

メトホルミンとカナグルの併用

メトホルミンとカナグルの併用

メトホルミンとカナグルは、どちらも血糖値を下げる作用があり、併用することでより高い効果を発揮します。

メトホルミンとカナグルは、血糖値を下げる作用が違うので、それぞれの作用が合わさって相乗効果が起こるためです。

メトホルミンは、肝臓に作用して、新しく糖が作られるのを防ぐことで血糖値を下げています。
一方でカナグルは、腎臓に作用して、余分な糖を尿に排泄させることで血糖値を下げています。
このように、併用してそれぞれが別の場所に働きかけることで、単体で飲むよりも効率的に効果を出すことができるのです。

また、カナグルは1日1回、朝だけ飲む医薬品なので、メトホルミンとの併用もしやすいとされています。

このように、メトホルミンとカナグルが持つ血糖値を下げる作用により、併用することでより高い効果を期待できます。

メトホルミンとカナグルのダイエット効果

ダイエットの目的で、メトホルミンとカナグルを飲もうと考えている人は、この2つを併用することがおすすめです。

理由は、カナグル単体では食欲抑制効果がないためです。

カナグルには、糖の吸収を抑えて脂肪燃焼を促す効果がありますが、食欲を抑制する効果はありません。
一方でメトホルミンには、満腹中枢を刺激して食欲を抑制する効果があるため、併用することでカナグルには無い部分をカバーすることができるのです。

また、メトホルミンもカナグルも、飲んですぐに体型の変化がみられるわけではなく、少しずつ効果を発揮する医薬品です。
そこで、2つを併用することで、それぞれを単体で飲むよりも早く効果を実感しやすくなります。

このような理由から、ダイエット目的の人には、メトホルミンとカナグルの併用がおすすめとなります。

メトホルミンとカナグル併用の飲み方

メトホルミンとカナグル併用の飲み方

メトホルミンとカナグルを併用するときは、コップ1杯程度の水かぬるま湯で、朝食の前か朝食の10分後に一緒に飲みます
そのあと、昼食時および夕食時は、食前か食後にメトホルミンだけで飲んでください。

メトホルミンとカナグルは、どちらも朝食時に飲むのが1番効果を発揮するタイミングだとされています。
また、一緒に飲むことで、飲み忘れを防ぐことにもつながります。

メトホルミンとカナグルの、それぞれ単体での飲み方については、以下に詳しくまとめました。

【メトホルミンの飲み方】
・1日2~3回に分けて、食前か食後に飲む。
・次に飲むタイミングまでは、6時間以上(最低3時間)空ける。
・1日500㎎から飲み始め、効果や副作用を見ながら1か月ごとに増量していく。
・1回に飲める量は1000㎎まで。1日に飲める量は2250㎎まで。
・飲み忘れたら、食後30分以内であればすぐに飲む。30分以上経っていたらその回はスキップする。
・飲み忘れたからといって2回分を1度に飲むことは絶対に避ける

【カナグルの飲み方】
・1日1回、朝食前か朝食10分後に飲む。
・飲む量は1回1錠100㎎
朝食10分後に飲むことで、体内におけるカナグルの濃度が1番高い状態を長く保つことができる。
・飲み忘れたら、その日は飲まずにスキップし次の日から再開する。
・飲み忘れたからといって2回分を1度に飲むことは絶対に避ける
・24時間効果が持続するため、毎日同じ時間に飲むとより効果的。

このように、メトホルミンとカナグルの飲み方には少し違いがありますが、併用する場合は、朝食の前か朝食10分後に一緒に飲む方法がおすすめです。
そのあとは、昼食時および夕食時にメトホルミンだけで飲むので、飲み忘れないように注意しましょう。

メトホルミンとカナグルの違い

メトホルミンとカナグルを比較すると、カナグルの方が効果の持続時間が長くなっています。
その他の詳しい違いは以下の通りです。

メトホルミン カナグル
特徴 価格が安い 慢性腎臓病の改善にも役立つ
効果 血糖値を下げる 血糖値を下げる
副作用 出ても弱い 出ても弱い
対象となる疾患 2型糖尿病 2型糖尿病
血中半減期 2.9時間 10.2時間
作用時間 6~14時間 24時間
飲み方 1日2~3回朝夕に服用(1回1錠) 1日1回1錠(100㎎)服用
飲むタイミング 食前もしくは食後 朝食前もしくは朝食10分後
成分名 メトホルミン カナグリフロジン
分類 ビグアナイド系経口血糖降下剤 SGLT2阻害剤
代表的な商品名 メトグルコ カナグル
※違う部分は太字で記載しています。

メトホルミンよりもカナグルの効果の持続時間が長い理由は、カナグルの血中半減期が長いためです。

血中半減期とは、医薬品を飲んだあとに、血液中に吸収された有効成分の濃度が、半分になるまでの時間のことです。
この血中半減期が、メトホルミンは2.9時間なのに対し、カナグルは10.2時間となっています。
つまり、カナグルの方が体内にとどまる時間が長いため、その分効果も長く続くのです。

このような理由から、メトホルミンとカナグルでは、カナグルの方が効果の持続時間は長くなっています。

メトホルミンとは

メトホルミンとは

メトホルミンは、メトホルミン塩酸塩を有効成分としたビグアナイド系の血糖降下薬で、2型糖尿病の治療に使用されています。

メトホルミンには、
・インスリン抵抗性を改善する
・肝臓での糖新生を抑制する
・糖を便中へ排泄する
・食欲を抑制する
などの作用があり、これによって2型糖尿病の治療に効果を発揮しています。

インスリン抵抗性とは、体の中の筋肉や臓器がインスリンに反応せず、血液中の糖分を吸収しなくなってしまうことです。
体の中の筋肉や臓器がインスリンに反応することを、インスリン感受性といいますが、このインスリン感受性が弱くなることでインスリン抵抗性ができてしまい、血糖値が下がらなくなってしまいます。
メトホルミンは、筋肉などに働きかけて糖を積極的に取り込むようにしてくれるため、インスリン感受性が高まり、インスリン抵抗性が改善するのです。

また、肝臓で新しく糖が作られるのを防ぐ、糖を便に排泄するなど、体内の余分な糖を除去してくれるため、体重を減らす効果があります。
さらに、脂肪燃焼を促進する、食欲を抑制するなどの作用もあり、最近ではダイエット薬としても人気が高い医薬品となっています。

メトホルミン塩酸塩を有効成分としたメトホルミンは、このようなたくさんの作用から、血糖降下薬として2型糖尿病の治療に役立てられています。

カナグルとは

カナグルとは

カナグルとは、カナグリフロジンを有効成分とした、SGLT2阻害薬に分類されている2型糖尿病の治療薬です。

カナグルが持つ、体内の余分な糖を尿から排泄させる作用によって血糖値を下げ、2型糖尿病の治療に効果を発揮しています。

血液中の糖は、腎臓で1度ろ過されます。
ろ過された糖は、糖を運ぶたんぱく質であるSGLT2により、再び血液中に再吸収されます。
カナグルは、このSGLT2による再吸収を妨げることで、より多くの糖を尿中に排泄させているのです。
また、これにより尿の量が増えるので、水分や老廃物をため込みにくい体になります。
そのため、むくみ解消や、体重減少にも効果的です。

さらに、カナグルには、
・脂肪肝の改善
・心筋梗塞や脳卒中のリスク低減
・腎臓の負担を減らし、保護する
といった作用もあります。
特に、腎臓の保護については、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病において効果を発揮するとされています。

このようなたくさんの作用により、カナグルは、SGLT2阻害薬として2型糖尿病の治療に役立てられています。

メトホルミンとカナグルの注意点

メトホルミンとカナグルを併用するときは、低血糖や乳酸アシドーシスに注意が必要です。

メトホルミンとカナグルの相乗効果により、血糖値を下げる作用が強く出たり、乳酸アシドーシスのリスクが高くなったりすることがあるためです。

たとえば、何らかの理由でもともと血糖値が低いときに併用をしてしまうと、血糖値が危険なレベルまで下がりすぎてしまい、低血糖を起こすことがあります。
また、カナグルの利尿作用により脱水を起こすことがありますが、これが乳酸アシドーシスを引き起こす原因となってしまいます。

ちなみに、メトホルミンとカナグルを単体で飲んだときの注意点は、以下の通りです。

【メトホルミンの注意点】
過度のアルコールを摂取したときは、絶対にメトホルミンを飲んではいけない。乳酸アシドーシスのリスクが高くなるため。
ヨード造影剤を使用するときは、一時的にメトホルミンを休薬する。ヨード造影剤は、メトホルミンによる乳酸アシドーシスのリスクを高めるため。
食事をしないとき、激しい運動をしたときは、メトホルミンを飲んではいけない。重い副作用が出るリスクが高くなるため。

【カナグルの注意点】
スルホニルウレア剤との併用に注意する。低血糖のリスクが高いため。
・カナグルを飲んでいる間は、こまめに水分補給をする。カナグルの利尿作用で尿量や排尿回数が多くなり、脱水の可能性があるため。
利尿薬と併用するときは、利尿薬の量を調整する。利尿作用がより強まるため。
・手術を予定している場合は、少なくとも3日前から休薬する。
・陰部周辺は清潔に保つ。尿糖による尿路感染膣カンジダ症を防ぐため。

メトホルミンとカナグルを併用する場合、低血糖や乳酸アシドーシスなどを起こす可能性があるため、このような注意点をしっかり確認しておきましょう。

メトホルミンとカナグルの副作用

メトホルミンとカナグルには、どちらもリスクは高くないものの、いくつか副作用があります。
万が一、重大な副作用や、不安な症状があらわれた場合は、医師に相談してください。
メトホルミンとカナグルの副作用は、以下の通りです。

【メトホルミンの副作用】
主な副作用:消化器症状(下痢、吐き気)
重大な副作用:乳酸アシドーシス、低血糖、肝機能障害、横紋筋融解症など

【カナグルの副作用】
主な副作用:頻尿、尿路感染症、脱水、膀胱炎、便秘
重大な副作用:低血糖、膣カンジダ症、ケトアシドーシス、フルニエ壊疽、敗血症など

このように、メトホルミンとカナグルには、副作用がいくつか報告されています。
飲めば必ず起こるというわけではありませんが、これらの症状を覚えておきましょう。

メトホルミンとカナグルの禁忌事項

メトホルミンとカナグルの併用において、注意が必要な場合や、そもそも併用禁止の場合もあります。
メトホルミンとカナグルを併用する前に、以下を参考にして、自分に当てはまるものがないか確認してください。

【メトホルミンとカナグルの併用禁止】
・メトホルミンとカナグルに対して過敏症を起こしたことがある人
・過度のアルコール摂取をした人
・手術前後の人
・糖尿病性ケトアシドーシスの人
・重度の内臓機能障害を持っている人
・1型糖尿病の人
・透析中の人

【メトホルミンとカナグルの併用注意】
・栄養不足状態の人
・妊娠中や授乳中の人
・幼児や高齢者
・脱水を起こしやすい人

このように、メトホルミンとカナグルには、禁忌事項や注意事項があります。
メトホルミンとカナグルを飲む前に、しっかりと確認しておきましょう。

まとめ

メトホルミンとカナグルの併用について、ここまで解説したことをまとめました。

  • メトホルミンとカナグルは併用できる
  • 併用することで、ダイエット効果も高まる
  • メトホルミンは1日2~3回、カナグルは1日1回1錠飲む
  • メトホルミンとカナグルを併用する場合は、コップ1杯程度の水かぬるま湯で、朝食前または朝食10分後に一緒に飲む
  • カナグルの効果の持続時間が長い理由は、体内にとどまる時間が長いから
  • メトホルミンとカナグルを併用する時は、低血糖と乳酸アシドーシスに注意する
  • メトホルミンは、過度のアルコールを摂取したときは飲んではいけない
  • カナグルには利尿作用があるため、脱水に注意する

メトホルミンとカナグルを併用することで、単体で使用したときに比べて、より高い効果を期待できます。
飲み方に注意しつつ、安全に、より効率的に利用しましょう。

Q&A

Q&A

メトホルミンとカナグルの併用について、よくある質問をまとめました。

Q.カナグルの一般名は?

A.カナグルの一般名は、「カナグリフロジン」です。
カナグルは商品名で、SGLT2阻害薬に分類される糖尿病治療薬です。

Q.カナグルとカナリアの違いはなに?

A.カナグルとカナリアの違いは、含まれる有効成分の種類です。
カナリアは、カナグルとテネリアの配合剤で、2つの医薬品の有効成分が含まれています。

カナグルとテネリアは、同じ糖尿病治療薬ですが、血糖値を下げる作用が違います。
そこで、2つの医薬品の長所を活かしつつ、より高い効果を得るため、配合剤であるカナリアが誕生しました。

ちなみに、カナグルは有効成分「カナグリフロジン」100mgを含む医薬品、カナリアは、カナグルの有効成分「カナグリフロジン」100mgと、テネリアの有効成分「テネリグリプチン」20mgを含む医薬品です。
カナリアは、2つの医薬品の作用を1錠に合わせているため、併用するよりも飲む錠剤の量を減らすことができ、費用も抑えることができます。

このように、カナグルとカナリアでは、含まれる有効成分の種類に違いがみられます。

Q.メトホルミンやカナグルはどこで買えるの?

A.メトホルミンとカナグルは、個人輸入代行サイトから購入できます。

この2つの医薬品は、糖尿病の治療目的であれば保険が適用されますが、ダイエット目的の場合は自由診療になるため、保険適用外です。
自由診療では、クリニックが値段を設定しているので、高額であることが多くなっています。

そのため、メトホルミンとカナグルの購入を考えている人は、個人輸入代行サイトからの購入がおすすめです。