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ED(勃起不全)とは
ED(勃起不全)とは、男性器が勃起しない、十分な勃起力がない、あるいは射精まで維持できずに中折れしてしまうことで満足な性行為が行えない症状のことをいいます。
SD(性機能障害)の1つで、ED、勃起不全の他に「インポテンツ」といった呼び名でも認知されています。
英語では「Erectile Dysfunction」と表記されます。
数々の調査によると、EDを発症している人はどの国も40代頃から増加し、加齢とともにその割合は増えていっています。
EDの症状は、人に伝えにくい、比較しにくいといったことから自分の症状を把握していない人も多くいるため、治療しないでいる人が多いといった現状があります。
ED(勃起不全)の症状
ED(勃起不全)の主な症状には、勃起困難、硬度不足、勃起が維持できない中折れがあります。
また同じ症状でも体質や性格などによって程度に違いがあり、状態によって治療方法が異なります。
EDは放っておけばそのうち改善する。ということはありません。
自分がいまどの状態で、治療に向けて何を優先して行動すればよいのかを知ることが、早期治療の第一歩となります。
軽度のED
勃起自体に大きな問題がないことが多く、そのため治療意思が弱く、結果、症状が重症化してしまうといった可能性があります。
どの程度の症状が軽度かを把握し自覚することが大切です。
軽度EDの主な症状は硬度不足となります。
硬度不足
硬度不足とは、勃起自体はするが性行為を行う際に硬さが足りない症状のことをいいます。
アルコール摂取などによっての一時的な症状であるか、EDの症状であるかの判断が必要です。
硬度不足の有無はEHS(Erection Hardness Score)でチェックすることができます。
病院での診断でも使用されているもので勃起の硬さを果物の硬さに置き換えて硬度の指標として診断するものです。
以下の症状に当てはまる方は硬度不足、軽度のEDである可能性があります。
・最初は十分な勃起力があるが、長続きしない。
・勃起してコンドームを装着するうちに萎えてきてしまう。
・挿入時に男性器の硬さが十分でないことがある。
・たいていの場合は十分な勃起力があり維持できるが、性欲が落ちてきた。
中度のED
勃起の頻度に確実性がなくなってくると中度である可能性があります。
毎回ということでなくてもたまに勃起しないことがあったり、維持が難しくなることは、射精に至らなくなる、感度に大きな影響を及ぼすといった新たな問題を引き起こしてしまうことがあります。
中度EDの主な症状は中折れとなります。
中折れ
中折れとは、最初は勃起しても勃起状態を維持できず、性行為の途中や挿入中に萎えてしまい射精にいたることができない症状をさします。
日常生活やマスターベーションで勃起しても性行為で中折れする場合は心理的な要因によって引き起こされているケースが多いといわれています。
以下の症状に当てはまる方は中折れ、中度のEDである可能性があります。
・挿入中に中折れしてしまう。
・自慰行為では勃起、射精するが、性行為時に勃起、または維持力がない。
・性的興奮や刺激を受けてもたまに勃起しないことがある。
・挿入できるが勃起時間が短くなった。
・時々、性行為ができない。
重度のED(勃起不全)
勃起がほとんどない、あるいは不可能な症状をさします。
十分な性欲、性的興奮があっても勃起できないことにはなにかしらの原因があります。
重度EDの主な症状は勃起困難となります。
勃起困難
勃起困難とは、性的刺激や性的興奮が十分にあっても、男性器が反応せずまったく勃起できない症状をさします。
男性器の海綿体への血液流入に問題が起きているため、朝、目覚めて全身の血流がよくなることで起こる朝立ちも起きなくなってしまいます。
また、性的興奮すら起こらない。といった場合は性機能障害に分類されます。
以下の症状に当てはまる方は勃起困難、重度のEDである可能性があります。
・勃起力を維持できない。
・性行為時に十分な勃起力を得られない。
・男性器が全く硬くならない。(完全勃起障害)
・糖尿病や動脈硬化といった疾患がある。(半数以上が重度のED)
勃起のメカニズム
勃起のメカニズムには、「中枢勃起」と「反射性勃起」があります。
中枢性勃起
中枢性勃起とは、脳の中で想像したり、視覚、聴覚、嗅覚などの五感が刺激されることで大脳が興奮して起こる勃起のことをいいます。
脳での興奮が脊髄内にある中枢神経に伝わり男性器周辺の血管が拡張され大量の血液が流入されることによって起こります。
反射性勃起
反射性勃起とは、男性器に直接性的刺激を与えることで男性器周辺の血管が拡張され大量の血液が流入されることで起こります。
その他にも乗り物の振動を感じることで反射的に勃起が起こることがあります。
ED(勃起不全)の原因
ED(勃起不全)が起こる原因は様々で、それぞれの原因によって治療法が異なります。
自身の原因だけでなくパートナーが関係して起こる勃起不全もありますので、きちんと改善するためにも正しい知識をもっておくことが必要です。
すべての男性に該当する主な原因のひとつに加齢があります。
1998年に行われた調査では、日本のED患者数は推定1130万人という調査結果が発表されました。
また別の調査によって、ED発症は加齢とともに増加することが裏付けられており、さらに別の調査では高齢化が進んでいるアジア地域ではED患者数が大幅に増えるという予測が出されています。
加齢を含め、EDの原因には大きく分けて4つあります。
・ストレスやトラウマが原因の心理的原因。
・男性器やそれに関わる血管、神経などの肉体的原因。
・心と身体の原因が併発している混合的原因。
・別な病気の治療薬による副作用による薬剤的原因。
これらは医学的に心因性ED、器質性ED、混合性ED、薬剤性EDと分類され、心因性EDは日常生活で生まれる家庭不和、過労、睡眠不足といった現実心因と、妬み、怒り、不安、トラウマといった深層心因にさらに分類されます。
自身の勃起不全の症状や原因に合わせた治療を行うことが早期改善に繋がります。
合わない治療方法を取ってしまうと治療効果を得られないこともある為、まずはしっかりと自分の原因を把握することが大切です。
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