こんにちは、ゲスト
上へ戻る

更新日:

バイアグラと高血圧について薬の相互作用やEDとの関係性を解説

バイアグラと高血圧について薬の相互作用やEDとの関係性

高血圧の持病がある人は、バイアグラを飲めるのか?
バイアグラと高血圧の薬は併用できるのか?
事前に知っておかなければ、取り返しのつかないことになってしまいます。
また、日本人の3人に1人が高血圧と診断されていることから、高血圧は国民病ともいわれており、自覚症状が出にくいため別名サイレントキラー(沈黙の殺し屋)とも呼ばれます。
このページでは、バイアグラと高血圧に関する疑問や、高血圧とEDの関係について解説しています。

バイアグラを飲むと血圧は下がる?上がる?

バイアグラを飲むと血圧は下がる?上がる?

意外かもしれませんが、バイアグラを飲むと血圧は下がります。
バイアグラは勃起をサポートするという効果から、「勃起する→興奮する→血圧が上がる」というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。

たしかに、人は気持ちが高ぶると血圧が上がります。
しかしバイアグラは、人の精神に作用して興奮させるという医薬品ではありません。
有効成分であるシルデナフィルには、血管の拡張をサポートする作用があるため、もともと血管にかかっていた圧が弱まり、血圧は下がるのです。

バイアグラは高血圧でも飲めるED治療薬?

バイアグラは高血圧でも飲めるED治療薬?

バイアグラは高血圧でも飲める医薬品です。
ただし、他の持病や常用薬があれば飲めないケースがあります。
理由としては、バイアグラには血管を拡張させて血圧を下げる働きがありますが、高血圧の薬も同じ作用があるためです。
そのため、バイアグラと高血圧の薬を併用すると、相互作用で過度に血圧が下がってしまうことがあり、大変危険です。
普段から高血圧の薬を飲んでいる人は、バイアグラを飲む前に、かかりつけ医に相談しましょう。

バイアグラと高血圧の薬は併用できる?

バイアグラと高血圧の薬は併用できる?

バイアグラと高血圧の薬は、医師の診察を受けて血圧をコントロールしている人に限り併用可能です。
必ず医師の診察のもと必要な検査を受け、許可をもらってからバイアグラを服用してください。

高血圧の薬でEDや射精障害になるって本当?

高血圧の薬が原因でEDや射精障害になっている可能性があります。
実際に、高血圧の薬を飲んでいる人の中には、「勃起しなくなった」「勃起はするが射精できなくなった」という人が一定数おられます。
そういった場合、高血圧の薬が原因となって薬剤性EDが発症していると考えられるでしょう。
しかし、すべての高血圧の薬がEDや射精障害の原因となるわけではありません。
高血圧の薬の中には、性機能を悪化させてしまうものもあれば、改善してくれるものもあるためです。
一部の利尿薬やベータ遮断薬、中枢性交感神経抑制薬などは、勃起機能の低下が指摘されています。
またカルシウム拮抗薬に関しても、種類によっては勃起機能を低下させてしまうようです。
勃起に対して悪影響がないとされている高血圧の薬は、アルファ遮断薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬、アンジオテンシン交換阻害薬が挙げられます。

高血圧とEDの関係について

高血圧とEDの関係

EDの25%は高血圧が原因といわれています。
高血圧の人がEDになる確率は通常の2倍、EDの人が高血圧である確率も通常の2倍というデータがあります。
また、高血圧によるEDは動脈硬化の始まりともいわれているため、EDを自覚したら動脈硬化の初期症状である可能性を疑いましょう。
動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞、大動脈瘤や大動脈解離など、深刻な病気の原因になります。
そのため、高血圧はEDになる可能性を高めてしまうだけでなく、健康面にも多大な悪影響を及ぼしてしまうのです。
高血圧とEDを併発している場合には、高血圧の悪化によりEDも悪化するため、なるべく早めに治療を受けてください。

高血圧とは?原因と考えられる病気

収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上もしくは拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。 血圧は、寒暖差やストレス、喜怒哀楽による興奮状態などに影響されて常に変動するため、一度の測定だけでは判断できません。
そのため、血圧測定時にたまたま血圧が高かった場合などは、高血圧に該当しません。
血圧を何度か測定し、確実に基準値を上回っていると診断された場合に高血圧となります。
現在、高血圧が原因で年間約10万人が死亡しているといわれており、高血圧は非常に危険な病気です。
発症する原因によって、高血圧は本能性高血圧と二次性高血圧の2種類に分類されています。
高血圧の原因がわからない場合は本能性高血圧に分類されるのですが、高血圧の人のうち約90%がこちらに該当します。
本能性高血圧の考えられている原因は以下のとおりです。

・塩分の過剰摂取
・肥満
・飲酒
・運動不足
・ストレス
・遺伝的体質
・喫煙
・野菜や果物不足

反対に、高血圧の原因がわかっている場合は二次性高血圧に分類されます。
おもに、腎臓の働きに関係する病気や、血圧を下げるホルモンに異常が起きる病気が原因です。
具体的には、腎動脈狭窄や原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などが挙げられるでしょう。

高血圧は国民病といわれており、現在日本人の3人に1人は高血圧と診断されています。
そういった背景もあり、厚生労働省は食塩の摂りすぎなどに対し、高血圧の原因になるとして注意喚起しています。

低血圧の人はバイアグラを飲めない

低血圧の人はバイアグラを飲めない

残念ながら、低血圧の人はバイアグラを飲めません。
低血圧は収縮期血圧(最高血圧)が90mmHg未満もしくは拡張期血圧(最低血圧)が50mmHg未満の場合に診断される病気です。
バイアグラには血圧を下げる効果がありますが、低血圧の人がバイアグラを飲むと血圧が危険なレベルにまで下がってしまうためです。
さらに、血圧が大幅に下がってしまうと全身の臓器に十分な血液を送ることができなくなってしまうため、命に関わります。
立ちくらみやめまい、頭痛や倦怠感など、低血圧の症状を自覚している人は、まずは低血圧の治療に専念しましょう。

他にもバイアグラを飲んではいけない人

バイアグラを飲んではいけない人は、低血圧の人だけではありません。
以下に該当する人も、バイアグラを飲んではいけない人なので注意してください。
・バイアグラに過敏症の既往歴あり
・硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤を投与中
・心血管系障害を有する
・重度の肝機能障害がある
・低血圧または治療による管理がされていない高血圧
・脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヶ月以内にある
・網膜色質変性症
・塩酸アミオダロンを投与中
・未成年

ここに記載している以外にもバイアグラを飲んではいけない人がいるので、持病のある人や常用している医薬品がある人は、必ずバイアグラを飲む前に医師の診察を受けてください。

バイアグラを飲んではいけない人については、下記リンク先のページで詳しく解説しているので、不安がある人は事前に確認しておきましょう。

バイアグラは肺高血圧症の治療薬と同じ有効成分

バイアグラは肺高血圧症の治療薬と同じ有効成分

バイアグラに含まれる有効成分シルデナフィルは、肺動脈性肺高血圧症の治療薬レバチオにも含まれています。
ただし、レバチオとバイアグラは適応される病気が違うため、シルデナフィル含有量や飲み方に違いがあるので注意しましょう。
レバチオはオーファンドラッグ(希少疾病医薬品)として2005年にアメリカやEUで承認され、2008年には日本国内でも承認されました。
しかし、そもそも患者数が少なく、開発に成功しても開発費用を売上で回収できないため、現在でも開発に乗り出す製薬会社が少ないという現状があります。
「開発されない薬はまるで見捨てられたOrphan(孤児)のようだ」という言葉から、オーファンドラッグと呼ばれるようになりました。
そういった背景の中、シルデナフィルを含む医薬品の研究が進んだことにより、含有量と飲み方を変えることで、肺動脈性肺高血圧にも効果があると発見されたのです。

レバチオ:肺動脈性肺高血圧症治療薬

レバチオは肺の血流を改善し、息切れや呼吸困難などの症状をやわらげる効果があります。
作用としては、血管を広げる物質をサポートし、肺動脈を拡張します。
その結果、圧力が分散することで肺動脈の血圧が下がるのです。
肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送る肺動脈の血圧が高くなる病気です。
ハッキリとした原因がわかっておらず、治療法が確立されていないことから、現在も難病に指定されています。
症状には、息切れや疲労感、ひどい場合だと体を動かしただけで失神するという、危険な病気です。
治療とはいきませんが、症状を抑える医薬品として、リオシグアトやセレキシパグなど、そしてレバチオがあります。

レバチオの詳細に関しては、下記リンク先のページで解説しています。

バイアグラなどのED治療薬には血管の修復や再生の効果もある!?

バイアグラなどのED治療薬には血管の修復や再生の効果もある!?

バイアグラは傷んだ血管を修復し、血管年齢を若返らせる可能性があるという研究が進められています。
しかもこの効果は一過性ではなく、長期間バイアグラを飲み続けることで、飲むのをストップしてからも血管内皮機能の改善が確認されました。
実際にバイアグラを飲んでいる人からも、血管の修復や再生に対する効果を感じたという報告もあります。
しかし、ファイザーからの助成金でおこなわれていた研究だったことが後から判明し、どうしても信頼性に欠ける研究結果となってしまっています。
血管の修復や再生の効果については、引き続き研究が必要でしょう。