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バイアグラの副作用と適切な対処法

バイアグラの副作用と適切な対処法

バイアグラの副作用は、必ずしもすべての人にあらわれるわけではありません。
しかし、いざというとき副作用についての知識がなければ、勃起できても副作用が気になって集中できなかったり、それどころではなくなってしまうこともあります。
このページでは、バイアグラの主な副作用、それに対する適切な対処法、そして発生する確率について詳しく解説いたします。
副作用の知識を学んでおき、安全にバイアグラを利用しましょう。

バイアグラの主な副作用と対処法

バイアグラの主な副作用と対処法

バイアグラにはED改善に効果を発揮しますが、同時にいくつかの副作用も報告されています。
主な副作用の種類や確率については、以下の表をご覧ください。

1%以上 0.1〜1%未満 0.1%未満 頻度不明
循環器 顔のほてり、潮紅 胸痛、動悸、頻脈 高血圧、不整脈、不完全右脚ブロック、末梢性浮腫 心筋梗塞注、低血圧、失神
精神・神経系 頭痛 めまい、傾眠、昏迷 異常感覚、下肢痙攣、記憶力低下、興奮、緊張亢進、錯乱、思考異常、神経炎、神経過敏、神経症、不安、不眠症、無気力
肝臓 AST増加 ALT増加、LAP上昇、LDH増加、血中トリグリセリド増加、γ-GTP増加、血清リン脂質上昇、血中アミラーゼ増加、血中アルブミン減少、血中ビリルビン増加、総蛋白減少
消化器 胸焼け、悪心、胃腸障害、口渇、消化不良、腹痛 おくび、胃炎、胃不快感、下痢、口唇乾燥、舌障害、白舌、腹部膨満、便秘、嘔吐、嚥下障害
泌尿・生殖器 陰茎痛、射精障害、朝立ちの延長、半勃起持続 勃起の延長、持続勃起、尿路感染、前立腺疾患
呼吸器 鼻炎 呼吸障害、鼻閉、咽頭炎、喘息 鼻出血、気道感染症、副鼻腔炎
筋・骨格系 関節痛、筋肉痛 骨痛、背部痛
皮膚 発疹 そう痒症、眼瞼そう痒症、脱毛症、男性型多毛症、発汗、皮膚乾燥、皮膚障害、紅斑
血液 ヘマトクリット減少、ヘマトクリット増加、ヘモグロビン減少、リンパ球減少症、リンパ球増加症、好酸球増加症、赤血球減少症、赤血球増加症、白血球増加症
感覚器 目の充血、結膜炎、彩視症、視覚障害 眼乾燥、眼痛、屈折障害、光視症、味覚異常、味覚消失、流涙異常、羞明 霧視、視力低下、網膜出血、網膜静脈閉塞、突発性難聴
その他 CK増加、疼痛、熱感 BUN増加、インフルエンザ症候群、リンパ節症、血中ナトリウム減少、血中リン増加、体重増加、血中尿酸増加、ウロビリノーゲン陽性、尿中ブドウ糖陽性、尿中赤血球陽性、尿中蛋白陽性、疲労、無力症 過敏性反応、感染症

バイアグラを飲むたびに同じ症状が出てしまうようであれば、飲むのを控えるか別のED治療薬に切り替えましょう。
初めて飲む場合は、あらかじめどんな症状が出るのか把握して対処法を知っておくことが大切です。
ここからは、とくに出やすい副作用の症状と対処法をご紹介します。
副作用はわかったから、バイアグラについてもっと知りたいという人は、下記リンク先のページをご覧ください。

顏のほてり

顏のほてりの発現率は5.78%となっており、お酒を飲んで顔が赤くなる人はとくに顔がほてりやすい傾向があります。
バイアグラの副作用の中でもよく出やすい症状であり、放っておいても自然におさまるので問題ありません。
どうしても顔のほてりが気になる場合は、顔や体を冷やすようにしましょう。
また、部屋の温度を下げるなどして顔や体を冷やすことで、顔のほてりが改善できます。
顔のほてりが重篤な症状に繋がったという報告はなく、バイアグラの効果がしっかり出ているときの証拠みたいなものといえるでしょう。

目の充血

目の充血の発現率は0.1~1%未満であり、バイアグラを飲んで目が充血する可能性は低いといえるでしょう。
目の充血が出てしまった場合、目のまわりを保冷材などで冷やしたり、点眼薬を使用するのが効果的です。
市販の点眼薬とバイアグラは併用できるので一緒に使ってもいいのですが、そもそも目の充血の症状が軽い場合、放っておいても問題ありません。
ただし、症状が重い場合や続く場合は、眼科で医師の診察を受けてください。

頭痛

頭痛の発現率は3.87%で、低血圧の人やお酒を飲むと頭が痛くなるタイプの人は頭痛が出やすいとされています。
症状は軽度で、バイアグラの効果切れとともに頭痛も消えるため、心配いりません。
頭痛が気になる場合や我慢できない場合、解熱鎮痛薬を飲むのが効果的です。
薬局やドラッグストアで購入できるロキソニンで対処できるので、頭痛が出やすいタイプの人は事前に準備しておきましょう。

胸焼け

胸焼けの発現率は0.1~1%ですが、似たように腹部の不快感を招く症状として、腹痛や下痢を起こすこともあるので注意しておきましょう。
胸焼けは、有効成分シルデナフィルの働きが平滑筋を緩めてしまい、胃酸や胃の内容物が逆流しやすくなって引き起こされます。
胸焼けが気になる場合は、胃酸を抑えるタイプの胃薬を飲むことで改善できます。
その際はバイアグラと併用可能なもので、胃酸を抑えるタイプの胃薬を選びましょう。
他にも、シルデナフィルの作用によって消化不良が起こり、腹痛や下痢を伴う場合があります。
腹痛や下痢を起こしにくくするコツとしては、バイアグラをぬるま湯で飲んでおなかを温めてあげるのがおすすめです。
胸焼け、腹痛、下痢といった症状が出ると、勃起している場合ではなくなってしまうので、胃腸が弱い人は事前に準備しておきましょう。

その他の副作用

バイアグラの副作用は他にもあり、口コミなどでよく言及されている症状は以下のとおりです。

・動悸
・発疹
・めまい
・関節痛
・鼻炎

バイアグラの副作用は、時間の経過とともに自然に改善されることがほとんどです。
起こりやすい副作用を把握したうえで、対処できるよう事前に準備しておきましょう。
また、副作用が出てしんどいと感じる場合、無理に性行為をおこなわないようにしてください。
もし無理をして副作用が強くなってしまった場合や、副作用の症状が重かったり長引く場合、すぐに病院へ行き医師の診察を受けましょう。

バイアグラの重篤な副作用と対処法

バイアグラの重篤な副作用と対処法

バイアグラの副作用として、まれに以下のような重篤な症状が起こる可能性があります。

・持続勃起症
・視覚異常
・聴覚障害
・心臓発作

これらは、いくつかの研究によって報告されている特異な症状です。
よくある副作用とは違い発現率は非常に低いものの、放っておくと予期せぬ事態を招くので注意しておきましょう。
いずれの症状も、すぐに病院に行って医師の診察を受けてください。
また、すぐに対処できるよう、それぞれの症状について簡単にでも理解しておくことが重要です。
ここからは、特異な症状について順に説明していきます。

持続勃起症(プリアピズム)

持続勃起症とは、勃起した状態が通常時に戻らなくなってしまう症状のことです。
とくに、4時間以上にわたって勃起が続く場合、持続勃起症と診断されます。
性欲に関係なく勃起状態が続いてしまうのが主な症状で、陰茎強直症やプリアピズムとも呼ばれます。
症状によって、静脈性持続勃起症と動脈性持続勃起症、2つのパターンに分けられます。
静脈性持続勃起症は、血液のめぐりが悪くなって虚血状態になることで、勃起した状態で痛みを伴うのが特徴です。
動脈性持続勃起症は、ペニスの海綿体の動脈が破れて血液が流入し続けてしまう状態で、不完全な勃起状態にとどまり、痛みは伴いません。
どちらにせよ放っておくと危険なので、すぐに病院に行き治療を受けてください。
とはいえ発現率は非常に低く、知識として頭の片隅に置いておく程度で大丈夫でしょう。

視覚異常

バイアグラの副作用として、一時的な視覚異常が発生する可能性に注意しておきましょう。
視界が青く見えてしまう青視症のほか、チカチカと光が点滅して見えたり、かすみがかったりといった症状が報告されています。
また、著しく視力が低下する場合もあり、その際はNAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)が疑われます。
NAIONは片目に突然発症し、視野の下半分あるいは上半分が見えなくなることが多く、最悪の場合、失明する恐れもある危険な病気です。
バイアグラを飲んで視覚に何らかの異常を感じることがあった場合、すぐ病院を受診してください。
視覚異常は滅多に発症しないので、基本的に心配する必要はありません。

聴覚異常

バイアグラの副作用として、一時的な聴覚障害が発生する可能性があります。
具体的には、何も音がしていないのにも関わらず、耳や頭の中で雑音が聞こえたり耳鳴りを引き起こす可能性があります。
バイアグラの有効成分シルデナフィルとの関連性が指摘されており、バイアグラを飲まなければすぐに症状が改善されるということも判明しています。
ただし、症状が続く場合は他の原因が考えられるため、すぐに病院へ行き医師の診察を受けてください。
聴覚異常も発現率は非常に低いとされており、いまのところバイアグラとの関連性や因果関係すらはっきりしていません。

心臓発作

バイアグラの副作用で心臓発作を引き起こす可能性が、いくつかの研究や報告書で言及されています。
シルデナフィルの血管拡張作用によって血管が傷み、血栓ができるなどして心臓発作が起こるリスクがあるとされています。
ただし、バイアグラを飲んでいる人すべてに起こるわけではありません。
あくまでバイアグラを過剰に飲んでしまった場合に起こるとされており、発現率は極めて低いものです。
用法用量を守って正しく飲んでいる限り、心配する必要はないといえるでしょう。

バイアグラの副作用が起こる原因

バイアグラの副作用が起こる原因

体質に合っていなかった

バイアグラが体質に合っていないと、効果を感じられなかったり、副作用が強く出ることがあります。
個人差がありますが、本来は効果を感じられなかったときに用量を増やしたり、副作用が出たら用量を減らすことで対処可能です。
しかし、用量を変えても効果が実感できなかったり副作用が強く出た場合、残念ながらバイアグラが体質に合っていない可能性が高いでしょう。
また、人によってはバイアグラに対してアレルギー反応を起こすこともあるため、ご自身の体調の変化には注意しておいてください。
無理にバイアグラを飲もうとせず、他のED治療薬や別の治療方法を検討してみましょう。

飲み合わせが悪かった

バイアグラを併用禁忌の医薬品と一緒に飲むと相互作用により重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
持病の治療で医薬品を飲んでいる人は、常用薬とバイアグラが併用禁忌や併用注意に該当するかどうか、事前に確認しておきましょう。
また、バイアグラはグレープフルーツとの飲み合わせに注意が必要です。
グレープフルーツの成分として含まれるフラノクマリンの働きで、バイアグラの成分を過剰に吸収してしまうため、副作用のリスクが高まります。
また、脂っこい食事をすると成分が吸収されにくくなり、効果を実感できなくなってしまうことがあります。
併用禁忌や併用注意だけでなく、医薬品以外にも注意しなければならない飲み合わせがあることも覚えておきましょう。
ちなみに、お酒は適量ならリラックス効果があるため勃起をサポートしてくれますが、飲み過ぎるとさまざまな悪影響が出ます。

用量が多かった

自分に適した用量以上にバイアグラをたくさん飲んでも、効果は強くならず副作用だけが強まります。
バイアグラをたくさん飲めば飲むほど効果が強くなると思っている人が少なからずいらっしゃいますが、非常に危険なので必ず用法用量を守りましょう。
勃起力を求めるのであれば飲む用量を増やすのではなく、他のED治療薬に変えてみたり体の調子をしっかり整える方が効果的です。
もし効果の強さを求めてED治療薬を変更するなら、レビトラやレビトラジェネリックに変えてみることをおすすめします。

使用期限切れや保管方法が悪かった

使用期限が切れたバイアグラや、正しく保管されていなかったバイアグラを飲むと、予期せぬ副作用を引き起こす恐れがあります。
バイアグラの安全性が保証されているのは使用期限内に飲んだ場合だけなので、使用期限が過ぎたバイアグラは絶対に飲まないようにしてください。
また、シートから出したバイアグラは開封したタイミングから劣化が進んでしまうため、使用期限に関係なく効果や安全性は下がっていきます。
バイアグラを飲む前には必ず使用期限が切れていないか確認し、余ったバイアグラは正しい方法で保管しておきましょう。

飲んではいけない人が飲んだ

バイアグラは健康な成人男性であれば誰でも飲める医薬品です。
しかし、以下に当てはまる人がバイアグラを飲むと命に関わる可能性があるため絶対に飲まないでください。

(1)この薬の成分に過敏症の既往歴がある方
(2)硝酸剤や一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなど)を服用している方
(3)心臓や血管などの病気があるため、性行為が不適当と考えられる方
(4)肝臓の機能が重度に低下している方
(5)血圧が低すぎる方(血圧が90/50mmHg未満)や、高血圧で治療を受けていない方(安静時の収縮期血圧が170mmHg以上、拡張期血圧が100mmHg以上)
(6)直近6ヶ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴がある方
(7)網膜色素変性症の方(この病気の患者さんには、ホスホジエステラーゼの遺伝的な問題を持つ方が少数います)
(8)アミオダロン塩酸塩(経口剤)を服用している方
(9)可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)を服用している方

個人の状態により、バイアグラを飲んではいけないケースは他にも考えられます。
また、バイアグラを飲んで少しでも体に異変を感じれば、すぐに医師の診察を受けてください。

バイアグラを飲むと精子に影響する?

バイアグラを飲むと精子に影響する?

バイアグラを飲んでも、精子の数や運動量、精液の量に影響はありません。
また、バイアグラを飲んで性行為をしても、パートナーや胎児に影響はないので、安心して飲むことができます。
そもそもバイアグラは、男性の不妊治療において厚生労働省に認められており、条件をクリアすれば保険が適用される医薬品です。
精子に影響してしまう医薬品を、厚生労働省が男性不妊の治療法として認めることはないでしょう。
そういった面からも見ても、バイアグラが精子に影響を及ぼすことがなく、安全な医薬品であることがわかります。

バイアグラを飲み続けるとどうなる?

バイアグラを飲み続けるとどうなる?

バイアグラは、習慣的に飲み続けても身体や精神を蝕むことはないので、非常に安全性の高い医薬品です。
長期間飲み続けてもバイアグラに対する薬剤耐性はできず、効果が徐々に下がるちうこともなく、飲む量を増やしていく必要もありません。
さらに依存性もないので、バイアグラなしでは発作が出てしまうといった薬物依存などの心配もありません。
正しい飲み方を守っている前提ですが、バイアグラは飲み続けることで血管が若返るといわれているくらいなので、副作用などの問題がなければ、飲み続けることが健康に良い場合もあります。
1日1回1錠の飲み方を守り24時間の間隔を空けていれば、習慣的に飲み続けても問題のない医薬品といえるでしょう。

バイアグラの副作用が気になる場合は他のED治療薬にする

バイアグラの副作用が気になる場合は他のED治療薬にする

ED治療薬はバイアグラ以外にも種類があり、特徴によって使い分けることで最大限に効果を発揮します。
例えば、即効性が高いレビトラ、効果の持続力時間が長いシアリスが、バイアグラ以外の代表的なED治療薬です。
また、従来のED治療薬のメリットを活かしつつ、デメリットを補うように開発されたステンドラやザイデナといったED治療薬もあります。
ステンドラは、効果発現時間が比較的早いことや食事の影響を受けにくいことに加え、副作用のリスクが少ないのが特徴です。
また、ザイデナは持続時間がシアリスの次に長く、食事の影響や副作用が少ない点や、アジア人向けに作られているのが特徴です。

バイアグラの副作用について質問

バイアグラの副作用について質問

バイアグラの副作用で失明?

バイアグラを網膜色素変性症の人が飲むと失明のリスクがあるといわれています。
網膜色素変性症は国が指定する難病で、視覚が狭まったり視力が低下するといった症状が特徴です。
発症して間もなく、暗いところで物が見えにくくなる夜盲の症状があらわれ、次第に視覚が狭くなり物が見えたり消えたりするといった症状が進行します。
症状が緩やかに進行するという特徴があるため数年から数10年かけて病状が進行し、自然に治ることはありません。
また、残念ながら未だに根本的な治療法は見つかっていません。
網膜色素変性症が原因で完全に失明する可能性は低いのですが、バイアグラの影響で失明のリスクが高まることが考えられるため注意しておきましょう。
網膜色素変性症の症状に心あたりがある人は、なるべく早めに医師の診察を受けに行きましょう。

バイアグラの副作用で死亡例?

バイアグラの副作用が原因で亡くなったわけではありませんが、死亡例があることは事実です。
厚生労働省が注意喚起として1998年7月15日に公式発表しています。
当時60代の男性が友人からバイアグラを譲り受け、1錠飲んだ後に性行為をおこなったところ、体調に異常をきたしたという事例です。
家族が異常に気づいて救急要請しましたが、救急隊が到着したときにはすでに心肺停止状態であり、その後、死亡が確認されています。
死亡した男性は高血圧、糖尿病、不整脈を患っており、治療のためにニトログリセリン貼付薬などを使用していたことがわかっています。
ニトログリセリンはバイアグラの併用禁忌薬に該当しており、知らずに併用したことで起こってしまった不慮の事故でした。
バイアグラの注意点をしっかり理解していれば、このような死亡事故が起こることはなかったでしょう。