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ルネスタとデエビゴの違いを比較解説|併用についても紹介
ルネスタとデエビゴは、どちらも不眠症の治療に使用される睡眠薬です。
それぞれに特徴があり、症状に合わせて使い分けられます。
この記事では、どちらがいいか迷っている人や、自分に合う睡眠薬を知りたい人へ向けてルネスタとデエビゴの特徴や違いについて解説しています。
ルネスタとデエビゴの違いを比較
ルネスタとデエビゴの違いを比較して、以下の表にまとめました。
ルネスタとデエビゴの大きな違いは、作用メカニズムです。
ルネスタは脳に直接作用するのに対し、デエビゴは脳の覚醒を促すホルモンであるオレキシンの働きを抑えることで眠りに導きます。
そして、作用メカニズムの違いによって、睡眠薬の分類や作用の持続時間、副作用などにも違いがあります。
ルネスタとデエビゴはどちらが早く効果が現れるのか
効果が早く現れるのはルネスタです。
その理由は、ルネスタが超短時間型の睡眠薬だからです。
睡眠薬は服用してから効き始めるまでの時間と、作用時間によって超短時間型・短時間型・中間型・長時間型に分けられます。
超短時間型の睡眠薬であるルネスタは、最も作用が現れるが早く、作用の持続時間が短いです。
ただし、服用したときの体調や体質によって効き方には個人差があります。
また、ルネスタとデエビゴを投与してから排泄されるまでの過程の調査結果をもとに、それぞれの効果が現れるまでの時間を比較しました。
ルネスタ | デエビゴ | ||||
---|---|---|---|---|---|
投与量 | 投与時期 | tmax(h) | 投与量 | 投与時期 | tmax(h) |
1mg | 1日目 | 1.3 (0.5-1.5) |
2.5mg | 1日目 | 1.5 (1.0-4.0) |
7日目 | 1.0 (0.5-1.5) |
14日目 | 1.3 (0.5-2.0) |
||
2mg | 1日目 | 1.0 (0.5-2.0) |
10mg | 1日目 | 1.0 (0.5-6.0) |
7日目 | 1.0 (0.5-2.0) |
14日目 | 1.5 (0.5-2.0) |
||
3mg | 1日目 | 1.5 (0.5-2.0) |
|||
7日目 | 0.8 (0.5-2.0) |
※tmax=医薬品を服用してから最高血中濃度に到達するまでの時間
この結果によると、服用してから最高血中濃度に到達するまでの時間は、最も早いものでルネスタが0.8時間、デエビゴは1時間です。
したがって、効果が現れるまでにかかる時間はルネスタの方が早いことが分かります。
ルネスタとデエビゴ効き目が長いのはどちらか
ルネスタとデエビゴを比較したとき、効き目が長いのはデエビゴです。
その理由は、デエビゴは長時間型の睡眠薬で、血中濃度半減期がルネスタより長いためです。
血中濃度半減期とは、医薬品の成分の血中濃度が半分になるまでの時間のことで、効果の持続時間に比例します。
なお、服用してから効果が現れるまでにかかる時間と同様に、効果の持続時間にも個人差があります。
ルネスタとデエビゴを投与してから、排泄されるまでの過程を調査した結果は以下の通りです。
ルネスタ | デエビゴ | ||||
---|---|---|---|---|---|
投与量 | 投与時期 | t1/2(h) | 投与量 | 投与時期 | t1/2(h) |
1mg | 1日目 | — | 2.5mg | 1日目 | — |
7日目 | 4.83±0.89 | 14日目 | 50.6 (11.4) |
||
2mg | 1日目 | — | 10mg | 1日目 | — |
7日目 | 5.08±1.62 | 14日目 | 47.4 (13.9) |
||
3mg | 1日目 | — | |||
7日目 | 5.16±0.85 |
※t1/2=医薬品の血中濃度が半分になるまでの時間
この結果から、ルネスタの血中半減期が約5時間であるのに対して、デエビゴは約50時間と圧倒的に長いことが分かります。
そのため、効き目はデエビゴの方が長いのです。
ルネスタとデエビゴの価格の違い
ルネスタとデエビゴの価格の違いを比較すると、価格はルネスタの方が安いです。
ルネスタの価格が安いのは、ジェネリック医薬品が販売されていることが理由として挙げられます。
デエビゴのジェネリック医薬品は開発されておらず、先発薬のみ販売されています。
なお、当サイトで取り扱っているルネスタとデエビゴの価格は以下の通りです。
・ソクナイト(ルネスタ)1錠あたり81円~
・デエビゴ(レンボレキサント)1錠あたり564円~
このように、ルネスタとデエビゴを比較すると、ルネスタの方が安く販売されています。
ルネスタとデエビゴの安全性について
安全性は、デエビゴの方が高いと考えられます。
デエビゴは依存性が低い睡眠薬とされているためです。
ルネスタとデエビゴは作用メカニズムに違いがあります。
ルネスタは、脳に直接作用して眠りやすくする睡眠薬で効果が強い反面、依存性や副作用のリスクがあります。
一方、デエビゴは脳を覚醒させるホルモンに作用することで睡眠を促す睡眠薬で、ルネスタより効果が穏やかですが、重大な副作用は報告されておらず、依存性の心配も少ないです。
そのため、ルネスタと比較すると、デエビゴの方が安全性は高いといえます。
ルネスタの特徴とおすすめの人
ルネスタは、非ベンゾジアゼピン系に分類される超短時間型の睡眠薬です。
ルネスタは、脳の活動を抑えることで眠気を促します。
服用してから排泄されるまでのスピードが速く、翌日に眠気が残りにくいことが特徴です。
そのため、ルネスタは以下のような人におすすめです。
・寝つきが悪い人
・翌日に眠気を持ち越したくない人
デエビゴの特徴とおすすめの人
デエビゴは、オレキシン受容体拮抗薬に分類される長時間型の睡眠薬です。
デエビゴは、脳を覚醒させるホルモンのオレキシンの働きを抑えることで、自然な眠気を強くします。
脳に直接作用しないことから副作用が起こりにくく、依存性も低いことが特徴です。
そのため、デエビゴは以下のような人におすすめです。
・夜中や早朝に目が覚めてしまう人
・何度も目が覚めてしまう人
・睡眠薬の依存性が不安な人
ルネスタとデエビゴは併用できるのか
ルネスタとデエビゴの併用については、医師に相談してください。
自己判断での併用は危険です。
ルネスタとデエビゴは、それぞれが併用禁忌薬には該当していません。
しかし、睡眠薬の併用には慎重な判断が必要です。
そのため、自己判断で併用せず、事前に医師に相談しましょう。
効かない場合は他の睡眠薬へ切り替えを検討
ルネスタやデエビゴを服用しても効果が実感できない場合は、ほかの睡眠薬への切り替えを検討することも有効です。
しばらく服用を続けていても効果が実感できない場合、症状や体質にその睡眠薬が合っていない可能性があるためです。
例えば、以下のような対応が考えられます。
・デエビゴを服用しているが、なかなか寝付けない場合
→ルネスタなどの超短時間型の睡眠薬に切り替えてみる
・ルネスタを服用しているが、早朝に目が覚めてしまい2度寝もできない場合
→デエビゴ等の長時間型や中間型の睡眠薬への切り替えを検討する
ただし、ルネスタを急に中止や減量すると離脱症状が出ることがあるので注意が必要
・デエビゴを服用しているが、翌日に眠気が残って生活に支障が出る
→ルネスタ等の超短時間型や短時間型の睡眠薬に切り替えてみる
このように、タイプが違うほかの睡眠薬への切り替えることで、症状が改善することがあります。
なお、切り替えても症状が改善しない場合や、切り替えによって副作用などが現れたときは医師に相談しましょう。
まとめ
ルネスタとデエビゴについて、ここまでに解説したことをまとめました。
・ルネスタとデエビゴの違いは作用メカニズム、作用の持続時間、副作用など
・ルネスタは非ベンゾジアゼピン系に分類される、超短時間型の睡眠薬
・デエビゴはオレキシン受容体拮抗薬に分類される、長時間型の睡眠薬
・ルネスタとデエビゴの併用の可否については、医師に相談する
ルネスタとデエビゴは、それぞれ作用メカニズムや特徴に違いがあるため、睡眠薬を服用する目的や体質に合わせて使い分けます。
よくある質問
ルネスタとデエビゴについてのよくある質問をご紹介します。
ルネスタは食後に飲んでも問題ありませんか?
食後または食事と同時の服用は避けてください。
ルネスタを食後に服用すると、空腹時の服用と比べて成分の吸収が遅れてしまう恐れがあります。
デエビゴは翌日眠くなりますか?
デエビゴを服用した、翌日に眠気が残る場合があります。
デエビゴは、効果の個人差が大きいからです。
翌日に眠気が残る場合は、服用時間を早くしたり、服用量を減らすなどの対策が有効です。