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糖尿病のステージと症状

糖尿病のステージと症状

近年では、偏った食生活や運動不足によって2型糖尿病が増加傾向にあります。
糖尿病は進行性の病気であり、ステージによって症状が異なるため注意が必要です。

本記事では糖尿病初期、中期、末期のステージごとの症状について詳しく解説していきます。
また、糖尿病予備軍や悪化を防ぐ方法もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

糖尿病初期の症状

糖尿病初期の症状

糖尿病の初期は多くの場合、軽い症状か全く症状が現れません。
のどの渇き疲労感がある程度で、ほとんどの人が無自覚なまま発症します

糖尿病は、インスリンという血糖値を下げるホルモンの働きが弱くなることや、分泌が低下することで発症します。
初期の段階ではまだインスリンの機能が残っているため、はっきりとした症状が現れず、異常に気がつくことが難しいのです。

しかし症状として現れていなくても、血液検査をおこなえば血糖値やHbA1cなどの数値には異常がみられます。
そのため、健康診断で初めて糖尿病に気がついたというケースが多くあります。

糖尿病の初期は自覚症状がなく発見が難しいため、健康診断や人間ドックを毎年受けることが大切になります。

初期症状に爪の異変?

初期症状として、爪に変色や変形などの異変が見られる場合があります。

高血糖の状態が続くと血液の通り道が狭くなってしまうため、十分な栄養が届かなくなり、爪の状態が悪くなるのです。
とくに、手の爪よりも体の末端にある足の爪に変化が現れることが多いといわれています。

特徴としては、白い線や濁りなどの変色、へこみや段差などの変形がみられます。
日頃から手や足の爪をよく観察し、異変にすぐ気がつけるようにしておくと良いでしょう。

糖尿病中期の症状

糖尿病中期の症状

糖尿病が進行すると、以下の症状が顕著に現れます。

・疲労感
・のどの渇き
・頻尿
・体重減少
・傷の治りが遅い
・視力低下、目のかすみ

このような自覚症状が出ているにも関わらず、放置したり我慢したりする人が多くいます。

糖尿病を治療せず、血糖値が高い状態が続けば神経障害網膜症腎症などの合併症を引き起こすことにつながります。
合併症は進行性のものが多く、気がついたころには元の健康な状態には戻れなくなるまで進行している場合もあります。

糖尿病を治療し、血糖値を正常に維持できれば合併症の発症や悪化は防ぐことができます。
合併症を起こさないためにも、糖尿病の早期発見・早期治療が大切です
体に異変を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。

糖尿病の匂いとは

糖尿病が進行すると、体臭が甘い匂いから果実が腐ったような甘酸っぱい匂いに変化します。

匂いの原因は、血液中にあるケトン体の過剰によるものです。

糖尿病になるとインスリンがうまく機能しないため、ブドウ糖をエネルギーに変換できずケトン体が増えます。
増え過ぎたケトン体は、尿や汗に混ざって排出され、甘酸っぱい独特な匂いを発生させるのです。

そのため、糖尿病が進行すると体臭が変化して独特な匂いを発するようになります。

糖尿病末期の症状

糖尿病末期の症状

糖尿病末期の症状として、以下の症状が挙げられます。

・むくみ
・皮膚のかゆみ
・貧血
・手足のしびれ
・尿が出にくい、残尿感
・視覚障害
・やけど、ケガなどの痛みを感じない
・傷が化膿しやすい

糖尿病が進行する前から見られる症状もありますが、進行するにつれて症状がより顕著になります。

末期では血糖値が高い状態が続いたことにより、全身の臓器や器官で影響がでてきます。
そのため心血管疾患腎不全神経損傷などの重大な合併症を引き起こす可能性が高くなり注意が必要です。

糖尿病の末期は命に関わることもあるため、症状に心当たりがある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

糖尿病末期の余命

糖尿病末期の余命については、一人ひとり病状が異なるため一概にはいえません。

合併症が進行している場合が多いことや、動脈硬化によって血栓ができやすくなり脳梗塞や心筋梗塞を引き起こして突然死する可能性もあるからです。

合併症のひとつである腎症が進行した場合、最終的に透析療法が必要になります。
透析療法を導入した場合の5年生存率は55%と言われており、早期治療がいかに重要であるかがわかります。

糖尿病は少しでも早い段階から治療を始め、悪化を防ぐことが大切なのです。

糖尿病予備軍・境界型糖尿病とは

糖尿病予備軍・境界型糖尿病とは

「糖尿病予備軍」「境界型糖尿病」とは、糖尿病の一歩手前のことです。

糖尿病と診断されるほどではないものの、正常な人よりも血糖値が高いため、糖尿病になるリスクが高い状態のことを指します。
自覚症状はなく、インスリンが出にくかったり、効きが悪くなって血糖値が高くなっているため注意しましょう。

糖尿病予備軍や境界型糖尿病であっても、糖尿病と同じように動脈硬化を起こしやすいといわれています。
動脈硬化が進行すれば、脳卒中や心筋梗塞など、心血管疾患を起こす可能性があり危険です。

まだ糖尿病まで進行していないからと安心せず、医療機関を受診し、食生活や運動など生活習慣の改善をおこなう必要があります。

糖尿病のステージを悪化させないために

糖尿病のステージを悪化させないためには、初期段階での早期発見・早期治療が大切です。
糖尿病を発症した場合、栄養バランスの取れた食生活、適度な運動、血糖値のモニタリング、服薬による血糖コントロールなどで進行を遅らせることができます。

糖尿病は大きくわけて、以下の4種類です。

・1型糖尿病
・2型糖尿病
・妊娠糖尿病
・その他(内分泌疾患、肝臓疾患、すい臓疾患、薬剤)

糖尿病の種類によって治療方法が異なっており、1型糖尿病の場合はインスリン注射、2型糖尿病は基本的に食事療法と運動療法をおこないます。

初期の段階において、糖尿病の型に合わせた治療をおこない悪化させないことが大切です。

まとめ

糖尿病のステージごとの症状をまとめると以下になります。

  • 糖尿病初期
    自覚症状はないものの、血液検査の数値では異常がみられる
  • 糖尿病中期
    のどの渇きや頻尿、疲労感などの自覚症状を感じるようになる
  • 糖尿病末期
    日常生活に支障がでるほどの深刻な健康問題が現れてくる

初期から末期にかけて異なる症状に注意して、体に異変が見られる場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
糖尿病は、早期発見・早期治療で進行を遅らせることが大切です。
糖尿病のステージと症状を理解して、合併症を起こすリスクを最小限に抑えましょう。

Q&A

Q&A

糖尿病のステージと症状について、よくある質問をまとめました。
糖尿病と診断された人や予備軍の方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q.糖尿病は自覚症状がでたら手遅れ?

A. 自覚症状が出たとしても手遅れになることはありません

糖尿病の初期は、症状が軽いか全くないという人が多いようです。
自覚症状が出たらすぐに医療機関を受診して、適切に治療をおこなえば進行を遅らせて悪化を防ぐことができます。

糖尿病の症状が出ているにも関わらず、放置したり我慢したりすると合併症を引き起こして、失明や壊疽による足の切断など、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
また、合併症が悪化すると、動脈硬化によって突然死のリスクが高まるため注意が必要です。
自覚症状が出た場合は、すぐに治療を始めましょう。

Q.糖尿病に吐き気の症状はある?

A. 糖尿病の急性合併症のひとつである糖尿病性ケトアシドーシス」を発症した場合、吐き気が起きることがあります

主な原因は、インスリンの不足による急激な血糖値の上昇であり、1型糖尿病で多く発症します。
ただし、2型糖尿病でも糖分を多く含む清涼飲料水を大量に摂取すると、発症する可能性があるため注意が必要です。

発症した場合、極度の脱水状態を引き起こし、のどの渇きや多飲、頻尿などの症状が急激に現れます。
悪化すると吐き気や腹痛、甘酸っぱい匂いの息、意識障害が起こり、すぐに治療をおこなわないと昏睡状態になり命に関わる可能性があります。

高血糖の状態で吐き気や意識障害などの症状が出た場合は、糖尿病性ケトアシドーシスの可能性があるため病院を受診しましょう。

Q.1型糖尿病のステージ分類は?

A. 1型糖尿病は2型糖尿病とは異なり、急に発病するためインスリン分泌の低下速度によって、「劇症」「急性発症」「緩徐進行」の3つに分類されます

初期症状はのどの渇きや頻尿、体重減少や倦怠感など風邪の症状に似ており、風邪と思って病院を受診する人が多いようです。
劇症型は糖尿病の症状が現れてから1週間程度で、糖尿病性ケトアシドーシスに陥る可能性があるため注意しましょう。

高血糖状態が続くと、2型糖尿病と同様に合併症を起こすリスクがあるため、インスリン製剤による血糖コントロールが重要です。