トンカットアリとは

トンカットアリとは東南アジアの熱帯雨林に生息する野生の植物で、主にインドシナ、マレー半島、ボルネオ、スマトラが原産地です。

人工での栽培が難しく何年もかけてゆっくりと成長し、直径15㎝ほどの幹になるのにも約10年かかるという報告もあります。主に天然の熟成させた根が、粉末状やチップにして使われるほか、葉をペースト状にして使われたりもします。

そんなトンカットアリには非常に多くの健康効果があり、ベトナムでは100の病気を治すという意味で、Cay（治す）Ba（100）Binh（病気）という名前で呼ばれています。

近年では男性ホルモンを増やす最強の天然成分として世界中で注目されています。

韓国の研究者によると、性的な治療効果に関しては朝鮮人参の約5倍高いという報告も出ています。

トンカットアリに含まれる成分

トンカットアリの根にはユーリコマノンという成分が含まれています。これは男性ホルモン（テストステロン）の濃度を自然な最適レベルまで引き上げるという働きをもっています。

またアルカロイドという成分も含まれています。このアルカロイドには免疫力アップや血液の循環系を整える作用があります。

一般的に毒性も報告されていますが、トンカットアリに含まれるアルカロイドに関しては安全性が確認されています。

さらにサポニンと呼ばれる物質も含まれています。サポニンには高い抗酸化作用や血行促進作用があり、血糖値をコントロールしたり、代謝を促してくれるといわれています。

また、男性にうれしい成分として、コレステロールから男性ホルモンを生成するはたらきをもつユーリペプチドや、精子を増やしたり悪玉コレステロール値を下げるといわれる植物ステロールが含まれます。

このほかにも、必須アミノ酸や数々のミネラルをはじめ、ニガキ科の苦み成分であるカシノイド、細胞代謝を促進するテルペノイドなどが含まれています。

トンカットアリの効果

トンカットアリはアジアの多くの地域で、古くから伝統医学に使用されています。インドネシアやマレーシアでは根を煮出した水が、産後の回復、腸の虫下し、赤痢、下痢、消化不良に使われています。

ベトナムでは花と果実を赤痢の治療に、根はマラリアや発熱の薬に、マレーシアでも葉のペーストを頭痛や腹痛の際、患部に塗って使用されたりと、非常にさまざまな効果をもっています。

また、テストステロンにはたらきかける成分によって、筋肉の増強、骨格の発達に大きな役割をもつほか、異性を惹きつける物質といわれるフェロモンの分泌にも大きく関わっています。

そして何より大きな効果として、精力の増強に大変重要な役割をもっています。

マウスを用いた研究でも、ペニスの硬直力の向上と生殖機能を高める結果が報告されています。

また、不妊の原因の1つに精子数の減少がありますが、トンカットアリには精子数を増加させる効果も認められています。

不妊に関しては女性の不妊治療にも効果があるとされています。トンカットアリの摂取で、有効成分が脳下垂体に作用し、エストロゲンなどのホルモンをサポートするといわれています。

このほかにもエネルギーや健康を調節する作用があるため、疲労回復、免疫力の向上、腰痛緩和、血液循環の向上、腫瘍や潰瘍に対する効能、解熱、アレルギー、高血圧などにも効果を期待することができます。

トンカットアリが必要な人

・肉体労働者、長距離バスの運転手など疲れがたまっている人
・腹痛、高熱といった症状がある人
・体力を回復する必要がある産後の女性
・疲労、頭痛、筋力低下、うつ状態、精力減退といった男性更年期
・更年期を感じはじめている40～50代の人

トンカットアリの摂取方法

トンカットアリはかなり苦くてクセがあります。そのため野菜のように直接摂るのではなく、粉末状のトンカットアリをカプセルにしたものだと飲みやすいうえ、手軽に摂取できます。

世界ではミルクや砂糖をたっぷり入れたコーヒーや紅茶で飲んだり、乾燥させたチップ状の根を4～5個水で煎じて飲んだり、チップ1片をそのまま口に入れて舐めるといった摂り方もされています。

口から摂るだけではなく、粉末とスパイス、オイル、米を混ぜ合わせたものを、高熱や腹痛の塗り薬として使ったり、ペースト状にした葉を外傷薬にして使用することもあります。

また、民間伝承薬として、根を煎じたものを産後の体力回復に飲む地域もあります。

目安量

トンカットアリの1日の目安量は80mgといわれている一方、男性機能の回復には体重1kgにつき約2mg程度の量での摂取が有効といわれる場合もあります。

体格、年齢、性別や目的でも目安量は変化するので、自分にあった量を調整しましょう。

効果的な飲み方

トンカットアリは健康食品なので、飲むタイミングは決められてはいません。

ただし、人間の身体は朝に必要な栄養素を補い、夜の睡眠時間にホルモンバランスを整えるため、朝と晩に分けて1日の必要量を摂取するのが効果的です。

効果を実感するために3か月は継続して飲むことが必要だといわれています。

食事とともに成分が吸収されやすいため、食後に飲む場合は30分以内が効果的です。

トレーニングでの筋力アップ効果を目的とする人は、食前に飲むことでトンカットアリに含まれるアミノ酸の吸収率が高まりますが、その場合、胃の不快感、胃痛がおこる可能性があります。

夜の場合は、睡眠中最も成長ホルモンが分泌される時間帯が22時～2時といわれているため、就寝前に飲んでこの時間帯には眠る習慣が理想的です。

いずれの場合も栄養の吸収を阻害しないよう、水またはぬるま湯で飲むのが良いでしょう。

トンカットアリの副作用

トンカットアリは天然成分で医薬品とは違うため、重大な副作用の報告はありません。ただし効果の強い原料である分、大量に摂取すると胃痛、下痢、吐き気といった症状も報告されています。

1200mg以上という、かなり過剰な分量を摂取した場合、肝機能障害の事例が報告されています。

個人差もあるので体調に異変を感じた場合や、持病をもつ方、妊娠中の方は医師にご相談の上、適正量を決めましょう。

トンカットアリの注意点

トンカットアリにはアルギニンが含まれています。このアルギニンは肝臓で代謝が行われるため、大量に摂りすぎると肝臓への負担が増加する可能性があるため注意が必要です。

心臓系の疾患をもつ人も気を付けなければなりません。アルギニンの血管拡張作用で血圧が下がりすぎる危険があります。

また、トンカットアリはテストステロンの分泌を大幅に促進させる効果が期待できる反面、男性型脱毛症の人には抜け毛が増えるという報告もあります。

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参考サイト：
・Eurycoma longifolia（トンカットアリ）