睡眠薬の飲み方と飲み合わせについて

睡眠薬の服用は、不眠の悩みを抱える人にとって、睡眠の質を改善する方法のひとつです。

世間では“睡眠薬＝怖い”というイメージがありますが、正しい方法で飲めば安全で効果的に作用します。

この記事では、睡眠薬の飲み方について解説しています。
飲み合わせや選び方なども紹介していますので、睡眠薬の服用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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睡眠薬の正しい飲み方

睡眠薬は、効果を最大限に引き出して副作用のリスクを避けるために、正しい飲み方があります。
一般的に、30分～1時間ほどで効果があらわれるため、就寝30分前から眠る直前までに、1日1回1～2錠服用することが基本です。

以下の点に注意して正しく使用してください。
・種類によって用法用量が異なるため、最適な量を調べたうえで使用する。
・寝たままの体勢で服用しない。
・飲み忘れても、1度に2回分を服用しない。
・睡眠薬は起きる6時間前までに服用して、それ以降になる場合は翌日から使用する。

また、睡眠薬を飲んでから活発に行動すると、脳が覚醒状態になり催眠効果を低下させる原因になります。
服用後に身体を激しく動かす行動は避けてください。
効果を得るためにも、睡眠薬を服用したらすぐに横になるように心がけましょう。

効果的な飲むタイミング

睡眠薬を効果的に飲むタイミングは、胃に食べ物が入っていない空腹時です。
睡眠薬には、食事の影響を受けやすいという特徴があります。
そのため、食事中や食後すぐの服用は身体が成分を吸収しにくい状態になるので、効果の発現が遅くなったり弱まったりします。

睡眠薬を効果的に使用するためにも、食後は2時間ほど空けてから服用しましょう。

最適な用法用量

睡眠薬には、それぞれの種類によって最適な用法用量があります。

用法用量を守らなければ、耐性がついて効果が弱まったり、服用をやめられなくなる場合があります。
睡眠薬を使用する際は、1日1回決められた適切な用量を守りましょう。

睡眠薬は不眠の原因や体質によって異なります。
ほかの人に睡眠薬をあげたり、ほかの人からもらって使ったりしないでください。
また、自己判断で睡眠薬の服用をやめたり、用量を増やしたりすると、反動で眠気を強めてしまったり不眠を悪化させる原因になります。
睡眠薬は正しい飲み方で、安全に使用してください。

睡眠薬を飲んでいる人の特徴

睡眠薬は、不眠に悩んでいる人の睡眠をサポートするための治療薬です。
睡眠薬を飲んでいる人の特徴は、以下の通りです。

・寝つきが悪い
・夜中や朝方に目が覚める
・精神的に不安定で考え込みやすい
・高齢者
・夜勤労働している

睡眠薬を飲んでいる人の割合は、成人の約7.4％とされ、そのうちの半数が週3回以上服用しているといわれています。
また、高齢者の睡眠薬使用は増えており、70歳以上の女性は４人にひとりが服用しているとの報告もあります。

飲み合わせについて

睡眠薬を服用するうえで、飲み合わせは重要です。

■ほかの医薬品との併用
・他の睡眠薬
・抗不安薬
・風邪薬や解熱鎮痛薬
・鎮咳去痰薬
・抗ヒスタミン剤を含有する内服薬

■食べ物や飲み物
・アルコール
・グレープフルーツ(ジュースを含む)
・カフェインやニコチン

睡眠薬は医薬品と併用することで、作用が強くなるまたは弱くなる可能性があります。
副作用のリスクも高まるため、併用には注意してください。

また、睡眠薬を服用する前にカフェインやニコチンを摂取すると、催眠効果を得られない可能性があります。
脳の刺激物になって睡眠を妨げる原因になるため、時間を決めて摂取するようにしてください。

服用時のアルコール摂取について

睡眠薬服用時にアルコールを摂取するのは避けてください。

どちらも脳の神経機能を抑える働きがあり、同時摂取は作用を過剰にするため危険です。
さらに、脳の神経機能を抑える作用が強まると、筋肉が緩んで舌の根元が落ち込みやすくなり、気道を塞ぐ可能性があります。
不眠症や睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす恐れもあるため、睡眠薬を服用する際はごくわずかな量のアルコールであっても、避けてください。

また、同時摂取は睡眠障害の発症リスクを高め、睡眠の質の低下を引き起こします。

飲み過ぎによる副作用のリスク

睡眠薬は、誤った飲み方をすると副作用や依存性のリスクが高まります。
主に、ふらつき・翌日の眠気・依存性・めまい・健忘などの副作用が起こりやすくなります。

多く飲んでも効果は変わりません。
むしろ、身体的な依存が起こるため大変危険です。

また、途中で目が覚めたからと再度、睡眠薬を服用することもやめてください。
不眠の改善がみられない場合には、睡眠薬の種類を変更することをおすすめします。
それぞれの不眠症状に適した睡眠薬があるため、種類を変えることで効きすぎや飲みすぎが防ぐことができます。

次項では、睡眠薬の選び方について詳しく解説していきます。

睡眠薬の選び方

睡眠薬の選び方として重要なことは、自分が悩んでいる不眠症状に合った睡眠薬を選ぶことです。

それぞれの悩みに適したおすすめの睡眠薬は、以下の通りです。

■寝つきが悪い人

作用時間が短い睡眠薬がおすすめです。

ルネスタ：超短時間型で服用から30分~1時間ほどで効き始めます。
眠気の持ち越し効果が少ないことが特徴です。

■途中で目が覚める人

作用時間が長い睡眠薬がおすすめです。

デエビゴ：長時間型で服用から 30分~1時間ほどで効き始めます。
依存性や副作用が比較的少ないことが特徴です。

■寝ても疲れが取れない人

深い眠りを与える睡眠薬がおすすめです。

ベルソムラ：長時間型で服用から 1~2時間ほどで効き始めます。
依存性が少なく自然な睡眠を促すことが特徴です。

まとめ

ここまで解説してきたポイントをまとめました。

・睡眠薬を正しく飲むことは、副作用や依存性のリスクを抑える
・正しい飲み方は、就寝30分前から就寝直前に服用
・効果的な飲むタイミングは空腹時
・アルコールとの同時摂取や睡眠薬の飲み過ぎは、危険
・睡眠作用に影響するため、飲み合わせに注意
・不眠の悩みに合わせて、自分に適した睡眠薬を選ぶことが重要

睡眠薬は、用法用量や注意点を守って服用すれば安全に使用できます。
正しく服用して、効果的に使用しましょう。

よくある質問

ここで、睡眠薬の飲み方についてよくある質問に答えていきます。
ぜひ、参考にしてください。

お酒を飲んでしまった場合、何時間後から睡眠薬を服用できますか？

お酒を飲んでしまった場合は、最低でも3～4時間は空けてください。
体内にお酒が残っている状態で睡眠薬を服用すると、作用が過剰になるため危険です。
不眠症や睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす可能性もあります。
睡眠薬とお酒を同時に飲む行為は、必ず避けてください。

飛行機に乗る前に睡眠薬の服用することは可能ですか？

飛行機に乗る前は、睡眠薬を服用しないでください。

機内で長時間過ごす場合は、同じ姿勢で座り続けることで血流が悪くなり、ロングフライト血栓症になる恐れがあります。
そのため飛行機に乗るときは、血流の悪化を防ぐために身体を動かす必要があります。
また、過去には睡眠薬を飲んだ客が暴れて、出発した空港まで飛行機が折り返すという事件もありました。

アルコールを飲んで睡眠薬を服用するとさらに危険なので、同時摂取はしないように注意してください。

睡眠薬を飲んだあとにスマホ操作していいですか？

睡眠薬を飲んだあとは、スマホ操作を避けてください。
スマホを操作すると、睡眠状態だったはずの脳が覚醒状態になり、催眠効果が低下する原因になります。
就寝直前は、睡眠の質を下げる行動は避けましょう。

効果を最大限に引き出すためにも、睡眠薬を飲んだ後はすぐ横になるように心がけてください。

睡眠薬を飲むと、翌日に眠気が残りますか？

睡眠薬の種類によっては、効果の持続時間や副作用が影響して翌日に眠気が残ることがあります。
翌日に残る眠気は、睡眠薬の作用が長すぎるか効きすぎていることで起こる副作用です。

睡眠薬は、自分の生活リズムや睡眠時間を考慮して選ぶ必要があります。
日常生活に支障が出る場合は、眠気が残りにくい睡眠薬に変更することがおすすめです。
自分の症状に合わせて睡眠薬を選ぶことで、翌日に眠気を残さずに効果的に睡眠のサポートがおこなえます。