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ジャディアンスを朝飲む理由を解説
ジャディアンスを朝に飲む理由は、朝に飲むことが最も効果的な飲み方だからです。
ジャディアンスはSGLT2阻害薬に分類される2型糖尿病の治療薬です。2型糖尿病の治療以外にもダイエット目的で飲むこともありますが、いずれの場合も朝食前または朝食後に飲むとされています。
この記事では、ジャディアンスを朝飲むと効果的な理由や治療目的ごとの飲み方、飲み忘れたときの対処法などについて解説していきます。
ジャディアンスの飲み方についての疑問や不安の解消にお役立てください。
なぜジャディアンスは朝に飲むと効果的なのか
ジャディアンスを朝に飲むと効果的な理由は、血糖値を下げる効果が約24時間持続するからです。
また、余分な糖を尿から排出する利尿作用によって尿量が増えることも関係しています。
血糖値を下げる効果の持続時間の長さと利尿作用による尿量の増加との関係という2つの理由から、ジャディアンスは朝に飲むことが推奨されているのです。
ジャディアンスの効果持続時間
ジャディアンスの効果は1回飲むと約24時間持続します。
そのため、朝に飲むとその後24時間は食事から摂取した余分な糖を尿から排出して、血糖値を下げる効果が期待できるのです。
2型糖尿病の患者さんを対象に食後の血糖値の変化を調べた臨床試験では、1日1回28日間ジャディアンスを飲んで朝食後、昼食後、夕食後いずれの場合でも高血糖が改善したという結果もあります。
そのため、ジャディアンスは朝に飲むと朝食時だけではなく、昼食時や夕食時にも食事から摂取した余分な糖を尿から排出して血糖値を下げる効果が続くと期待できるのです。
ジャディアンスの利尿作用
ジャディアンスを飲むと余分な糖を尿から排出する利尿作用によって尿量が増加します。
そのため、ジャディアンスを夜に飲んでしまうと就寝中に何度もトイレで目が覚めてしまい睡眠の妨げになる可能性があるのです。
朝に飲んでおくと就寝中にトイレで目が覚めてしまう頻度を減らせます。したがって、ジャディアンスを飲むタイミングは朝がおすすめです。
ジャディアンスの飲み方
ジャディアンスは基本的に1日1回1錠を朝食前または朝食後に飲みます。
なお、ジャディアンスには10mgと25mgの錠剤があり、飲む量は治療目的によって異なります。
ジャディアンスは2型糖尿病や慢性心不全の治療で使用される医薬品です。また、体重減少効果があることからダイエット目的でも飲まれる場合もあります。
飲むときは、決められた量を守って飲むことが大切です。
用量が多ければ効果が高くなると考えて最大量以上に飲んでしまうと、副作用を引き起こすリスクが高くなります。
1日の最大量は、2型糖尿病の治療とダイエット目的の場合は最大25mgまで、慢性心不全の治療は最大10mgまでです。安全に使用するために必ず用量は守りましょう。
次の項目で、それぞれの治療目的ごとの飲み方ついて解説していきます。
2型糖尿病治療の場合
2型糖尿病の治療では、通常10mgを1日1回朝食前または朝食後に飲みます。
なお、効果が不十分なときは経過を観察しながら25mgに増やすことが可能です。
また、2型糖尿病と慢性心不全を合併している人に対しては、血糖コントロールの改善が目的の場合であれば25mgに増量できます。
ただし、慢性心不全の治療に対しては1日10mgを超える使用は有効性が確認されていません。血糖コントロールの改善が目的でない場合は 10mg以上の効果を期待して25mgへ増量することは避けてください。
慢性心不全治療の場合
慢性心不全の治療では、通常10mgを1日1回朝食前または直食後に飲みます。
ただし、ジャディアンスを使用できるのは慢性心不全の標準的な治療を受けている人に限られます。
また、2型糖尿病治療やダイエット目的の場合と異なり慢性心不全の治療では1日10mgから25mgに増量することはできません。
1日に飲む量が10mgを超える場合の有効性や安全性は確認されていないため、増量は避けてください。
なお、ジャディアンスでの慢性心不全の治療については別の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
ダイエット目的の場合
ダイエット目的の場合は通常10mgを1日1回朝食前または朝食後に飲みます。ダイエット目的の場合も10mgで効果が不十分なときは25mgに増やすことが可能です。
また、炭水化物が多い食事を取るときに頓服として飲むこともできます。
ダイエット目的で飲む場合、普段は他の食欲を抑える効果がある医薬品を飲みつつ、炭水化物が多い食事を取るときに頓服としてジャディアンスを飲むこともおすすめです。
なお、25mgは10mgより効果が高くなります。普段の食生活や効果、副作用の状況を見ながら量や飲むタイミングを調節しましょう。
ジャディアンスダイエットについては別の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
ジャディアンスを飲み忘れたときの対処法
朝に飲み忘れてしまった場合は、その日の分はとばします。
そして、忘れた分は飲まずに翌日に1回分だけ飲んでください。
なお、低血糖など副作用を引き起こすリスクが高まるため1回分飲み忘れたとしても絶対に2回分を1度にまとめて飲んではいけません。
もしも、誤って多く飲んでしまった場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
ジャディアンスを飲むときの注意点
ジャディアンスを飲むときは、健康状態や他の医薬品との併用に注意が必要です。
健康状態や併用する医薬品の種類によっては副作用を引き起こすリスクが高くなります。
ジャディアンスを飲むときに下記のような状態に該当する人は注意が必要です。
・低血糖を起こす可能性がある人や状態(食事量の不足、不規則な食事、激しい運動、過度のアルコールを摂取しているなど)
・脱水を起こしやすい人(血糖コントロール不良の人、高齢者など)
・尿路・性器感染症
・腎機能障害がある人
・肝機能障害がある人
・妊娠中や授乳中の人
なお、排尿困難などがある人はその治療を優先してください。
また、下記の禁忌に該当する場合はジャディアンスを飲めません。
・ジャディアンスの成分に対し過敏症の既往歴がある人
・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の人
・重症感染症、手術前後、重篤な外傷がある人
ジャディアンスは糖尿病や心不全、ダイエットに効果がある一方で副作用などのリスクもあることを理解して使用しましょう。
併用する場合に注意が必要な医薬品
下記の医薬品はジャディアンスと併用するときは注意が必要です。
薬品名 | 理由 |
---|---|
糖尿病治療薬 | 血糖値を下げる作用が強くなり、低血糖が起こる可能性があるため。 |
スルホニルウレア剤 | |
速攻型インスリン分泌促進薬 | |
α-グルコシターゼ阻害薬 | |
ビグアナイド系薬剤 | |
チアゾリジン系薬剤 | |
DPP-4阻害薬 | |
GLP-1受容体作動薬 | |
インスリン製剤など | |
血糖降下作用を増強する医薬品 | 血糖値を下げる働きが強くなり、低血糖が起こる可能性があるため。 |
β遮断薬 | |
サリチル酸剤 | |
モノアミン酸化酵素阻害薬など | |
血糖降下作用を弱める医薬品 | 血糖値を下げる働きが弱くなるため。 |
アドレナリン | |
副腎皮質ホルモン | |
甲状腺ホルモンなど | |
利尿薬 | 利尿作用が強くなるため。 |
チアジド系薬剤 | |
ループ利尿薬など | |
リチウム製剤 | リチウムの腎排泄が促され、リチウムの作用が弱くなる可能性があるため。 |
炭酸リチウム |
これらの医薬品とジャディアンスを併用すると副作用のリスクが高まったり、安定した治療効果が得られなくなったりする可能性があります。
なお、現状ジャディアンスには併用禁忌薬はありません。
ジャディアンスを飲むときに朝食をとらなくてもいい?
ジャディアンスを飲んで朝食を取らないことはおすすめできません。
これは、ジャディアンスを飲んで朝食を取らないと低血糖や脱水などの副作用を引き起こしやすくなるからです。
ダイエット中は1日のうちどこかで食事を抜くことも考えられます。
しかし、食事を抜くと次の食事までの時間が長くなり空腹から1度の食事で大量に食べてしまうことつながります。また、空腹の状態が続いた後に急に食事を取ると食後の血糖値が急激に上がることで逆に太りやすくなってしまうのです。
副作用のリスクを減らし、ダイエットを着実に進めるためにも軽めでいいので食事は抜かず、朝食も積極的に取るようにしましょう。
ジャディアンスの副作用
ジャディアンスの主な副作用には頻尿、低血糖、口渇、便秘などがあげられます。
なお、特に注意が必要な副作用は低血糖、脱水、尿路感染症、性器感染症です。
低血糖の症状が現れた場合は、すぐに糖分を補給して安静にして様子を見てください。
また、脱水と尿路感染症、性器感染症はジャディアンスの特徴的な副作用で予防することが大切になります。 脱水を防ぐためにこまめな水分補給を心がけましょう。尿路感染症と性器感染症は陰部を清潔に保つことを意識的におこなってください。
ジャディアンスの副作用については別の記事で詳しく解説しています。こちらも是非ご覧ください。
まとめ
ここまでにお伝えしたポイントをまとめました。
- ジャディアンスは朝に飲むとその後24時間は食事から摂取した余分な糖を尿から排出して、血糖値を下げる効果が期待できる
- 夜に飲んでしまうと利尿作用によって尿量が増え就寝中にトイレに起きて睡眠の妨げになる
- 飲み忘れたときは1回分とばす
- 1回分飲み忘れたとしても1度に2回分まとめて飲んではいけない
Q&A
ジャディアンスの飲み方やタイミングについてのよくある質問にお答えします。
Q.ジャディアンスの効果はどのくらい持続する?
A.ジャディアンスの効果は約24時間持続します。
そのため、朝に飲むと昼食時、夕食時にも余分な糖を尿から排出する働きによる血糖値を下げる効果が期待できます。
Q.ジャディアンスでどのくらい痩せられる?
A.1ヶ月ジャディアンスを飲み続けると1㎏弱の体重減少が期待できます。
体重を1㎏落とすには約7200kcalのカロリーを消費することが必要です。ジャディアンスを飲むと1日あたり約200kcal分の糖が排出されるため、1ヶ月あたり約6,000kcal分排出される計算になります。
そのため、ジャディアンスを1か月間継続して飲むと1㎏弱の体重減少が期待できるのです。