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ジャディアンスによる副作用の症状と予防法

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この記事は、ジャディアンスを飲むにあたって副作用が心配な人に向けた内容となっています。
ジャディアンス含め、すべての医薬品には副作用のリスクが付きものなので、効果だけではなく副作用のリスクを理解して使用する必要があります。

そこで今回は、ジャディアンスの副作用に焦点を当て、副作用の症状や対処法について分かりやすく解説しています。
また、安全にジャディアンスを使用できるよう、副作用の予防法についても紹介していきます。

ジャディアンスの副作用について不安がある人は、ぜひ最後までご覧ください。

ジャディアンスの副作用

ジャディアンスには、以下のような副作用があります。

0.1〜5% 0.1%未満 頻度不明
感染症 尿路感染、膀胱炎、外陰部腟カンジダ症、無症候性細菌尿 外陰部腟炎、細菌性腟炎、トリコモナス症
生殖系障害 亀頭包皮炎、陰部そう痒症、亀頭炎 外陰腟そう痒症、外陰腟不快感、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)
代謝及び栄養障害 低血糖 体液量減少 ケトアシドーシス
血液及びリンパ系障害 血液濃縮
神経障害 めまい 味覚異常
胃腸障害 便秘 腹部膨満
皮膚及び皮下組織障害 そう痒症 発疹、湿疹、じん麻疹
腎及び尿路障害 頻尿、多尿、排尿困難、尿量増加 尿意切迫、腎盂腎炎
一般・全身障害 口渇、空腹感、脱水 敗血症
臨床検査 体重減少 尿中ケトン体陽性、血中ケトン体陽性
※太字は注意が必要な副作用

ジャディアンスの主な副作用に、頻尿、低血圧症、口渇、便秘などがあります。

また、特徴的な副作用として尿路・性器感染症があります。
このような特徴的な症状が起こる理由は、ジャディアンスの作用機序によるものです。

ジャディアンスは、余分な糖分を尿として排出させて血糖値を下げたり体重を減少させたりする働きがあります。
そのため、ジャディアンスを飲むことで尿中に糖が多く含まれることになり、糖によって増殖する細菌感染症にかかりやすくなるのです。

ここまで、ジャディアンスの副作用の種類と特徴を紹介しました。
次の項目から、ジャディアンスの副作用の中で特に注意が必要な副作用について詳しく解説します。

低血糖

低血糖とは、血液中の糖分が不足しすぎた状態を指します。

ジャディアンス使用中に起こる低血糖は、不規則な食事や食事不足、激しい運動、他の糖尿病治療薬との併用などが原因となり起こります。
進行すると意識障害や昏睡を引き起こす可能性がある危険な副作用です。
主な症状に、頭痛、冷や汗、動悸、震え、めまいなどがあります。

ダイエット目的でジャディアンスを飲む場合、メトホルミンなどの他の糖尿病治療薬と併用することでより高いダイエット効果が期待できます。
しかし、同時に低血糖のリスクも増加するため、併用には特に注意が必要です。
ジャディアンスと他の糖尿病治療薬を併用する場合は、自分の健康状態をチェックしながら慎重に使用しましょう。

ジャディアンスとメトホルミンの併用については、こちらの記事で詳しく解説しています。
メトホルミンとの併用を考えている人はぜひご覧ください。

脱水

脱水とは、体内の水分と塩分が不足した状態のことを指します。

ジャディアンス使用中に起こる脱水は、ジャディアンスの利尿作用による多尿や頻尿、また他の利尿剤との併用が原因とされています。
主な症状に、のどが渇く、体のだるさ、めまい、尿量の減少などがあり、これらの症状が進行すると脳梗塞や血栓症、ケトアシドーシスを発症する可能性があるため、予防や初期症状での発見が重要です。

また、高齢者や血糖コントロール不良の人、他の利尿剤を使用している人などは脱水を起こしやすいとされています。
また、発熱や下痢等で食事が摂れない状態の人も脱水のリスクが高まります。

不安な人は自己判断で飲まず、医師に相談してください。

尿路・性器感染症

尿路・性器感染症

尿路・性器感染症は、ジャディアンスが持つ特徴的で注意が必要な副作用です。

ジャディアンスの、糖分を尿から排出する働きによって尿中の糖が増加してしまい、菌が繁殖しやすくなることが原因とされています。
主な症状に、尿路感染症であれば頻尿、排尿時痛、残尿感など、性器感染症であれば陰部皮膚のそう痒感、疼痛、びらん、悪臭などがあります。

この感染症が進行すると、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)という重篤な症状が現れ、ここからさらに重症化すると、敗血症などを発症して死に至る場合もありとても危険です。

この感染症を予防するためには、陰部を清潔に保つ、トイレを我慢しない、十分な水分補給で自浄作用を促すなどの対策が挙げられます。

では、死に至る危険性のある腎盂腎炎、壊死性筋膜炎とは、具体的にどのような症状なのでしょうか?
初めて名前を聞いたという人も多いと思いますので、詳しく解説していきます。

腎盂腎炎

腎盂腎炎とは、細菌が感染して腎臓に炎症が起こる疾患のことを指します。

膀胱から細菌が逆流することによって、腎盂や腎杯、腎臓の髄質が炎症を起こす感染症です。
主な症状としては、排尿時痛、頻尿、残尿感に加え、発熱や全身倦怠感、腰や背中の痛み、吐き気や嘔吐なども挙げられます。

適切なタイミングで抗生剤の投与や補液を行わなければ、細菌が血液中に侵入し敗血症を起こす可能性があるため、疑わしい症状があればすぐに医療機関を受診してください。

外陰部および会陰部の壊死性筋膜炎

フルニエ壊疽とも呼ばれる、外陰部や会陰部の筋膜に沿って炎症が広がる皮膚感染症を指します。

皮膚のぶつぶつや赤み、腫れ、膿がたまった水ぶくれなどが症状として現れ、急速に悪化します。
発症は稀ですが、重篤化しやすく死亡率も約20%と高いとても危険な疾患です。

疑わしい症状が見られたら一刻も早く医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。

敗血症

敗血症

敗血症とは、細菌が血液中に侵入し全身に深刻な炎症反応が起こる状態を指します。

細菌によって起こる臓器障害や組織障害のことですが、ジャディアンスにおける敗血症は尿路・性器感染症が原因と考えられています。
症状としては、何か1つの症状や兆候が出るということはなく、発症とともに症状が組み合わさって出現します。そのため、悪寒や発熱、震え、体の疼痛、冷たく湿潤した皮膚、嘔吐、頻脈などいろいろな症状が挙げられます。

悪化すると腎臓で尿が作られなくなる、肺で酸素が取り込まれなくなるなどの臓器不全に陥り、死に至ることもあります。

疑わしい症状が見られたら一刻も早く医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。

ケトアシドーシス

ケトアシドーシスとは、血液中のケトン体が増えて血液が酸性に傾いた状態のことを指します。

過度な糖質制限、脱水、感染症が原因となり、血糖及び血中インスリンが低下することによりケトン体が発生しやすくなり起こる疾患です。
主な症状として、急な喉の渇き、多飲、多尿、斬新倦怠感、嘔吐、過呼吸などが挙げられます。

重症化すると呼吸困難や意識障害に陥る危険な疾患のため、ケトアシドーシスの症状が見られたらすぐに医療機関を受診しましょう。

ダイエット目的でジャディアンスを飲む場合、極端な食事制限をしなくても体重減少効果が期待できます。
ケトアシドーシスを予防するためにも、ジャディアンスを飲んでいる期間は過度な糖質制限を避けてください。

ジャディアンスの効果的なダイエット方法については、こちらの記事で紹介しています。
正しい知識を持って、安全にダイエットを行ってより大きな効果につなげましょう。

皮膚症状

皮膚症状は、薬疹、発疹、皮疹、紅斑などを含め、ジャディアンスだけではなく複数のSGLT2阻害薬において頻度の高い副作用です。

症状は体の1カ所だけではなく、顔に紅斑が現れたあと体にも発疹が現れるというように症状が全身に及ぶ場合もあります。

また、粘膜にも炎症を認めるスティーブジョンソン症候群と見られる症例報告も挙がっています。

皮膚症状については報告された例の大半が軽度とされていますが、上記のように重症化する場合もあるため、ジャディアンスを飲んでいる期間は皮膚の状態にも注意してください。

ジャディアンス副作用が起こったときの対処法

ジャディアンス副作用が起こったときの対処法

ここまで、ジャディアンスの副作用について詳しく解説してきました。
ここからは、実際に副作用が起こった時の対処法を紹介していきます。

・低血糖
→糖分を補給する

・脱水
→水分、塩分を補給する

状態によっては、ジャディアンスの休薬が必要な場合もあります。

なお、低血糖、脱水が改善しない場合や、尿路・性器感染症、ケトアシドーシス、敗血症などの重篤な副作用が疑われた場合は、一刻も早く医療機関を受診して適切な処置を受けてください。

ジャディアンスの副作用を予防する方法

ジャディアンスの副作用を予防する方法

医薬品による副作用は、対処法以上に症状が起こらないように予防することが大切です。
副作用のリスクを最小限に抑えるためには、以下の予防法が役立ちます。

・こまめな水分補給
→ジャディアンスの利尿作用による脱水を予防する。また、自浄作用を促し尿路・性器感染症を予防する。

・陰部を清潔に保つ
→ウォシュレットを使用するなど清潔な状態を保つことで、尿路、性器感染症のリスクを軽減する。

・過度な糖質制限を避ける
→ジャディアンスを飲んでいるときに過度な糖質制限をしてしまうと低血糖のリスクが増加してしまう。過度な糖質制限は避け健康的な食事を摂ることが低血糖の予防になる。

副作用は完全に防ぐことが難しいものもありますが、これらの予防法を実施することで発症や重症化のリスクを下げることができます。

なお、慢性心不全患者の場合、過度な水分補給は心不全の症状を悪化させるため、医師の指導のもとで水分の摂取量や利尿剤の調整を行う必要があります。
心不全の治療におけるジャディアンスの使用については、こちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にしてください。

まとめ

この記事で解説したことをまとめました。

  • ジャディアンスには副作用があり、特徴的なものとして尿路・性器感染症がある
  • 重大な副作用が現れることは少ないが、命に関わる副作用もあるためジャディアンスを飲んでいる間は体調の変化に注意する
  • 不安な症状がある場合は医療機関を受診する
  • 副作用の予防として、こまめな水分補給、陰部を清潔に保つこと、過度な糖質制限を避けることなどが挙げられる

ジャディアンスに限らず、全ての医薬品には副作用はあります。
医薬品の効果や働きだけでなく、副作用などのリスクについても理解したうえで、正しい知識のもとで安全に使用しましょう。

Q&A

Q&A

ジャディアンスの副作用についてよくある質問にお答えします。

Q.ジャディアンスの副作用に眠気はありますか?

A.ジャディアンスの副作用そのものに眠気があるわけではありません。
ただ、ジャディアンスによって低血糖を引き起こした場合に低血糖の症状として眠気が現れることがあります。
この症状を放置すると、眠気だけに収まらず、意識が消失したり、けいれんや昏睡を引き起こしたりすることもあります。
低血糖による眠気の症状を感じたら、早い段階でブドウ糖を摂取するなどの対策を行うことが大切です。

Q.ジャディアンスは尿量が増える薬ですか?

A.ジャディアンスの、糖分を尿として排出させる働きによって尿量は増えます。
これにより頻尿になったり、よくのどが渇いたりするだけではなく、尿中の糖が多くなるため尿路感染症になりやすくなります。
また、退役量が減少し脱水や低血糖を引き起こす可能性もあります。
ジャディアンスを飲んでいる期間中は、適度な水分補給を心がけてこれらの副作用を予防してください。