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ルネスタとマイスリーの違い - 強さや副作用を比較
「ルネスタ」と「マイスリー」は、どちらも人気のある不眠症の治療薬です。
超短時間型に分類される非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬ですが、効果や作用に違いがあり、自分にはどちらがいいかと迷う方も多いお薬です。
本記事では、ルネスタとマイスリーの効果の強さや副作用を比較して、どちらがより合っているかをご紹介します。
ほかの睡眠薬も気になる方は、睡眠薬商品一覧を確認してみてください。
ルネスタとマイスリーはどんな睡眠薬なのか
ルネスタとマイスリーは、どちらも比較的副作用の少ない「非ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる超短時間型の睡眠薬です。
ルネスタの有効成分は「エスゾピクロン」で、脳内の神経を伝達するGABAというアミノ酸の働きを高めて睡眠・鎮静作用をあらわします。
一方、マイスリーの有効成分「ゾルピデム」は、脳内の眠りに関連する「ベンゾジアゼピン1受容体」に作用して興奮を鎮め、眠りを誘う効果があります。
同じ分類のお薬ですが、そのほかにも以下のような違いがあります。
ルネスタ | マイスリー | |
---|---|---|
有効成分 | エスゾピクロン | ゾルピデム |
ピークまでの時間 | 約5時間 | 約2時間 |
持続時間 | 約5時間 | 約2時間 |
依存性 | 比較的弱い | 比較的弱い |
ルネスタの睡眠効果はマイスリーよりも穏やか
ルネスタの睡眠効果は、マイスリーよりも穏やかです。
マイスリーは即効性に優れており、約0.8時間で血中濃度がピークになった後、約2時間効果が持続します。
一方、ルネスタは効果が緩やかにあらわれるタイプで、約1時間で血中濃度がピークになった後、約4時間効果が持続します。
このことから、ルネスタはマイスリーよりも緩やかに効きはじめ、緩やかに抜けていくということがわかります。
体調や、不眠症の種類によって使い分けるとよいでしょう。
マイスリーの方が比較的依存性が強い
ルネスタとマイスリーは、どちらも非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、ほかの睡眠薬と比較しても依存性の低い薬です。
ルネスタとマイスリーを比較すると、マイスリーの方が少し依存性が高くなっています。
マイスリーを使用していて依存性が形成されることが気になる場合は、ルネスタに移行されることをおすすめします。
ルネスタを服用すると苦味を感じることもある
ルネスタは、服用時に苦みを感じることがある睡眠薬です。
この苦みの感じ方には個人差があるものの、薬を服用した直後だけではなく、翌日まで感じることもあります。
このお薬から苦みを排除することはできませんが、口腔内に長く置いて舐めたりせず、すぐに飲み込むようにすることで、ある程度苦みを軽減できます。
一方、マイスリーに苦みはありません。
どちらも持ち越し効果などの副作用あり
ルネスタとマイスリーに共通する主な副作用には、眠気やふらつきなどの持ち越し効果や、一過性前向性健忘、もうろう状態、依存性が挙げられます。
どちらも超短時間型の睡眠薬のため、持ち越し効果は比較的あらわれにくいとされていますが、全く起こらないというわけではありません。
例えば、アルコールと併用するなど、推奨されない服用の仕方などで副作用が増強されることもあるため、注意が必要です。
そのほかにも、ルネスタとマイスリーには、以下のような副作用があります。
・眠気、頭痛。
・めまい、ふらつき、けん怠感、脱力感
・口の苦み、味覚異常、口が渇く
・長期連用で効き目が悪くなる
・アナフィラキシー
・依存性
・呼吸抑制
・肝機能障害
・精神症状、意識障害
・一過性前向性健忘、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状など)
・眠気、頭痛
・めまい、ふらつき、けん怠感
・口が渇く、吐き気
・発疹、かゆみ。
・長期連用で効き目が悪くなる
・依存性
・精神症状
・一過性前向性健忘、もうろう状態
・呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス
・肝機能障害
ルネスタはこんな方におすすめ
ルネスタはこんな方におすすめです。
・比較的効果が穏やかな睡眠薬を使用したい方
・依存性が少ない睡眠薬を求める初心者の方
・寝つきが悪く、夜中に目を覚ましてしまう方
・翌朝に眠気が残りにくい睡眠薬を求める人
ルネスタは、病院で処方されることで入手することができます。
市販されていないため、ドラッグストアでの購入はできませんが、ジェネリック医薬品が多数存在します。
ルネスタのジェネリック医薬品は、個人輸入で入手することができます。
マイスリーはこんな方におすすめ
マイスリーはこんな方におすすめです。
・なるべく早く眠りにつきたい方
・ルネスタでは効果を感じられない方
・入眠障害を改善したい方
・苦味を感じずに睡眠薬を服用したい方
マイスリーは、病院で処方されることで入手することができます。
市販されていないため、ドラッグストアでの購入はできません。
また、現状では、マイスリーは向精神薬取締法の対象薬物に指定されているため、個人輸入をすることができません。
ルネスタとマイスリーの等価換算
処方箋医薬品として流通しているルネスタとマイスリーの用量は以下のものです。
・ルネスタの用量:1mg、2mg、3mg
・マイスリーの用量:5mg、10mg
異なるお薬を、臨床研究医の診断や評価により、単一の基準に換算したものを「等価換算」と言います。
これによって、お薬を移行したいという際には、力価を計算することで適切な用量での投薬が可能になるのです。
ルネスタとマイスリーの等価換算は、ルネスタ2.5mgとマイスリー10mgが同等とされています。
マイスリーを服用しているけれど、ルネスタに移行したいというときの参考にしてみてください
ルネスタとマイスリーはどこで入手すべきか
では、ルネスタとマイスリーはどこで入手すべきなのでしょうか。改めて、ここまでを整理してみます。
・医療用医薬品のため、市販での購入は不可能
・病院であれば処方してもらうことができる
・個人輸入も可能、ジェネリック医薬品なら低価格
・医療用医薬品のため、市販での購入は不可能
・病院であれば処方してもらうことができる
・個人輸入での入手は不可能
どちらも医療用医薬品のため、市販での購入はできず、病院で処方してもらうことができます。
ルネスタは、価格が抑えられたジェネリック医薬品を個人輸入で購入することができますが、マイスリーは個人輸入をすることができません。
よくある質問
ルネスタとマイスリーについて、よくある質問をまとめましたのでご紹介します。
ルネスタとマイスリーは併用できますか?
ルネスタとマイスリーの併用は推奨されていません。睡眠薬の併用は持ち越し作用のような副作用を増強させるだけではなく、思わぬ副作用を引き起こす事態になりかねません。
薬の作用を強くしたいという時は、医師と相談したうえで、徐々に用量を増やすよう検討します。
睡眠薬の使用が初めての場合どちらを選ぶべきですか?
睡眠薬を初めて使うという方には、ルネスタの方がおすすめです。
2つを比較すると、より依存性が低く、より安全に使うことのできるお薬であるためです。
病院ではルネスタとマイスリーどちらが処方されますか?
通院される病院や、不眠症の症状の度合いによって、処方される睡眠薬は変わります。
必ず希望の睡眠薬を処方してもらえるとは限りませんので、その際は、個人輸入でご希望のお薬を購入するのがおすすめです。
長期服用しても問題ありませんか?
副作用や依存性は比較的低いとされている睡眠薬ですが、長期に服用していると常用量依存(やめることが不安になってやめられなくなること)が形成される場合があります。
そのため、服用しなくてよい状況であってもやめられなくなるということが少なくありません。
長期服用をお考えの場合は、かならず専門医にご相談ください。