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メトホルミンと筋トレで筋肉増強!筋肉好き必見!
メトホルミンと筋トレは相性が良く、組み合わせることで筋肉に対して相乗効果があります。
「メトホルミンを飲むだけでいいって本当?」
「メトホルミンに筋肥大の効果はある?」
「メトホルミンが筋肉を分解するんじゃないの?」
とはいえ、このような疑問をお持ちではないでしょうか?
そこでこの記事では、メトホルミンと筋トレに関するお悩みを筋肉への効果という観点からわかりやすく解説していきます。
筋トレ中の人やダイエット中の人、これから始めてみようと考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。
メトホルミンが筋肉に与える3つの効果
メトホルミンが筋肉に与える効果は以下の通りです。
①筋肉を増やす
②筋肉の分解を防ぐ
③筋肉の回復を高める
次の項目で、この3つの効果について詳しく解説していきます。
また、メトホルミンの筋肉への効果には運動疑似効果もあります。
この効果は骨格筋や肝臓に働きかけ、糖の代謝や高脂血症を改善することで抗動脈硬化作用を発揮するのです。
さらに、メトホルミンは細胞レベルで筋肉の委縮や線維化、炎症を防ぐとも言われています。
このように、メトホルミンが筋肉へもたらす効果や働きは多岐にわたります。
なお、メトホルミンの、主な効果は血糖値を下げる効果で2型糖尿病の治療に使われている医薬品です。
ただ、血糖値を下げる効果だけでなく筋肉への効果もあるため、健康な人も飲むことができます。
メトホルミンのこの他の効果については別の記事で詳しく解説しています。
こちらもあわせてお読みください。
①筋肉を増やす
メトホルミンの筋肉を増やす効果は以下の2つの働きによるものです。
1つは、筋肉の収縮力が上がり筋肉がエネルギーを取り込みやすくなる働きです。
メトホルミンにはインスリン抵抗性を改善する働きがあります。
インスリン抵抗性が改善されるとインスリンが効きやすくなり、筋肉が血液中のエネルギーを取り込むようになります。
2つめはAMPKを活性化させる働きです。
AMPKとは体のエネルギー代謝を調整している酵素のことです。
メトホルミンによってAMPKが活性化すると、体のエネルギーが筋肉で効率よく使われるようになります。
この2つの働きが筋肉を増やすことにつながるのです。
②筋肉の分解を防ぐ
メトホルミンは、肝臓での糖新生を抑制する働きによって筋肉の分解を防ぐ効果があります。
糖新生とは体のエネルギーが不足したときに、肝臓に蓄えられたアミノ酸をブドウ糖に変えてエネルギーとして利用しようとする反応です。
なお、肝臓に蓄えられたアミノ酸だけで足りないときは、アミノ酸を作り出そうとして筋肉を分解してしまいます。
つまりどんなにトレーニングを頑張っていても、糖新生が起こると筋肉が分解されて筋肉が減ってしまうのです。
そのため、糖新生は筋肉を増やしたい人にとっては厄介な反応といえます。
しかし、メトホルミンには糖新生を抑制する働きがあります。
そのため、メトホルミンを飲むと筋肉の分解を防いで筋肉量を維持できるのです。
③筋肉の回復を高める
メトホルミンには、筋肉の回復を高める効果があります。
この効果は、高齢者を対象とした研究で明らかになりました。
メトホルミンは、筋力の低下に影響をもたらす老化細胞を抑制することで筋肉の回復を高めると考えられています。
通常、筋肉は一定期間使わないでいると筋力が低下してしまいます。
例えば、入院してベッドで安静にしていたときを想像してください。
この場合はしばらく筋肉を使わないため、筋力が低下して日常生活に戻ったときに支障が出ることが考えられます。
年齢が若い人は比較的短期間で回復する場合もあります。
ただ、高齢の場合は元の状態に回復するまで時間がかかることが多いのです。
しかし、メトホルミンを飲んでいると老化細胞を抑制する働きによって筋肉の回復が高まるため、早く筋肉を正常な状態に戻すことができるのです。
メトホルミンには、他にも抗酸化作用や抗炎症作用があります。
そのため、年齢に関係なく筋肉の回復に貢献するのではないかと期待されています。
メトホルミンに筋肉増強効果はある?
メトホルミンは直接的に筋肉を増強する効果はありません。
しかし、メトホルミンの筋肉を増やす・筋肉の分解を防ぐ・筋肉の回復を高めるという3つの効果が筋肉の増強に良い影響を与えます。
筋肉を直接的に増強させる方法としては、筋トレやアナボリックステロイドの使用などが挙げられます。
筋トレでは、スクワットやベンチプレスなど大きい筋肉を鍛えられるものを中心におこなうと効果的です。
そして、筋トレ後にプロテインを飲むと更に筋肉を増強させることにつながります。
なお、プロテインはただ飲むだけでは筋肉を増やす効果はありません。
筋トレと組み合わせることと、飲むタイミングが重要になります。
また、アナボリックステロイドは筋肉増強に効果がある一方で、強い副作用もあります。
そのため、アナボリックステロイドの使用は慎重に検討する必要があるのです。
メトホルミンには直接的な筋肉増強効果はありませんが、飲むだけで筋肉に良い影響を与える効果が期待できます。
筋肉を増強させるには様々な方法がありますが、自分が求める効果とリスクを比較して取り入れることが必要です。
メトホルミンと筋トレの効果的な組み合わせ
メトホルミンと組み合わせておこなうと効果的な筋トレは、以下の通りです。
・スクワットや腕立てなどの自分の体重を利用しておこなうもの
・ベンチプレスやダンベルなどのトレーニング機器を使用するもの
ただし、筋トレは毎日ではなく週2.3回くらいの頻度で行うことが推奨されています。
間隔をあけて筋トレをする理由は、筋肉を回復させる期間を取るためです。
また、普段運動習慣がない人や筋トレをしない日も体を動かしたい人は、有酸素運動をおこなうことも効果的です。
有酸素運動は、ウォーキングやジョギング、水泳などが挙げられます。
有酸素運動は毎日おこなっても問題ないため、筋トレと合わせて取り入れることもおすすめです。
筋トレや有酸素運動は、無理のない範囲で継続しておこなうことが大切です。
メトホルミン服用中の筋トレでの注意点
メトホルミン服用中の筋トレでは、低血糖と筋肉痛に注意が必要です。
低血糖と筋肉痛に注意が必要な理由と、対策をそれぞれ解説します。
①低血糖
メトホルミンには血糖値を下げる効果があるため、以下のような人は低血糖に注意してください。
・糖質制限をしている人
・激しい筋トレが日課の人
筋トレをすると多くの糖を消費します。
さらに、メトホルミンの効果で血糖値が下がると低血糖を引き起こす可能性が高くなるのです。
特に、空腹状態での筋トレは控えましょう。
トレーニングにはエネルギーが必要不可欠です。
そのため、筋トレの前後には必ず糖質を取るようにしてください。
筋トレ後の眠気の原因
筋トレをした後に、眠気を感じた経験がある人も多いのではないでしょうか。
筋トレ後の眠気の原因は、低血糖であることが多いとされています。
これは、筋肉を動かすときにエネルギーとしてブドウ糖が消費されて血糖値が下がるためです。
血糖値を下げる効果のあるメトホルミンと筋トレを組み合わせると、低血糖を引き起こす可能性が高くなります。
そのため、筋トレの前後におにぎりやバナナなどの糖質を補食としてとるなどの対策をしましょう。
②筋肉痛
筋肉痛は、メトホルミンの副作用である乳酸アシドーシスの初期症状の可能性があります。
乳酸アシドーシスとは、血液中の乳酸が異常に増えて血液が酸性になる状態です。
悪化すると命に関わることもある状態のため、すぐに治療が必要です。
メトホルミン飲んで筋トレをおこなったときに筋肉痛が現れた場合、それが筋トレによるものなのか、乳酸アシドーシスの症状なのか見分けることは難しいとされています。
乳酸アシドーシスは脱水状態で発症しやすくなるため、筋トレ中は水分補給をこまめにおこなうようにしましょう。
なお、筋肉痛の他に全身の倦怠感や下痢などの消化器症状も乳酸アシドーシスの初期症状として挙げられます。
筋肉痛と全身の倦怠感は、筋トレによるものか乳酸アシドーシスの症状かの見分けが難しいため、体調の変化をよく観察してください。
メトホルミンに筋トレでダイエット効果倍増
メトホルミンは筋肉を増やす、筋肉の分解を防ぐ、筋肉の回復を高める効果の他に脂肪を燃焼しやすくする効果もあります。
この脂肪を燃焼しやすくする効果は、ダイエットや筋肉を維持しながら体を絞りたいときにも効果的です。
また、ダイエットではメトホルミンを飲むことに加えて筋トレなどを取り入れると痩せやすく、リバウンドしにくい体になります。
普段運動習慣がない人は、ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れることから始めてみましょう。
メトホルミンを使用したダイエットのやり方などについては、別の記事で詳しく解説しています。
ダイエットに興味がある人は、こちらもあわせてお読みください。
まとめ
ここまでにお伝えしたことのポイントをまとめました。
- メトホルミンには筋肉を増やす、筋肉の分解を防ぐ、筋肉の回復を高める効果がある
- メトホルミン服用中は、低血糖を引き起こさないよう筋トレの前後に必ず糖質を取る
- メトホルミン服用中は乳酸アシドーシスを予防するため、水分補給をしっかりおこなう
メトホルミンは、直接的に筋肉を増強させるステロイドのような効果はありません。
しかしながら、筋肉を増やして体を引き締められるというめずらしい効果をもっています。
メトホルミンと合わせて適切な栄養素を摂取し、筋トレや有酸素運動を取り入れて健康的な体を作りましょう。
Q&A
メトホルミンと筋肉に関連したよくある質問にお答えします。
Q.メトホルミンは脂肪を燃焼させる?
A. メトホルミンによってAMPKが活性化されると、脂肪の燃焼を促進させます。
この働きが体重減少につながるため、ダイエット効果が期待できるとして人気が高まっています。
Q.メトホルミンと一緒に飲んではいけない薬は?
A. メトホルミンには、一緒に飲んではいけない薬はありません。
ただし、過度のアルコールは、乳酸アシドーシスを引き起こす原因になるため避けてください。