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ジャディアンスとフォシーガの違いを比較解説
ジャディアンスとフォシーガはSGLT2阻害薬に分類される経口薬です。
どちらも2型糖尿病や慢性心不全の治療薬ですが、体重減少につながる効果があることからダイエットにも活用されています。
そのため、健康な人が飲んでも問題ありません。
ジャディアンスとフォシーガは同じSGLT2阻害薬に分類されていますが、違う点もあります。
この記事では、ジャディアンスとフォシーガを比較して違いや共通点などについて解説していきます。
ジャディアンスとフォシーガの違いの比較
ジャディアンスとフォシーガの違いを比較して以下の表にまとめました。
ジャディアンス | フォシーガ | |
---|---|---|
分類 | SGLT2阻害薬 | SGLT2阻害薬 |
成分 | エンパグリフロジン | ダパグリフロジン |
作用機序 | グルコースの再吸収を抑制し、余分な糖を尿から排出する | グルコースの再吸収を抑制し、余分な糖を尿から排出する |
効果 | 血糖値を下げる | 血糖値を下げる |
対象となる疾患 | 2型糖尿病 慢性心不全 |
1型糖尿病 2型糖尿病 慢性心不全 慢性腎不全 |
飲み方 | 10mgまたは25mgを1日1回朝食前または朝食後に飲む | 5mgまたは10mgを1日1回飲む |
この表からジャディアンスとフォシーガには下記のような違いがあることが分かります。
・有効成分
・治療の対象となる疾患
・飲み方
なお、共通しているのは下記の点です。
・SGLT2阻害薬に分類される医薬品であること
・作用機序
・2型糖尿病と慢性心不全が治療の対象であること
・ダイエットに活用されていること
また、ジャディアンスとフォシーガの違いとしてはダイエット効果の強さも挙げられます。
次の項目ではそれぞれの飲み方と、ダイエット効果の違いについて詳しく解説していきます。
ジャディアンスとフォシーガの飲み方の違い
ジャディアンスとフォシーガは飲む量と飲むタイミングに違いがあります。
飲む量ではジャディアンスが10mgまたは25mg、フォシーガが5mgまたは10mgという違いがあります。
また、フォシーガはジャディアンスと違って飲むタイミングの指定がありません。
ジャディアンスとフォシーガの飲み方について次の項目でそれぞれ詳しく解説します。
ジャディアンス単体での飲み方
ジャディアンスを単体で飲む場合は、基本的に1日1回1錠を朝食前または朝食後に飲みます。
使用する目的ごとの飲み方は下記の通りです。
〈2型糖尿病治療〉
・通常10mgを1日1錠朝食前または朝食後に飲む
〈慢性心不全治療〉
・通常10mgを1日1錠朝食前または朝食後に飲む
・慢性心不全治療に対しては25mgへの増量はしない
・ただし、2型糖尿病と慢性心不全を合併していて血糖コントロールの改善が目的の場合は25mgへの増量も可能
〈ダイエット〉
・通常10mgを1日1錠朝食前または朝食後に飲む
さらに2型糖尿病治療とダイエット目的の場合、10mgで効果が不十分なときは25mgへの増量が可能です。
なお、ジャディアンスを使用したダイエットのやり方については別の記事で詳しく解説しています。
ダイエットに興味がある人は、こちらもあわせてお読みください。
フォシーガ単体での飲み方
フォシーガは1日1回1錠飲みます。
飲む量は使用する目的ごとに違い、それぞれ下記の通りです。
〈2型糖尿病治療〉
・通常5mgを1日1回飲む
〈1型糖尿病治療〉
・インスリン製剤と併用して、通常5mgを1日1回飲む
〈慢性心不全〉
・10mgを1日1回飲む
〈慢性腎不全〉
・10mgを1日1回飲む
〈ダイエット〉
・通常5mgを1日1回飲む
なお、2型糖尿病治療や1型糖尿病治療、ダイエット目的の場合は5mgで効果が不十分な場合は10mgへの増量が可能です。
ただし、飲む量が増えると効果が高まる一方で副作用を引き起こしやすくなるため注意が必要になります。
1型糖尿病や2型糖尿病の治療でフォシーガを飲む場合は、自己判断で飲む量を変えず医師の指示に従ってください。
また、フォシーガに飲むタイミングの指定はありません。
しかし、夜に飲むと就寝中に何度もトイレで目が覚めてしまう可能性があります。
そのため、ジャディアンスと同じく朝に飲むことがおすすめです。
ジャディアンスとフォシーガを併用する場合の飲み方
ジャディアンスとフォシーガは併用することも可能です。
ただし、人によって体質や健康状態などに違いがあります。
そのため、ジャディアンスとフォシーガを併用するときは医師に相談して飲む量やタイミングの指示を仰ぎ、それに従いましょう。
特に1型糖尿病や2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎不全の治療をしている人は、必ずかかりつけ医に相談してください。
ジャディアンスとフォシーガのダイエット効果の違い
ジャディアンスとフォシーガでは、フォシーガの方がより強いダイエット効果が期待できます。
ジャディアンスとフォシーガのダイエット効果を比較するため、それぞれの体重減少に関する臨床試験の結果をまとめました。
結果は下記の通りです。
〈ジャディアンス〉
ジャディアンス10mgまたは25mgを1日1回朝食前または朝食後に24週間継続して飲んだ結果、10mgで-1.29㎏、25mgで-2.15㎏減量した
〈フォシーガ〉
フォシーガ5mgまたは10mgを1日1回24週間継続して飲んだ結果、5mgで-2.56㎏、10mgで-3.17㎏減量した
この結果から、ダイエット効果はフォシーガの方が強いと考えられます。
なお、フォシーガを使用したダイエットについては別の記事で詳しく解説しています。
こちらもあわせてお読みください。
ジャディアンスとフォシーガの使い分け
ジャディアンスとフォシーガは治療したい疾患や、求める効果などによって使い分けます。
ジャディアンスとフォシーガは、それぞれ下記のような人におすすめです。
〈ジャディアンス〉
・毎日決まった時間に飲める人
・朝に継続して飲むことができる人
〈フォシーガ〉
・より強い効果を求めている人
・毎日決まった時間や朝に飲むことが難しい人
・1型糖尿病でインスリン治療と併用したい人
※インスリン治療と併用する場合は必ず医師の指導の下でおこなってください。
ジャディアンスやフォシーガを飲むときは、自分が使用する目的や求める効果しっかりと把握してそれに合わせて使い分けることが大切です。
なお、ジャディアンスとフォシーガのどちらにするか決めかねてしまう場合は、1度どちらかを継続して飲んで効果や副作用の現れ方をみてから切り替えることも可能です。
他の医薬品と併用するときの注意点
ジャディアンスとフォシーガはどちらも併用できない併用禁忌薬はありません。
ただし、併用することで副作用を引き起こしやすくなったり、安定した治療効果が得られなくなったりする可能性がある併用注意薬は複数あります。
ダイエット目的でジャディアンスやフォシーガを飲む場合は、メトホルミンやリベルサスなど併用することでより高いダイエット効果が期待できる医薬品もあります。
ただ、メトホルミンとリベルサスは併用注意薬に該当するため併用するときは副作用などに注意が必要です。
ジャディアンスとメトホルミンの併用については別の記事で紹介しています。
ダイエット効果が期待できる医薬品同士の併用に興味がある人は、あわせてお読みください。
まとめ
ここまでにお伝えしたことのポイントをまとめました。
- ジャディアンスとフォシーガの違いは成分、治療の対象となる疾患、飲み方、効果の強さ
- 2つは同じSGLT2阻害薬に分類される経口薬で余分な糖を尿から排出して血糖値を下げる共通した効果がある
- ジャディアンスとフォシーガは目的や求める効果に合わせて使い分ける
Q&A
ジャディアンスとフォシーガについてのよくある質問にお答えします。
Q.ジャディアンスはカロリーをどのくらい排出しますか?
A.ジャディアンスによって排出されるカロリーは1日あたり約200kcalです。
ジャディアンスを飲むと、余分な糖を尿から排出する働きによって1日あたり60~100gの糖が排出されます。
これをカロリー換算すると1日あたり約200kcalになるのです。
Q.フォシーガは長期投与できますか?
A.フォシーガは長期投与が可能です。
臨床試験において長期投与による安定した血糖コントロールと安全性が認められています。