アカルボースダイエットの効果とは？飲み方や併用可能か解説！

アカルボースは糖尿病の薬ですが、飲むだけで痩せられるとしてダイエット効果が評判です。

「アカルボースでダイエットって本当？」
「本当に飲むだけで痩せられるの？」
「飲み方はどうすればいい？」

この記事では、アカルボースダイエットのやり方や効果的な飲み方、副作用などの注意点についてわかりやすく解説しています。

痩せたいけど、
・食事は我慢したくない…
・運動を頑張りたくない…
・忙しくてダイエットする時間が無い…

そんな悩みを解決できる記事になっているので、ぜひ最後までご覧ください。

アカルボースのダイエット効果

アカルボースは、食後の過剰な血糖値の上昇を抑えることで、ダイエット効果をもたらします。
糖質を分解する酵素「α-グルコシダーゼ」の働きを阻害し、食事で摂った糖分のブドウ糖への分解を遅らせるというのが、アカルボースの作用です。

通常、食事で糖質を摂取するとα-グルコシダーゼが糖質をブドウ糖へと分解し、血液中に吸収させます。
そして摂取した糖質が多い場合、膵臓でインスリンが分泌され、血糖値を下げるために余分なブドウ糖を中性脂肪に変換します。
糖質の摂り過ぎで太るのは、このようなメカニズムによって中性脂肪が脂肪細胞に蓄積されるためです。

しかしアカルボースを飲めば、α-グルコシダーゼ阻害作用でブドウ糖の産生が減り、血糖値の上昇が抑えられて脂肪の蓄積が抑制されます。
体についている脂肪を燃焼・消費させる効果はありませんが、太りにくく痩せやすい体質にすることが可能です。
また、インスリンの過剰分泌を抑える役割もあります。

次の項目では、いったいアカルボースとはどのような薬なのか、わかりやすく紹介しています。

アカルボースとは

アカルボースは、厚生労働省の認可を受けている医療用の糖質吸収抑制剤で、2型糖尿病の患者に処方される医薬品です。
ダイエット目的の他、血糖コントロールを改善する目的でも使用されています。

2型糖尿病とは、遺伝によるインスリン分泌の不足や不健康な生活習慣によるインスリン抵抗性(インスリンの作用が不十分になること)が原因で血糖値が上がり、さまざまな症状を引き起こす病気です。
進行すると高血圧や心筋梗塞、慢性腎臓病といった合併症のリスクが高まります。
アカルボースを飲んで血糖コントロールの改善をすることで、それらの合併症を予防できるのです。

そんなアカルボースですが、世界的な製薬メーカーのバイエルが開発し、FDA(アメリカ食品医薬品局)をはじめ世界各国の機関から効果を承認されている医薬品です。
また、日本の厚生労働省もアカルボースを承認していることから、有効性と安全性は保証されています。

ちなみにアカルボースは有効成分の名称で、最初に開発された先発役の名称はグルコバイです。
グルコバイは2022年に販売中止となりましたが、個人輸入であれば海外から取り寄せることができます。
グルコバイの販売中止について理由が気になる人は、下記のページで詳しく解説しているので確認してみてください。

グルコバイの販売中止について詳しくはこちら

アカルボースの効果時間

アカルボースは1日3回、食直前(5～10分前)に飲みましょう。
効果が現れるのは、食事を開始してから15分後です。
また、作用時間は2～3時間となっています。

アカルボースがおすすめの人

以下の人には、アカルボースがおすすめです。

・糖分の摂取をやめられない人
・糖質の多い食品が好きな人
・食事制限にストレスを感じる人
・生活習慣病の予防、対策を考えている人
・普段の食事で炭水化物を多く摂取する人

アカルボースは糖質の吸収を抑制することで、脂肪として体に蓄積されるのを防止します。
そのため、とくに普段から炭水化物やスイーツなどで糖質を多めに摂取しがちな人におすすめです。

また、アカルボースを使用したダイエットは過度な食事制限が必要ないため、食事制限をしたくない人、食事制限がつらくてダイエットを断念した人は試してみることをおすすめします。

その他、生活習慣病の予防や対策を考えている人にもアカルボースはおすすめです。
血糖値の急上昇を抑える作用により、心筋梗塞をはじめとする生活習慣病を予防できます。

なお、アカルボースをダイエット目的で使用する場合、メディカルダイエットをサポートしている医療機関で購入できる他、個人輸入で手軽に入手することも可能です。

アカルボースの効果的な飲み方

アカルボースのダイエット効果を高めるには、正しい飲み方を守りましょう。
一般的には、1回1錠100mgを1日1～3回、食直前(食事の5～10分前)に飲みます。
アカルボースは、体内に入ってきた食物を待ち受けて糖質の吸収を抑制するため、食事の前に飲むのが効果的です。

ちなみに、アカルボースの1日の投与量は150～300mgとなっています。
忙しくて食事がとれなかったときなどは、飲むのを1回分スキップしても大丈夫です。

ただし、食事をとるにもかかわらず飲むのを忘れてしまった場合、食事中に飲んでしまいましょう。
食べ物が消化される前であれば、食直前に飲む場合と同様の効果に期待できますが、食後だと効果が弱まってしまいます。
また、飲み忘れて食後に時間が空いてしまった場合、すでに胃の中では消化が始まっているため、あとから飲んでも間に合いません。
飲むのをあきらめて1回分スキップしましょう。

アカルボースを飲み忘れたときの注意点として、次の食事の際にまとめて2回分を飲んではいけません。
例えば、朝食の際に飲み忘れた場合、昼食の際に2錠まとめて飲むのはNGです。
アカルボースを過剰に摂取すると副作用が増強される恐れがあり、低血糖を引き起こすリスクが高まります。

ダイエット効果を得られるかどうかにつながるため、正しい飲み方を守り、間違った飲み方や飲み忘れがないよう注意してください。

他のダイエット薬との併用有無

ダイエット薬としてよく使用される医薬品にメトホルミン、リベルサス、フォシーガなどもありますが、アカルボースは3種類のいずれとも併用できます。

ただし、フォシーガとの併用については控えたほうがよいとの意見もあります。
というのも、3つのうちフォシーガのみアカルボースと類似した作用を持つためです。
具体的な作用のメカニズムは異なりますが、フォシーガにもアカルボースと同じく糖質の吸収を抑制する作用があります。
そのため、アカルボースと併用することで糖質が不足し、結果的に脱水症状を招く可能性があります(糖質には、水分と結合して体に蓄える働きがあるためです)。
アカルボースとフォシーガを併用する場合は、こまめな水分補給を心がけましょう。

また、肥満症の治療に使われるゼニカル(脂質吸収抑制剤)とアカルボースとの併用は、問題ありません。
併用することで脂質と糖質の吸収をダブルで抑制できるため、より高いダイエット効果が期待できます。

ただし、ゼニカルにもアカルボースにもおならが増えるという副作用があり、併用することでより回数が増える可能性があるため、アカルボースと脂質吸収抑制剤との併用はおすすめしないという意見もあります。

アカルボースの危険性

アカルボースは安全性の高い医薬品ですが、危険性が皆無というわけではありません。
そこで、あらかじめ危険性について知っておくことが大切です。

ここからはアカルボースの副作用、アカルボースを飲んではいけない人や飲む場合に注意が必要な人、また併用注意薬についてなど、順番にわかりやすく解説していきます。

主な副作用

アカルボースは医薬品なため、以下の副作用が起きる可能性があります。

【重い副作用(めったに起こらない)】
・低血糖
・腸閉塞

【その他の副作用】
・お腹の張りやおなら
・排便回数の増加
・腹痛
・便秘、下痢、軟便
・吐き気、食欲不振

めったに起こりませんが、重い副作用として低血糖や腸閉塞を発症する可能性があります。
ただし、正しい飲み方を守ってアカルボースを飲んでいれば、副作用を心配する必要はないでしょう。

副作用として多く見られるのは、お腹の張りやおならの増加です。
消化器系の副作用が特徴で、アカルボースを飲むと、吸収されなかった糖質が大腸に移動し、腸内細菌の働きで発酵してガスを発生させるため、お腹に張りを感じやすくなり、おならも出やすくなってしまいます。

ただし、アカルボースは他のα-グルコシダーゼ阻害薬と比べて、副作用の頻度が低い傾向にあります。

ちなみに、「便秘、下痢、軟便」に関しては、下痢より便秘になりやすいという特徴があります。
便秘になりやすいのは、アカルボースに「α-アミラーゼ」を阻害する作用があるためです。
α-アミラーゼはデンプン(炭水化物)を分解する酵素であり、アカルボースによって阻害されるとうまく働かず、結果的に便秘を引き起こす可能性があります。

生命に危険が及ぶような副作用はめったに起こりませんが、消化器系の副作用が起こりやすいことは覚えておきましょう。

アカルボースの禁忌

アカルボースを飲むにあたっては、以下のような禁忌に該当する場合があります。

【禁忌】
・別の糖尿病薬を使用中の人
・肝機能、腎機能の障害がある人
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある人
・妊婦や授乳中

【注意が必要】
・小児
・高齢者

該当する人が飲むと、効果が発揮されなかったり、重い副作用が現れる可能性があるため、あらかじめ注意しておきましょう。
例えば別の糖尿病薬を使用中の人がアカルボースを飲めない理由としては、血糖値を下げる効果が過剰に働き、重い低血糖を起こす恐れがあるためです。

妊婦や小児については安全性が確立されていないため、禁忌または注意が必要とされています。
妊娠している可能性がある場合も、アカルボースを飲むのは避けましょう。
また、動物実験の結果、授乳中の女性についてもアカルボースが母乳に含まれることが確認されたため、飲まないことが望ましいとされています。

人によってはアカルボースで健康を損なう可能性があるため、禁忌に該当していないかどうか注意してください。

併用注意薬

アカルボースには併用にあたって注意が必要な「併用注意薬」が複数あります。
例を挙げると、胃薬として使われるジアスターゼ含有製剤です。

消化酵素「α-アミラーゼ」を活性化させ、炭水化物の消化をサポートするのがジアスターゼ含有製剤の作用ですが、アカルボースには、α-アミラーゼを阻害する作用があります。
そのため、互いの作用を相殺してしまう可能性があります。

知らずに併用してしまうことで効果が発揮されなくなる場合があるため、事前に併用注意薬かどうかは確認しておきましょう。

他のダイエット薬との比較

アカルボースと各ダイエット薬を比較してみました。

アカルボースが食事による糖質の吸収を抑制するのに対して、フォシーガは糖質の再吸収を抑制し、体外への排出を促進することで体重減少を目指します。

リベルサスは、食後のインスリン分泌を促進することで血糖値を下げる医薬品です。
食欲を抑制する作用もあるため、摂取カロリーを抑えることもできます。

メトホルミンも食欲を抑制する効果を持つ医薬品で、特徴として副作用が少ないことが挙げられます。
選んだダイエット薬の副作用がつらかったときや、副作用が不安という人は、メトホルミンを検討してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、アカルボースもα-グルコシダーゼ阻害薬の中では副作用の頻度が低いとされています。
普段の食事で糖質の摂取量が多い人には、とくにおすすめです。

メトホルミンダイエットについては、下記リンク先で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

メトホルミンダイエットについて詳しくはこちら

アカルボース服用の口コミ

・暴飲暴食を避けることしか意識しませんでしたが、2ヶ月で体重が1kg減りました。

・飲み始めて食事量を変えてないけど、徐々に体重は減ってきているし、食欲も抑えられている。

・もともと太りやすい体質でしたが、アカルボースを使用すると太らなくなりました。
今のところ体重は減っていませんが、現状維持できています。すぐ太ってしまう私にはこれでも助かっています。
気になっていた血糖値も下がってくれたので、これからも服用しようと思います。

・副作用でお腹が張っている感じがします。おならも増えました……。
でも、効いているのを実感しているので我慢できてます。

・もっと痩せると期待してましたが、思ったより痩せなくて残念でした。

・炭水化物を気にせず食べても、体重が増えていません。こんなに効果が出るならもっと早く飲み始めればよかったです。

まとめ

• アカルボースダイエットは糖の分解を阻害する働きによってダイエット効果を発揮
• アカルボースは成分名でグルコバイは商品名
• アカルボースダイエットはとくに糖質の多い食事が好きな人におすすめ
• 効果的な飲み方は食前10分前に飲むこと

アカルボースは、糖質の吸収を抑制することで太りにくい体質になれる医薬品です。
とくに、普段から糖質が多めの食事をとっている人にはおすすめのダイエット薬といえるでしょう。

Q&A

ここでは、アカルボースダイエットについてのよくある質問にお答えします。

Q.アカルボースとミグリトールとの違いは？

A.アカルボースとミグリトールは、同じ「α-グルコシダーゼ阻害薬」に分類されます。
しかし違いとして、ミグリトールはアカルボースよりもHbA1c改善作用が強く、比例して副作用も強いという特徴があります。
ミグリトールの主な副作用としては、お腹の張りや下痢、便秘、腹痛などです。
効果に比例して副作用の症状も強くなるため、不安を感じる人にはアカルボースの方がおすすめです。

一方、ミグリトールは飲み忘れてから30分後までは有効であるというメリットがあります。
アカルボースの場合、食後しばらく時間が空いてから飲んでも効果を得られません。
ミグリトールも食直前に飲む必要があるとされていますが、副作用を弱めるために、あえて飲む時間を遅らせるという人もいます。

Q.アカルボース服用後どのくらいで効果を実感しますか？

A．アカルボースを飲み始めて2週間以内に体の変化を実感し始め、6ヶ月から12ヶ月の間に体重が減少します。

ただし、効果を実感できるまでの期間には個人差があります。
また、間違った飲み方をしていると、効果を実感できないまま時間だけが過ぎていくことになりかねません。
正しい飲み方で、根気よく飲み続けましょう。

Q.アカルボースは保険適用ですか？

A．アカルボースはダイエット目的で飲む場合、保険適用外です。

厚生労働省が許可しているのは糖尿病治療薬としてであり、他の目的で飲む場合は保険適用外となります。
残念ながらダイエット目的の人が医療機関で処方してもらう場合、費用は全額自己負担です。