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睡眠薬を飲んでも眠れない原因 - 効かないときの対処法
不眠に悩む人は多く、睡眠薬の需要は高まっています。
中には「睡眠薬を飲んでも眠れない」と、不安を感じている人もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、睡眠薬が効かない原因や対処法について解説していきます。
効かないからといって用量を超えて服用することは危険です。
本記事を参考に、正しい服用方法で睡眠薬とうまく付き合っていきましょう。
睡眠薬を飲んでも眠れない原因
睡眠薬を飲んでも眠れない場合、以下の原因が考えられます。
・作用時間が合っていない
不眠の症状に対して作用時間が短すぎたり、長すぎたりすると効果を感じづらい場合があります。
・飲むタイミングが間違っている
食事直後に服用すると効果を発揮できません。
また、服用後すぐに就寝せず活動していると眠気の作用が効きづらくなります。
・体質に合わない睡眠薬を服用している
体質によっては効きづらい睡眠薬があるため、相性のよい睡眠薬を選ぶ必要があります。
・うつ病や睡眠時無呼吸症候群など他の病気によるもの
うつ病や睡眠時無呼吸症候群、高血圧、糖尿病などの病気が原因で、不眠の症状がでる場合があります。
効かないときの対処法
睡眠薬が効かないときは以下の対処法に取り組んでみましょう。
・用量を変更する
規定の用量を超えない範囲で増量すること効果を高めることができます。
・他の睡眠薬に変更する
服用中の睡眠薬が症状や体質に合わない場合は、他の睡眠薬へ変更しましょう。
・服用後に活動しない
寝る支度をすませてから服用し、すぐ寝るようにしてください。
・他の病気が考えられる場合は医療機関を受診する
原因となっている病気を治療することで、不眠が解消される可能性があります。
不眠症状別おすすめの睡眠薬
睡眠薬は、不眠の症状に合ったものを選ぶことが大切です。
ここからは「寝つきが悪い場合」と「夜中や早朝に目が覚めてしまう場合」に分けて、おすすめの睡眠薬を紹介していきます。
症状に合った睡眠薬を選ぶことで、効果を実感できるはずです。
寝つきが悪い場合
なかなか寝つけないという人におすすめの睡眠薬は、以下の3つです。
・ハイプロン
・ハイプナイト
・ソクナイト
上記はどれも即効性がありながら、深い睡眠を得ることができます。
ハイプロン
有効成分 | ザレプロン |
---|---|
薬のタイプ | 非ベンゾジアゼピン系 |
ピークタイム | ~1時間 |
作用時間 | 約1時間 |
ハイプロンは作用時間が短く、副作用の心配が少ないことが特徴です。
ソナタのジェネリック医薬品で日本では未承認の睡眠薬ですが、海外ではよく使用されています。
眠気やふらつきといった副作用があらわれにくいため、初心者の人でも服用しやすい睡眠薬です。
ハイプナイト
有効成分 | エスゾピクロン |
---|---|
薬のタイプ | 非ベンゾジアゼピン系 |
ピークタイム | 約1時間 |
作用時間 | 約5時間 |
ハイプナイトは、脳の興奮を沈めることで眠りを促す睡眠薬です。
医療機関でも処方されているルネスタのジェネリック医薬品で、寝つきの悪い入眠障害のある人に効果的とされています。
作用時間が長すぎないため、翌日まで眠気が残る心配がありません。
ソクナイト
有効成分 | エスゾピクロン |
---|---|
薬のタイプ | 非ベンゾジアゼピン系 |
ピークタイム | 約1時間 |
作用時間 | 約5時間 |
ソクナイトもルネスタのジェネリック医薬品で、寝つきをよくしてくれる睡眠薬です。
開発過程で日本人スタッフがかかわっており、日本人の体格や体質にあった睡眠薬といわれています。
筋肉を緩める作用がないため、ふらつきなどの副作用がでにくく安心して飲むことができます。
夜中や早朝に目が覚めてしまう場合
夜中や早朝に目が覚めて困っている人は、以下の3つがおすすめです。
・フルナイト
・ベルソムラ
・デエビゴ
睡眠が断片的になったり、途中で目覚めてしまうことを防いでくれる睡眠薬です。
フルナイト
有効成分 | エスゾピクロン |
---|---|
薬のタイプ | 非ベンゾジアゼピン系 |
ピークタイム | 約1時間 |
作用時間 | 約5時間 |
フルナイトは一定の睡眠時間は確保しつつ、翌日まで眠気を持ち越す心配のない睡眠薬です。
眠りが浅くなるのを防ぎ、質の高い睡眠を維持しながら翌朝はすっきりと目覚められます。
また、ジェネリック医薬品のため、手頃な価格で購入できることも魅力です。
ベルソムラ
有効成分 | スボレキサント |
---|---|
薬のタイプ | オレキシン受容体拮抗薬 |
ピークタイム | 1~2時間 |
作用時間 | 約12時間 |
ベルソムラは、自然な眠気を強めてくれる睡眠薬です。
脳のオレキシン受容体に作用し、睡眠状態へ切り替えてくれます。
依存性が少なく、長期間でも安心して服用できることから医療機関でもよく処方されています。
作用時間が長いため、夜中に何度も目が覚める人や、早朝に目が覚めてしまう人に適した睡眠薬です。
デエビゴ
有効成分 | レンボレキサント |
---|---|
薬のタイプ | オレキシン受容体拮抗薬 |
ピークタイム | 1~1.5時間 |
作用時間 | 約12時間 |
デエビゴもベルソムラ同様、自然な眠気を強めてくれる睡眠薬です。
依存性がきわめて低く、服用をやめた際に起こる離脱症状が起こりにくいことが特徴です。
夜中や早朝に目が覚めてしまう人だけでなく、寝つきの悪い人にも効果を発揮します。
どのような不眠症状にも効く、万能な睡眠薬です。
睡眠薬以外で眠りを促す方法
睡眠薬以外で眠りを促すには、日常生活や寝室環境に気をつける必要があります。
日常生活では以下に注意して過ごしましょう。
・起床や就寝、食事の時間を一定にする
・起きたら朝日を浴びる
・アルコールやタバコを控える
・カフェインは就寝4時間前からとらない
・就寝2時間前に入浴し、体を温める
寝室環境は以下のように整えると質の高い睡眠を得ることができます。
・照明を暖色にする
・朝日が気になる場合は遮光カーテンに変える
・室温は20度前後、湿度は40~60%
・テレビ、パソコン、スマホなどの明るい画面は見ない
眠れないときは無理に寝ようとせず、ストレッチや深呼吸をして心と体を落ち着かせましょう。
心身ともにリラックスさせることが大切です。
よくある質問
睡眠薬についてよくある質問に答えていきます。
睡眠薬は眠れない時だけの使用でも依存しますか?
長期間連続で使用しないのであれば、依存性を心配する必要はありません。
依存に注意が必要なのは、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の長期使用です。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は抗不安作用があるため、服用をやめると離脱症状が起こるとされています。
ベルソムラやデエビゴなどのオレキシン受容体拮抗薬は、長期で服用しても依存性のリスクが低く、安心して使用できます。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を長期で飲み続ける場合は、依存に注意をしてください。
眠れないときは睡眠薬を追加しても良いですか?
用量を超えた服用は控えましょう。
効果を感じないからと追加で服用すると、成分の分解に時間がかかり危険です。
翌日の日中に強い眠気や、ふらつきといった副作用を起こす可能性があります。
使用中の睡眠薬で眠れない場合には、症状に適した作用時間の睡眠薬へ変更することをおすすめします。
また、他の病気が原因で不眠の症状がでている場合は、それに合わせた治療が必要です。
うつ病や睡眠時無呼吸症候群など他に疑われる病気があるならば早めに医療機関を受診しましょう。