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睡眠薬を初めて飲む人の選び方 - 依存性の低い睡眠薬を紹介
睡眠薬は不眠症の改善目的で多く使用されており、種類や作用時間もさまざまです。
今回は、初めて使用する方でもわかりやすいよう、症状に適した睡眠薬の選び方をご紹介していきます。
また、服用時に注意するポイントや依存性の低い睡眠薬についても、詳しく解説していきます。
不眠に悩まされ、使用を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。
睡眠薬の選び方
睡眠薬の種類はさまざまで、効果の持続時間も異なるため、不眠の症状にあった睡眠薬を選択することが大切です。
不眠症は以下の4つのタイプに分けられます。
入眠障害:寝つきが悪い
中途覚醒:眠りが浅く夜中に何度も目が覚める
早朝覚醒:朝早い時間に目が覚め再入眠できない
熟眠障害:睡眠時間が十分取れているにもかかわらず、すっきりと起きられない
入眠障害に対しては超短時間型や短時間型、中途覚醒に対しては短時間型~長時間型、早朝覚醒と熟眠障害の場合は、中時間型や長時間型が使用されます。
以下の表を参考に症状に適した睡眠薬を選ぶことで、効果的に不眠症の改善が期待できます。
不眠の症状別 使い分け |
作用時間 | 商品名 | 作用メカニズム |
---|---|---|---|
入眠障害 | 超短時間型 (2~4時間) |
マイスリー | 非ベンゾジアゼピン系 |
ハイプナイト | 非ベンゾジアゼピン系 | ||
ルネスタ | 非ベンゾジアゼピン系 | ||
ソナタ | 非ベンゾジアゼピン系 | ||
ハルシオン | ベンゾジアゼピン系 | ||
ロゼレム | メラトニン受容体 | ||
入眠障害 中途覚醒 |
短時間型 (4~8時間) |
レンドルミン | ベンゾジアゼピン系 |
デパス | ベンゾジアゼピン系 | ||
リスミー | ベンゾジアゼピン系 | ||
入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒 熟眠障害 |
中間型 (8~12時間) |
サイレース | ベンゾジアゼピン系 |
ユーロジン | ベンゾジアゼピン系 | ||
長時間型 (12時間以上) |
ドラール | ベンゾジアゼピン系 | |
ベルソムラ | オレキシン受容体 | ||
デエビゴ | オレキシン受容体 |
- 効果の強さ:
ベンゾジアゼピン系>非ベンゾジアゼピン系>オレキシン受容体>メラトニン受容体
初めて飲む人向けの睡眠薬
初めて睡眠薬を服用する方には、効果がマイルドで副作用が起こりにくいものがおすすめです。
効果がマイルドといわれる睡眠薬は、「ロゼレム」「ベルソムラ」「ハイプナイト」 の3種類です。
メラトニン受容体作動薬に分類されるロゼレムは、体内時計をコントロールする「メラトニン」というホルモンに作用して睡眠を促します。
オレキシン受容体拮抗薬に分類されるベルソムラは、睡眠と覚醒を切り換える「オレキシン」に作用し自然な睡眠を誘発します。
非ベンゾジアゼピン系に分類されるハイプナイトは、不安感や緊張感をほぐして自然に近い睡眠を促します。
これらは、多くの睡眠薬の副作用にみられるふらつきや傾眠などが起こりにくく、依存性も少ないのが特徴です。
睡眠薬はどこでもらえるのか
睡眠薬は、内科や精神科、心療内科で処方してもらうことができます。
ただし、不眠症と診断された場合にのみ処方されるため、診察時に不眠の症状を正確に説明しなければなりません。
また、ドラッグストアなどで市販されているものは、睡眠改善薬や睡眠サプリであり、処方される睡眠薬とは全く異なります。
市販薬は処方薬に比べて効果が穏やかで、一時的な不眠症に適していますが、長期服用は推奨されていません。
そのため、医療機関を受診せずに睡眠薬を購入したい場合は、個人輸入代行サイトを利用する必要があります。
個人輸入代行サイトであれば、処方箋がなくても医療用医薬品を購入できるため、通院時間を確保できない方におすすめです。
- 関連ページ
- 睡眠薬の入手方法
睡眠薬にかかる費用
睡眠薬の種類や購入する場所によって、価格はそれぞれ異なります。
医療機関で睡眠薬を処方してもらう場合は、診察代や検査代、医薬品代がかかります。
一方、個人輸入の場合は利用するサイトによって医薬品の価格は異なりますが、通院や処方箋も不要で、睡眠薬の費用だけで購入可能です。
当サイトでも、先発薬だけでなくジェネリック医薬品まで、さまざまな種類の睡眠薬を取り扱っています。
できるだけ費用を抑えたい方には、個人輸入の利用がおすすめです。
処方薬と市販薬の違い
医療機関で処方されるものを「睡眠導入剤」、ドラッグストアなどで市販されているものを「睡眠改善薬」といいます。
睡眠導入剤は、脳の活動を抑制して眠気を誘発するもので、医師の診断により不眠の症状に適した医薬品で不眠症を改善します。
一方、睡眠改善薬は、アレルギー改善に用いられる抗ヒスタミン薬の副作用を利用して、不眠症を改善します。
一時的な不眠症の改善には効果的ですが、長期間の服用は推奨されていません。
また、アレルギー薬や風邪薬服用した時と似たような、日中の眠気や集中力の低下などの症状が起こりやすいです。
どちらも睡眠を促すという点は共通していますが、実は中身が全く異なるのです。
依存性の高い睡眠薬
ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬は、依存性が高いとされています。
長期的に服用することで薬物依存状態になり、十分な睡眠効果が得られなくなる可能性があります。
また、休薬や減量により不眠症状の悪化やせん妄、幻覚などの離脱症状のリスクが高まるのです。
そのため、休薬する場合は、医師と相談しながら少しずつ成分量を減らしていく必要があります。
睡眠薬の中でも、オレキシン受容体拮抗薬やメラトニン受容体作動薬は、比較的依存性のリスクが少ないといわれています。
正しい服用方法
睡眠薬は正しく服用できれば、高い睡眠効果が期待できます。
以下の服用方法や注意事項をしっかりと把握し、睡眠障害を改善していきましょう。
・就寝前に服用する
・服用後はすぐに布団に入る
・睡眠薬服用時のアルコール(飲酒)は避ける
・食事の影響を受けやすい睡眠薬もあるため、空腹時または食後3時間以上経過してから服用する
・決められた用量を守る
上記は基本的な服用方法や注意点のため、服用する睡眠薬の種類によっては異なる場合もあります。
間違った方法で服用すると、作用や副作用が強くでる可能性があるため、服用前に必ず用量用法を確認しましょう。
飲み合わせの注意点
睡眠薬の種類によっては併用注意薬や併用禁忌薬があるため、服用する前に添付文書を確認しましょう。
抗真菌薬や抗菌薬、抗うつ薬など併用が禁忌されている睡眠薬があります。
また、睡眠薬に含まれる成分のほとんどが肝臓で分解されるため、肝臓酵素に作用する医薬品との併用は注意が必要です。
そのほかにも、アルコールやグレープフルーツ(ジュースも含む)も、相互作用により副作用が強まる恐れがあります。
睡眠薬の種類によって、飲み合わせが悪い医薬品や食品が異なるため、医師や薬剤師に相談のうえで自分にあった睡眠薬を使用しましょう。
- 関連ページ
- 睡眠薬の飲み方と飲み合わせについて
翌日まで眠気が続いたときの対処法
翌日まで効果が残る場合は、「用量を減らす」「ほかの睡眠薬に変更する」などの対処法があります。
体質や体格、その日の体調によって睡眠薬の成分が体内に長く留まり、翌日まで効果を持ち越すことがあります。
強い眠気やふらつきなど、日常生活に支障が出るほどの症状がある場合は、速やかに医師へ相談しましょう。
成分量の調節や作用時間が短い睡眠薬への変更、服用タイミングなど見直しをすることで改善できます。
ただし、自己判断での減量や種類の変更は不眠の悪化につながるため、異常がみられた際は必ず医療機関を受診してください。
子供は何歳から飲めるのか
15歳以上であれば症状によっては、医師の診断で睡眠薬を処方されることがあります。
ただし、服用期間や成分量には十分に注意が必要です。
15歳未満でも服用可能な「メラトベル」という睡眠薬がありますが、6~15歳までの神経発達症の子供に対してのみ処方されます。
15歳未満の神経発達症による不眠に対しては保険が適用されますが、それ以外の原因の場合は保険適用外です。
また、15歳未満の子供が成人と同じ睡眠薬を服用すると、効果や副作用が強くでる恐れがあるため、処方してもらえません。
そのため、不眠症の疑いがある15歳未満の子供に対しては、漢方薬での睡眠改善が推奨されています。
よくある質問
ここからは、睡眠薬についての疑問にお答えしていきます。
睡眠薬の使用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
不眠症にはどのようなタイプがありますか?
不眠症は以下の4つのタイプに分けられます。
入眠障害:寝つきが悪い
中途覚醒:眠りが浅く夜中に何度も目が覚める
早朝覚醒:朝早い時間に目が覚め再入眠できない
熟眠障害:睡眠時間が十分取れているにもかかわらず、すっきりと起きられない
睡眠薬を飲むと認知症になりますか?
睡眠薬と認知症の因果関係は、明らかにされていないのが現状です。
ある研究では、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が認知症のリスクを高めるという結果が出ています。
一方で、睡眠薬と認知症の関係性は認められなかったという報告もあります。
アメリカの医療機関で実施された調査によると、睡眠薬よりも睡眠障害自体が認知症のリスク増加につながるという結果が報告されています。
1日の睡眠時間が7時間以上の方に比べて5時間以内の方が、認知症を発症するリスクが2倍になることがわかっているのです。
睡眠薬を服用しているからといって、認知症になるという明確な根拠はありません。
睡眠薬は効き始めるまで時間がかかりますか?
服用してから、10~60分以内に効果があらわれはじめます。
睡眠薬の多くは食事の影響を受けやすいため、食中や食後すぐに服用すると効果が弱まったり、逆に強くですぎたりする可能性があります。
そのため、食中や食後は避け、空腹時に服用してください。
また、早く睡眠効果を得たいからといって、通常用量以上の服用も避けてください。
副作用が強まるだけでなく、翌日まで効果が強く残り日常生活に支障をきたす恐れがあります。
副作用のリスクを抑えて十分な睡眠効果を得るためにも、必ず用量用法を守り、服用後は速やかに布団に入りましょう。
睡眠薬は増やさないと効かなくなりますか?
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、長期服用により身体が慣れてしまい次第に効果が薄れ、耐性がつく可能性があります。
しかし、短期間の使用であれば耐性がつきにくく、有効性や安全性の高い睡眠薬といえます。
近年では、耐性がつきにくいとされる睡眠薬も登場しています。
長期的に服用する可能性がある場合は、ベンゾジアゼピン系以外の睡眠薬を選択するとよいでしょう。