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テルビナフィンとは
テルビナフィンとは、真菌(カビ)による皮膚病の治療薬です。
主にカンジダ症や水虫、癜風、いんきんたむしの治療薬に用いられています。
テルビナフィンの効果と副作用、正しい使用方法や人気の治療薬について詳しく解説しています。
テルビナフィンを含む治療薬
テルビナフィンを含む治療薬には、下記のものがあります。
テルビナフィンを含む治療薬一覧表 | |
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画像 | 商品名 |
テルビシルクリーム | |
テルビシルスプレー |
テルビナフィンを有効成分として配合した治療薬は、病院でも処方されています。
治療薬には錠剤タイプの他に、クリームタイプやスプレータイプなどがあります。
一般的にクリームタイプやスプレータイプなどの外用薬でまず治療を行い、外用薬で改善しなかった場合に錠剤タイプが用いられています。
テルビナフィンの効果
テルビナフィンはカンジダ症や水虫、癜風、いんきんたむしなどの症状に用いることで、強い抗真菌性によって症状を改善する効果があります。
また、テルビナフィンが有効成分として含まれる錠剤タイプの治療薬は、塗り薬ではなかなか治りにくい深在性皮膚心筋症や爪水虫により効果があります。
テルビナフィンの使用・服用方法
【クリームタイプやスプレータイプを使用する場合】
・1日に1回、患部に塗布します。
・スプレータイプは患部が足の指にある場合は2~3㎝、その他の患部には5㎝距離を空けてから噴射してください。
・使い忘れた場合は、なるべく早めに使い忘れた分を塗布してください。もし次に使用する時間が近い時は、使い忘れた分は塗らずに、次の時間を待って使用してください。
・2~3週間使用しても症状が改善されない場合は、早めに医師の診察を受けてください。
【錠剤タイプを服用する場合】
・1日に1回、食後に1錠(テルビナフィン125mg)を服用します。
・飲み忘れた時は、気づいたタイミングでできるだけ早く服用してください。もし次に服用する時間が近い時は、飲み忘れた分は飲まずに、次に服用する時間に1錠飲んでください。
・錠剤タイプは服用期間が半年~1年かかる場合もあります。必ず指示された期間を守って服用してください。
使用・服用時の注意点
・必ず指示された使用方法、または服用方法に従ってください。
・錠剤タイプは1度に2錠服用しないでください。クリームタイプやスプレータイプも、1度に2回分を使用しないでください。
・誤って多量に使用、または服用した場合は医師の診察を受けてください。
・必ず指示された期間は使用、または服用を続けてください。自己判断で止めてしまうと、症状が再発、悪化する可能性があります。
・クリームタイプやスプレータイプを使用する場合、目に入らないように注意してください。
誤って目に入った場合は、すぐに水かぬるま湯で十分に洗い流してください。洗い流した後も違和感がある場合は、眼科医の診察を受けてください。
テルビナフィンの副作用
テルビナフィンの主な副作用には、以下の症状があります。
・発疹
・湿疹
・かゆみ
・眠気
・めまい
・ふらつき
・神経障害
・肝機能障害
・消化器障害
・接触皮膚炎
・肌の刺激感
これらの症状が現れた場合は、医師に相談してください。
また、まれに以下のような症状が現れることもあります。
・皮膚や白目が黄色くなる(重篤な肝障害)
・貧血症状
・目の充血や唇、口内の荒れ
・筋肉痛、脱力感、赤褐色尿
・息苦しい、じんましん、唇・舌・咽頭の腫れ(アナフィラキシーショック)
このような症状が現れた場合は、ただちに使用を止めて医師の診察を受けてください。
テルビナフィンの作用機序
テルビナフィンには、真菌(カビ)の細胞が持つ細胞膜の成分エルゴステロール(※1)の生合成を阻害して、真菌細胞膜の障害を引き起こす働きがあります。
この働きによって真菌(カビ)の発育や代謝を抑制・阻止することができるため、殺菌的な作用によって症状を改善できます。
(※1)エルゴステロールとは…菌類の細胞膜を構成する物質。抗真菌薬の開発に応用される物質でもある。
テルビナフィンが使用できない人
以下の項目に当てはまる人は、テルビナフィンを使用できないので注意してください。
・重篤な肝障害がある人
・汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少等の血液障害のある人
・過去にテルビナフィンが含まれる薬を使ってアレルギー症状が出たことがある人
テルビナフィンの併用に注意が必要な人
以下の項目に当てはまる人は、テルビナフィンを使用する前に医師に相談し、併用しても問題がないか確認する必要があります。
・肝障害がある人
・腎障害がある人
・高齢者の人
・現在妊娠している人
・妊娠の可能性がある人
・現在授乳中の人
・他の薬を服用している人
・12歳未満の子ども
テルビナフィンの併用禁忌
テルビナフィンの併用禁忌薬は特にありません。
ただし、もし他の薬を服用していてテルビナフィンと併用しても問題ないか気になる場合は、念のため医師に相談することをお勧めします。
テルビナフィンの併用注意薬
以下の薬はテルビナフィンと併用した場合、薬の効果を強めたり副作用が出やすくなるため注意が必要です。
・胃薬のシメチジン(タガメット等)
・テルビナフィン以外の抗真菌薬
・抗結核薬(リファンピシン)
・三環系抗うつ薬(トリプタノール・トフラニール・ルジオミール)
・咳止め薬(デキストロメトルファン)
・免疫抑制薬(シクロスポリン)
テルビナフィンを成分とする人気の治療薬
テルビナフィンが有効成分として含まれている、人気の治療薬をご紹介します。
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テルビシルクリーム
テルビシルクリームは、国内の病院でも処方されている「ラミシールクリーム」のジェネリック医薬品です。
患部に直接塗布するクリームタイプで、改善効果が高いという特徴があります。
テルビシルクリームに含まれる有効成分テルビナフィンは、真菌(カビ)を殺菌して増殖を抑える効果があり、カンジダ症や水虫、いんきんたむしといった症状を改善できます。 -
テルビシルスプレー(ラミシールスプレー)
テルビシルスプレーは、国内の病院でも処方されている「ラミシール外用スプレー」のジェネリック医薬品です。
スプレータイプのため、患部に触れずに使用することができます。
テルビシルスプレーに含まれる有効成分テルビナフィンは、真菌(カビ)を殺菌して増殖を抑える効果があり、カンジダ症や水虫、いんきんたむしといった症状を改善できます。