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糖尿病薬ダイエットのやり方は?種類ごとに徹底比較
現在、糖尿病薬を使って体重減少を目指すダイエット方法が注目を集めています。
SNSなどでインフルエンサーや美容関係者がおすすめしているのを見て、「私もやってみたい」という人は多いのではないでしょうか。
そこで、糖尿病薬ダイエットを検討している人のために、役立つ情報をまとめてみました。
ダイエットに使える医薬品ごとの効果や副作用などを比較し、幅広く徹底解説してみたので、ぜひ参考にしてみてください。
糖尿病薬ダイエットの比較
糖尿病薬は、血糖値を下げる効果の他にもさまざまなダイエット効果が見込めます。
まずは、それぞれの糖尿病薬を比較した表を用意しました。
ビグアナイド薬 | GLP-1受容体作動薬 | SGLT2阻害薬 | |
---|---|---|---|
主な糖尿病薬 | メトホルミン、メトグルコなど(経口薬) | リベルサス(経口薬)、オゼンピック(注射)、ビクトーザ(注射) | フォシーガ、ジャディアンス、ルセフィ、カナグル、スーグラなど(経口薬) |
働き、効果 | ・肝臓で糖が作られるのを抑える ・脳に働きかけ食欲を下げる ・満腹感を持続させる ・筋肉を増やす ・代謝を上げる など |
・膵臓からのインスリン分泌を促し血糖値を下げる ・脳に働きかけ食欲を下げる ・満腹感を持続させる ・基礎代謝を上げる など |
・腎臓で糖を再吸収するたんぱく質(SGLT2)を阻害し、糖分を尿から排出する |
飲み方、使い方 | ・1日2回食前後に250mgずつから飲み始め徐々に量を増やしていく ・1日最大2250mg飲むことができる |
・リベルサスは、1日1回1錠空腹時に水で飲む。飲んだ後30分以上は絶飲食 ・オゼンピックは1週間に1回注射する |
・1日1回1錠飲む。効果が24時間続く薬なので毎日同じタイミングで飲むのが望ましい |
副作用 | ・下痢、腹痛、吐き気などの消化器症状、低血糖、肝機能障害、乳酸アシドーシスなど | ・下痢、便秘、吐き気などの消化器症状、低血糖、急性膵炎、胆嚢炎、胆管炎など | ・頻尿、のどの渇き、脱水、性器・尿路感染症、低血糖、ケトアシドーシスなど |
購入 | メトホルミンの通販はこちら | リベルサスの通販はこちら | フォシーガの通販はこちら ジャディアンスの通販はこちら |
ビグアナイド薬のメトホルミンは、効果が緩やかで、比較した中では最も価格が安いのが特徴です。
また、GLP-1受容体作動薬のリベルサスはより効果が高く、その分、価格も高いという特徴があります。
SGLT2阻害薬のフォシーガの効果と価格は、両者の中間ぐらいです。
では次に、これらの糖尿病薬を使ったダイエットのやり方を詳しく解説していきます。
糖尿病薬ダイエットのやり方
とくに難しいことをする必要はなく、糖尿病薬を飲むだけです。
ただし、以下の3つのルールを守る必要があります。
・用法用量を守る
・一定期間以上の継続
・暴飲暴食しない
以上の3点を守って飲むだけで痩せられることから、糖尿病薬ダイエットは話題になっています。
面倒な食事制限や運動の必要がないため、「忙しくて食事にまで気が回らない」「運動は苦手なので避けたい」という人にもおすすめです。
では次から、糖尿病薬ごとの特徴やダイエット効果をもたらすメカニズムについて、それぞれ詳しく解説していきます。
メトホルミン
メトホルミンは、「ビグアナイド薬」に分類される医薬品のひとつです。商品名は「メトグルコ」「メトホルミン塩酸塩」ですが、一般的に「メトホルミン」という名称が浸透しています。
メトホルミンは、主に「食欲を抑制する」「糖質の排出を促す」「代謝を上げる」という効果を発揮します。
食欲を抑制して食べ過ぎを防止し、糖質の排出を促して脂肪の増加を防止し(※)、代謝を上げることで脂肪燃焼を促進するというのが、具体的なメカニズムです。
(※糖質は中性脂肪に変換されますが、メトホルミンが糖排出を促すことにより抑制されます)
その効果については、飲み始めて26週後から体重減少が認められ、54週後に平均1.2kg減少したというデータがあります。
ただし、医療機関で処方してもらう場合、ダイエット目的では保険が適用されません。
なお、メトホルミンの飲み方についてはこちらでまとめているので、「ぜひ飲んでみたい」という人は合わせて確認してみてください。
リベルサス
リベルサスは、「GLP-1受容体作動薬」のひとつです。
かつてGLP-1受容体作動薬は注射薬として投与されるのが一般的でしたが、リベルサスが開発され、経口薬として飲めるようになりました。
そんなリベルサスがダイエット効果をもたらす主な作用は、「食欲を抑制する」「胃に食べ物を長くとどめる」「脂肪の燃焼を促す」などです。
メトホルミンと同じく食欲を抑制して食べ過ぎを防止する他、胃酸の分泌を抑制して胃に食べ物を長くとどめ、腹持ちを良くする効果もあります。
また、褐色脂肪細胞を活性化させることで脂肪燃焼を促進する効果も見込めます。
効果については、約半年(26週間)で平均4.4kgの体重減少効果があったというデータがあります。
ただし、糖尿病治療の場合は保険適用となりますが、ダイエット目的だと保険が適用されません。
なお、リベルサスの飲み方についてはこちらで詳しくまとめているので、気になる人はご覧ください。
フォシーガ/ジャディアンス
フォシーガとジャディアンスは、どちらも「SGLT2阻害薬」に分類されます。
SGLT2阻害薬とは、食事で摂った糖を尿と一緒に排出することで血糖値を下げる医薬品です。
糖を排出して中性脂肪の増加を防止することにより、ダイエット効果をもたらします。
具体的には1日200~500kcalの糖を排出し、1ヶ月で1~2kgの体重減少効果が見込めます。
なお、「1日1回1錠」が基本ですが、糖質が多い食事をとったときだけ飲むことも可能です。
つまり、ここぞというときに飲む頓服薬として使用できるわけです。
ただし、フォシーガもジャディアンスもダイエット目的だと保険適用になりません。
ちなみに、フォシーガとジャディアンスは有効成分が異なるため、細かい点でいくつかの違いが見られます。
両者の違いについて詳しくはこちらでまとめているので、興味がある人はあわせてご覧ください。
糖尿病薬ダイエットの効果
糖尿病薬の種類によって異なりますが、大まかにまとめると、以下のような作用によってダイエット効果を得られます。
・食欲を抑える
・満腹感を持続させる
・糖分を尿から排出させる
・肝臓から糖が作られるのを防ぐ
・基礎代謝を上げて内臓脂肪を燃焼する。
そして上記の効果により、これもまた種類によって細かくは変わりますが、半年で-2.3kgの体重減少効果が見られたり、1ヶ月で6,000kcalもの糖を排出できたりと、さまざまな結果を得られます。
ただし、いずれの糖尿病薬も継続して使用することが大切です。
なかなか効果が出ないからといって焦らず、根気よく続けましょう。
糖尿病薬ダイエットのメリット
食事制限などの一般的なダイエットと比べると、効果が出やすいことがメリットとして挙げられます。
糖尿病薬の飲み方を守り、継続して使用することで、たしかな効果を発揮します。
過度な食事制限や激しい運動をする必要がないのもメリットのひとつです。
心身の負担やストレスが少ないため、途中で挫折することなく続けることができます。
また、継続することで太りにくい体になるためリバウンドを起こしにくいのもメリットといえます。
糖尿病薬ダイエットのデメリット
糖尿病薬には優れた効果がある一方、副作用が出ることもあります。
腹痛や吐き気などの症状が軽い症状なら、飲み続けることで体が慣れて収まる場合が多いですが、命に関わる重大な副作用を起こす場合もあります。
また、医療機関で処方してもらう場合、ダイエット目的は保険適用外の自由診療となるため、費用が高くなる点もデメリットのひとつです。
美容クリニックで処方される場合、クリニックごとに価格設定が大きく変わるため、受診する前にクリニックのサイトで価格を確認しておきましょう。
肥満治療で保険適用になる薬
高度肥満の治療薬で保険適用されるのはサノレックスとウゴービです。
サノレックスは経口薬、ウゴービは注射薬となっています。
いずれも、ただの肥満やダイエット目的では保険適用になりません。
サノレックスが保険適用となるのは、「BMI35以上」または「肥満度+70%以上」の場合です。
またウゴービは、肥満で高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のどれかがあり、さらに以下の条件に該当する場合、保険適用となります。
・BMIが35以上
・BMIが27以上でふたつ以上の肥満関連の健康障害がある
なお、メディカルダイエットに使える医薬品の保険適用についてはこちらで詳しくまとめているので、気になる人はあわせてご覧ください。
まとめ
ここまで解説した内容をまとめてみました。
- 糖尿病薬は種類ごとに異なる効果がありダイエット効果につなげている
- 糖尿病薬をダイエット目的で使う場合は保険適用にならないが、高度肥満の条件を満たせば保険が適用される肥満治療の薬もある
- 糖尿病薬を使ってのダイエットは一般的なダイエットと比べて、効果が出やすく負担も少ない
- 糖尿病薬は海外医薬品を取り扱う通販サイトから購入できる
糖尿病薬ダイエットは、負担が少なく効率的に痩せられるのが魅力です。
通販を活用すれば手軽に始められるので、ぜひ検討してみてください。
Q&A
ここでは、糖尿病薬ダイエットに関連したよくある質問にお答えします。
Q.糖尿病薬は健康な人でも飲めますか?
A.糖尿病ではない健康な人でも飲めます。
実際に、ダイエット目的はもちろん、他の目的で糖尿病薬を飲む人は少なくありません。
例えば、抗がん作用やアンチエイジング作用を期待してメトホルミンを飲んでいる人もいます。
Q.糖尿病薬で1番やせるのは?
A.リベルサス、フォシーガ、メトホルミンで比較するとリベルサスの効果が最も強く、次いでフォシーガ、メトホルミンの順番となります。
つまり、リベルサスが最も痩せやすいといえます。
ただし、効果が強ければ強いほど副作用の確率も高くなる点はあらかじめ押さえておきましょう。