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リベルサスとメトホルミンの違いを比較
リベルサスとメトホルミンはどちらも糖尿病治療薬であり、ダイエット効果も期待できます。
そこで、
「同じ糖尿病の薬なのに何が違うの?」
「リベルサスとメトホルミンはどちらがいいのか?」
という疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、リベルサスとメトホルミンの違いを比較しながら、この疑問にお答えしていきます。
なお、リベルサスとメトホルミンは併用することも可能です。
どちらが自分に合うか知りたい人や2つを併用するか悩んでいる人に向けて、分かりやすく解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
リベルサスとメトホルミンの違いと比較
リベルサスとメトホルミンには下記のような違いがあります。
メトホルミン | リベルサス | |
---|---|---|
特徴 | 価格が安い | 効果が強い |
効果 | 1年で1.2kg~5.6kg程度痩せる | 半年で体重の5%程度痩せる |
副作用 | 出ても弱い | 出やすい |
注意点 | 低血糖、乳酸アシドーシス | 低血糖、急性膵炎 |
成分名 | メトホルミン | セマグルチド |
分類 | ビグアナイド系経口血糖降下剤 | 経口GLP-1受容体作動薬 |
どちらも特別なことはせず、正しく飲むだけで体重減少が期待できます。
ただ、継続して飲むことで効果が強まる医薬品であるため、効果を実感できるまでには最低2~3ヶ月は時間が必要です。
では、リベルサスとメトホルミンはどのような医薬品なのか次の項目でそれぞれ詳しく紹介します。
また、メトホルミンは他の医薬品などとの飲み合わせによって効果が強くなったり、逆に副作用を引き起こしやすくなったりする場合もあります。
飲み合わせについては、別の記事で詳しく解説しているのであわせてお読みください。
リベルサスとは
リベルサスはGLP-1受容体作動薬に分類される経口薬です。
リベルサスにはインスリンの分泌を促して血糖値を下げる効果があります。
また、インスリン分泌の促進と、胃の働きを抑制する働きによって食欲を抑さえる効果もあります。
食事量が減ることで体重減少につながるため、ダイエット効果が期待されているのです。
リベルサスを使用しておこなうダイエットは、SNSなどでも話題のGLP-1ダイエットに該当します。
リベルサスは他のGLP-1受容体作動薬と違って注射を打つ必要がないため、注射が苦手な人や痛みに弱い人でも続けやすいことが特徴です。
メトホルミンとは
メトホルミンはビグアナイド系に分類される経口薬です。
メトホルミンには肝臓での糖新生を抑制する働きと、余分な糖の排泄を促す働きによって血糖値を下げる効果があります。
そして、メトホルミンによって分泌量が増加したGLP-1が満腹中枢に働き、食欲を抑制する効果もあります。
なお、メトホルミンはリベルサスと違い、インスリンの分泌を促進しないため単独で飲んだときに低血糖が起こりにくいことが特徴です。
リベルサスとメトホルミンの併用
リベルサスとメトホルミンは併用可能です。
2つを併用することで、より強いダイエット効果が期待できます。
ただ、それぞれが併用注意薬にあたり低血糖を引き起こしやすくなる可能性があるため注意が必要です。
しかし、併用したすべての人が低血糖になるわけではありません。
リベルサスとメトホルミンは、どちらもダイエット効果が期待できる医薬品のため併用することで更なる相乗効果が見込めます。
なお、副作用を抑えて相乗効果を得るには、飲むタイミングをずらすなどの工夫が必要になります。
次の項目で、リベルサスとメトホルミンを併用するときの飲み方を紹介しているので確認しておきましょう。
リベルサスとメトホルミンを併用するときの飲み方
リベルサスとメトホルミンを併用するときは、時間をずらして飲む必要があります。
併用するときの飲み方や、それぞれを単体で飲むときの飲み方を紹介していくので、よく確認してください。
まず、併用するときは2つ同時に飲むことは避けてください。
リベルサスとメトホルミンを同時に飲むと、リベルサスの体への吸収が低下してしまいます。
そのため、併用するときはリベルサスを飲んで30分以上経過してからメトホルミンを飲みましょう。
そして、リベルサスとメトホルミンをそれぞれ単体で飲むときの飲み方は以下の通りです。
〈リベルサス〉
1日1回3mg、7mg、14mgのいずれか1錠を1日の最初の食事を取る前の空腹時に約120mL以下の水で飲みます。
3mgから飲み始めて、4週間以上経過した後に7mgへ増量していきます。
なお、7mgを4週間以上継続しても効果が不十分な場合は14mgに増量することも可能です。
〈メトホルミン〉
一般的には1回500mgを1日2回食前または食後に飲みます。
飲み始めたときと飲む量を増やしたときに副作用が出やすいため、最初は1回250mgから始めることがおすすめです。
なお、1日に飲める量は最大2250mgまでです。
メトホルミンは効果や副作用の程度によって飲む量を調節できますが、1日の最大量を超えて飲んではいけません。
リベルサスを飲むときの注意点
リベルサスは飲み方にやや特殊なルールがあります。
注意すべき点は、主に以下の3点です。
・空腹時に120ml以下の水で飲む
・服用後30分は飲食や他の医薬品の服用を避ける
・飲むときに錠剤を割ったり噛み砕いたりしない
リベルサスは胃の内容物に影響を受けやすい性質があります。
そのため、お茶やコーヒー、服薬ゼリーなど水以外で飲んだり、服用後30分の絶飲食を守らないと十分な効果が得られない可能性があるのです。
また、錠剤を割ったり噛み砕いたりすると正常な効果が得られなかったり、副作用が強く現れる可能性もあります。
そして、湿気や光に弱い性質もあるためリベルサスは飲む直前にシートから取り出してください。
シートから出した状態で置いておくと薬の性質が変わってしまう可能性があります。
このように、リベルサスには飲むときに注意すべきことがあります。
効果をしっかりと得るためにも正しい飲み方を守りましょう。
リベルサスとメトホルミンはどっちがいい?
リベルサスとメトホルミンは、求める効果や目的に合わせて使い分けましょう。
リベルサスとメトホルミンは、それぞれ異なる機序で血糖値を下げる効果や食欲を抑制する効果を発揮します。
そのため、効果の現れ方や強さ、副作用などが異なるのです。
どちらを選ぶかの基準としては、例えば効果を取るか副作用を取るかが挙げられます。
というのも、リベルサスはメトホルミンと比較して効果が強いです。
しかし効果が強い反面、副作用も現れやすいのです。
一方でメトホルミンは、リベルサスと比較して効果が緩やかな反面、副作用が弱いというメリットがあります。
なお、リベルサスもメトホルミンも飲む量が多いほど効果が出やすくなります。
しかし、飲む量が増えると副作用が現れるリスクも高くなるため注意が必要です。
このように、医薬品には効果がある一方で副作用などのリスクも伴います。
そのため、自分が求める効果や目的とリスクを比較して使い分けることが重要です。
リベルサスとメトホルミンはどっちが痩せる?
体重減少効果を比較すると、リベルサスの方が効果は強いです。
臨床試験においてリベルサスは飲み始めてから半年程度で約2~3㎏、メトホルミンは飲み始めてから1年程度で約1.2㎏体重が減少したという試験結果があるからです。
この試験結果からリベルサスの方が短期間で多く体重が減少していることが分かります。
こんな人におすすめ
リベルサスとメトホルミンはそれぞれ下記のような人におすすめです。
メトホルミン | リベルサス |
---|---|
・副作用を抑えたい ・費用を抑えたい ・リバウンドを避けたい ・ダイエットに時間をかけてもいい |
・効果の強い薬を探している ・短期間で痩せたい ・食欲を抑えるのが苦手 |
リベルサスとメトホルミンはどちらも糖尿病ではない、健康な人が飲んでも害のない医薬品です。
表を参考にして、リベルサスとメトホルミンで自分が求める効果に合う方を選んでくださいね。
リベルサスとメトホルミンを飲めない場合
リベルサスとメトホルミンには禁忌があり、禁忌事項に該当する場合は飲んではいけません。
リベルサスとメトホルミンの禁忌事項は以下の通りです。
メトホルミン | リベルサス |
---|---|
・乳酸アシドーシスの既往歴がある人 ・重度の腎機能障害または透析治療中の人 ・重度の肝機能障害 ・ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など、心血管系や肺機能に重度の障害 ・脱水状態 ・過度のアルコール摂取 ・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病 ・栄養不良、衰弱状態、手術前後 ・副腎機能不全 ・妊娠中の人(妊娠の可能性がある人も含む) ・メトホルミンの成分又はビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴がある人 |
・リベルサスに対する過敏症の既往歴がある人 ・糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の人 ・重症感染症、手術等の緊急の場合 |
なお、禁忌事項に該当しなくても健康状態などによっては飲めないときもあるため、不安がある場合は医師に相談してください。
リベルサスとメトホルミンの副作用
リベルサスとメトホルミンには副作用があります。
まず、リベルサスの主な副作用は胃腸障害です。
そして、重大な副作用には低血糖、急性膵炎、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸などが挙げられます。
嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛などの症状が現れた場合は、急性膵炎が疑われるため速やかに医療機関で適切な処置を受けてください。
そして、メトホルミンの主な副作用は下痢や吐き気などの消化器症状です。
また、重大な副作用には低血糖や乳酸アシドーシスなどが挙げられます。
なお、リベルサスとメトホルミンを併用する場合は低血糖を引き起こしやすくなる可能性があります。
これは、相乗効果によって血糖値が大きく下がるためです。
ただし、副作用は多くの場合は一過性で軽度の症状です。
体が慣れてくると自然に症状が治まるとされているので安心してください。
症状が長引くときや不安な症状があるときは医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
ここまでにお伝えしたことのポイントをまとめました。
- リベルサスとメトホルミンの主な違いは作用機序、効果の出方、飲み方、副作用
- リベルサスとメトホルミンは併用可能
- リベルサスとメトホルミンを併用するときは低血糖に注意が必要
- リベルサスとメトホルミンは求める効果や目的によって使い分けたり、併用したりすることが大切
Q&A
リベルサスとメトホルミンについてのよくある質問にお答えします。
Q.リベルサスとメトホルミンとフォシーガを併用して大丈夫?
A.リベルサス、メトホルミン、フォシーガは、いずれも併用が可能です。
ただ、それぞれが併用注意薬にあたり低血糖を引き起こしやすくなる可能性があるため注意が必要です。
低血糖が疑われる場合は、ブドウ糖などの糖分を取り安静にして様子を見てください。
併用によって何か不安な症状などが現れた場合は、医師に相談しましょう。
Q.リベルサスを飲み忘れたらどうする?
A.リベルサスを飲み忘れたらその日は飲まず、翌日に1回分飲んでください。
リベルサスを飲む前に飲食をした場合も同様です。
1回飲み忘れたからといって翌日2回分まとめて飲むと、副作用のリスクが高まるため絶対に避けてください。
朝起きたらすぐに目に入る場所にリベルサスと水を置いておくなど、飲み忘れないための工夫をすることがおすすめです。
Q.リベルサス3mgを2錠飲んでも大丈夫?
A. リベルサスは2錠同時に飲んではいけません。
その理由は、有効成分の吸収に悪影響を及ぼすためです。
リベルサスにはSNACという吸収促進剤(添加物)が含まれており、これは1錠の中に最適な量が含まれています。
そのため、2錠まとめて飲むと添加物の量が2倍になってしまい、有効成分の吸収に悪影響を及ぼすのです。