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リベルサスとサクセンダはどっちが痩せる?効果や違いについて解説
ダイエットに使える医薬品として話題のリベルサスとサクセンダについて、「どっちが痩せる?」「それぞれどんな効果がある?」「2つの薬は併用できる?」など疑問をお持ちの人もいらっしゃるでしょう。
実は、リベルサスとサクセンダの体重減少率を比較したデータは存在しません。
しかし、個別の結果を見ると、サクセンダのほうがリベルサスよりもダイエット効果が高いと考えられます。
この記事では、リベルサスとサクセンダ、それぞれの効果や違いについて解説していきます。
リベルサスとサクセンダの体重減少効果の比較
リベルサスとサクセンダの体重減少効果を比較し、以下の表にまとめてみました。
リベルサス | サクセンダ | |
---|---|---|
対象者 | 2型糖尿病患者 | 肥満症患者 |
期間 | 52週間 | 56週間 |
用量 | 7mg、14mg | 3.0mg |
使用回数 | 1日1回 | 1日1回 |
用量ごとの体重減少率 (元の体重から5%以上体重減少した割合) |
7mg:12% | 3.0mg:63.2% |
14mg:41% |
リベルサスには「3mg」「7mg」「14mg」という3つの規格があり、表には7mg、14mgの結果を記載していますが、高用量であるほど高い体重減少効果を示していることがわかります。
また、サクセンダは体重減少率がより高いことが読み取れますが、具体的には56週間の使用で平均8.4kgの体重減少が認められたというデータがあります。
サクセンダのほうが高い体重減少効果を示す理由として挙げられるのは、そもそもサクセンダが肥満治療薬として開発され、FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を得ている医薬品である点です。
リベルサスは2型糖尿病の治療薬として開発された医薬品であり、ダイエット効果は二次的なものですが、サクセンダは肥満の改善がメインの効果です。
また、サクセンダが注射薬であることも理由のひとつといえます。
有効成分が血管に直接取り込まれる分、より高い効果を得られるわけです。
リベルサスとサクセンダの違い
リベルサスとサクセンダの大きな違いは、リベルサスは経口薬で、サクセンダは注射薬であるという点です。
リベルサスは、2型糖尿病の治療効果があるセマグルチドを初めて経口摂取できる医薬品として2020年に完成し、日本では2021年に承認されました。
サクセンダは有効成分リラグルチドを含有する注射薬であり、2014年に肥満治療薬としてFDAの承認を得て、欧米を中心に広く使用されています(日本では未承認ですが、自費診療で処方する医療機関があります)。
また、リベルサスの主な副作用は胃腸障害と低血糖です。
一方、サクセンダの主な副作用は吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状となっています。
リベルサスとサクセンダの共通点
リベルサスとサクセンダは、ともに「GLP-1受容体作動薬」というカテゴリーに属する医薬品です。
GLP-1受容体作動薬には、人体にもともと存在する「GLP-1」というホルモンに似た働きをする作用があります。
膵臓に働きかけてインスリン分泌を促すことで食後に急上昇する血糖値を下げたり、満腹中枢を刺激して食欲を抑制したり、褐色脂肪細胞を活性化させて脂肪燃焼を促進したりする効果があります。
その結果、糖尿病の治療に欠かせない血糖コントロールをスムーズにおこない、食事量を減少させたり脂肪の溜め込みを防いだりすることで肥満を治療することが可能です。
上記のように、リベルサスとサクセンダの共通点は、体内でどのように働くかという点にあります。
リベルサスとサクセンダの併用について
リベルサスとサクセンダは、併用することが可能です。
しかし、どちらも血糖値を下げる作用があるため、同日に使用すると低血糖を起こす可能性があります。
低血糖を引き起こすと、冷や汗や動悸、倦怠感などの症状が現れるほか、重症化するとけいれん、昏睡などに陥る場合があります。
そのため、同日にリベルサスとサクセンダを使うのは控えましょう。
ただし、一方からもう一方へ切り替えることは可能です。
「リベルサスよりも体重減少効果が高いサクセンダに切り替えたい」
「注射よりは飲み薬のほうが良い」
このような場合、もう一方の医薬品に切り替えることができます。
リベルサスとサクセンダの使用方法
リベルサスとサクセンダの使用方法について、それぞれ解説します。
サクセンダは1日1回、ペン型の注射器を使って薬液を皮下注射します。
注射器の先端にあるキャップを外して針を装着し、人体の中でとくに脂肪が多い「二の腕」「腹部」「太もも」のいずれかに打ちましょう。
針を刺した後は6秒キープし、ボタンを押しながら抜きます。
注射は最も用量が少ない0.6mgから始め、1~2週間周期で0.6mgずつ増やしていきましょう。
なお、注射のタイミングは、「毎日決まった時間に打つ」という点さえ守ればいつでも構いません。
一方のリベルサスは、1日1回1錠を少量の水で飲みます。
飲むタイミングは起床時が望ましく、飲んだ後は30分以上の絶飲食の時間を取ることが必要です。
なお、リベルサスの飲み方について、詳しくは別の記事で解説しています。
気になる人はこちらをご覧ください。
リベルサスとサクセンダを使用する際の注意点
リベルサスとサクセンダを使用する際の注意点としては、それぞれ禁忌事項があり、禁忌に該当する人は使用できないという点が挙げられます。
サクセンダは、次に該当する人は使用できません。
・18歳未満または70歳以上の人(20歳未満は保護者の同意が必要)
・糖尿病、膵炎、胆石症、胆嚢炎、重度の腎機能障害、肝機能障害、甲状腺疾患を患っている人
・大きな腹部手術をしたことがある人
・腸閉塞になったことがある人
・摂食障害の人
・BMI値が18.5未満の人
・体脂肪率15%未満の男性または25%未満の女性
・内分泌疾患や、ステロイドなどの薬剤によって肥満になっている人
・多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴がある人
・妊娠中または授乳中の人
・うつ病や自殺企図がある人
・サクセンダに含まれる添加物にアレルギーがある人
サクセンダを使用する際の注意点として挙げられるのは、
・2型糖尿病の治療薬ではないため、インスリンと一緒に使用できない
・ビクトーザとの併用はできない
・ほかのGLP-1受容体作動薬と同日の使用はできない
といった点です。
またリベルサスの禁忌事項としては、
・リベルサスの成分に対してアレルギーを起こしたことがある人
・糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の人
などが挙げられます。
なお、リベルサスの注意事項については別の記事で詳しく解説しています。
気になる人はこちらをご覧ください。
選ぶときのポイント
リベルサスとサクセンダのいずれを使うべきか迷ったときは、「自分がどのようにダイエットを進めたいか」をもとに選びましょう。
リベルサスとサクセンダは、健康な人が使っても問題ありません。
それぞれ「どんな人におすすめか」を以下にまとめてみました。
【リベルサスがおすすめの人】
・痛いのは苦手
・周りには内緒でダイエットを進めたい
リベルサスは飲み薬なので、注射薬のサクセンダよりも手軽に使用しやすく、周囲の人にダイエットしていることがバレる心配もありません。
なお、リベルサスはこちらから購入することができます。
【サクセンダがおすすめの人】
・肥満治療薬として認められている医薬品を使いたい
・より体重減少効果が高いものを選びたい
サクセンダは肥満治療薬としてFDAの認証を受けており、リベルサスよりも体重減少率が高い点がメリットといえます。
どちらを選ぶか迷ったときは、参考にしてみてください。
まとめ
- リベルサスとサクセンダの違いは「経口薬」か「注射薬」かという点
- ダイエット効果(体重減少効果)はサクセンダのほうが高い
- リベルサスとサクセンダはそれぞれのメリットがあるため、どのようにダイエットを進めたいかで使い分ける
リベルサスもサクセンダも、血糖値を下げる、食欲を抑える、脂肪燃焼を促すなどの作用により、スムーズなダイエット効果をもたらす医薬品です。
体重減少率はサクセンダのほうが高い傾向にありますが、注射薬であるため、注射には抵抗があるという人には飲み薬のリベルサスのほうが向いているといえるでしょう。
ダイエットを気持ちよく進めるために、ぜひ参考にしてみてください。
Q&A
ここでは、リベルサスとサクセンダについて「よくある質問」にお答えします。
Q.サクセンダはやめたらどうなる?
A. 抑制されていた食欲がもとに戻り、食事量が増える傾向にあります。
またその結果、体重も戻りやすくなります。
このようなリバウンドを防ぐためには、サクセンダを使用している段階で、日頃からできるダイエットの習慣を身につけておくことが大切です。
具体的には、規則正しく栄養バランスの良い食事や、適度な運動を心がけるのがおすすめです。
健康的な食事や運動を習慣づけることで、サクセンダをやめた後もリバウンドしにくくなります。
Q.リベルサスとサクセンダは保険適用?
A. ダイエット目的で使用する場合、リベルサスもサクセンダも保険適用外です。
リベルサスは、2型糖尿病の治療で使用する場合は保険適用となって費用は3割負担で済みますが、ダイエットのために使用する場合、保険適用外の自費診療となります。
また、サクセンダは主に肥満治療に使用される医薬品として開発されましたが、そもそも日本では未承認の医薬品であるため、目的が何であったとしても保険適用外となります。
Q.サクセンダを打ち忘れたらどうする?
A. いつも打っている時間から12時間未満であれば、気づいた段階ですみやかに注射しましょう。
次回以降は、いつもの時間に注射して構いません。
ただし、いつも打っている時間から12時間以上が経過している場合、その日は打たないでください。
そのうえで、翌日のいつもの時間に注射しましょう。
なお、この場合は1回分を注射します。2回分まとめて注射しないように注意しましょう。