リベルサスとピルは併用できる？

リベルサスとピルの併用は禁忌とされていないので、安心して併用していただけます。
ただし、副作用などの心配はいらないものの、併用には注意が必要です。
ピルに含まれるホルモンが、リベルサスの効果を弱めてしまう可能性があるためです。
リベルサスと、普段飲んでいるピルや将来的に飲むかもしれないピルとの併用について知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
リベルサスとピルを併用するときのメリットやデメリット、注意点について解説していきます。

リベルサスとピルの併用について

低用量ピルであればリベルサスとの併用が可能です。

低用量ピルの種類は以下の通りです。

・ノルエチステロン(第一世代の黄体ホルモン)
→シンフェーズ、ルナベル、フリウェル

・ノルゲストレル(第二世代の黄体ホルモン)
→トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユ、ジェミーナ

・デソゲステロル(第三世代の黄体ホルモン)
→マーベロン、ファボワール

・ドロスピレノン(第四世代の黄体ホルモン)
→ヤーズ

また、下記の表は低用量ピルとアフターピルがリベルサスと併用できるか、糖尿病の場合に併用できるかを簡潔にまとめたものになります。

このように、リベルサスとピルはそれぞれ併用可能ですが、糖尿病の人はアフターピルが飲めないという点にご注意ください。

次の項目では、リベルサスとピルを併用した時のメリットとデメリットを解説していきます。

リベルサスとピルを併用するメリット

ピルによる食欲増進の効果をリベルサスが抑えるため、食べ過ぎを抑制することができます。

個人差はありますが、ピルを飲むことで食欲が増進し、体重が増えてしまう人がいます。

そのような場合でも、リベルサスの食欲を抑える効果の方が上回るため、食べ過ぎを防止できるのです。
また、ピルによって体重が増えてしまったあとにリベルサスを飲み始めても、体重減少や脂肪燃焼の効果に十分期待できます。

痩せたい人やスタイルを維持したい人にとっては、リベルサスとピルの併用にはメリットがあるといえるでしょう。

リベルサスとピルを併用するデメリット

ピルは、リベルサスを含む糖尿病治療薬の効果を弱める可能性があります。

また、リベルサスにもピルにも、それぞれ飲み方に特殊な決まりがあります。
そのため、併用する場合飲み方に注意が必要です。

ピルがリベルサスの効果を弱める理由と、ピルとリベルサスを併用するときの注意点について、次からの項目で詳しく説明していきます。

なぜピルがリベルサスの効果を弱めるのか

ピルが糖尿病治療薬の効果を弱める理由は、ピルに含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)が耐糖能を変化させ、血糖値を上昇させるためです。

耐糖能とは、血糖値が高くなった時に正常値まで下げる能力のことです。
卵胞ホルモン(エストロゲン)は、量が多すぎると糖耐能を悪化させてしまうのです。
これにより血糖値が上がるだけではなく、脂肪を蓄えやすくなり肥満につながります。

ただし、低用量ピルについては卵胞ホルモンの量が少ないため併用に問題はないという意見が増えています。
卵胞ホルモンが多い中・高用量ピルについては、糖耐能が悪化する可能性が高いため注意が必要です。

リベルサスとピルを併用する場合は、自分が飲むピルの種類を必ず確認してください。

リベルサスとピルを併用するときの注意点

リベルサスとピルを併用したい場合、必ず医師に相談してください。

また、リベルサスとピルを併用する場合は、まずリベルサスを飲み、その後30分以上空けてからピルを飲みましょう。
これは、リベルサスの飲み方に、「必ず空腹時に飲み、その後少なくとも30分以上は絶飲食」という決まりがあるためです。

リベルサスを飲むタイミングは起床時が良いとされています。
しかし、ピルは毎日決まった時間に飲む医薬品のため、今ピルを起床時に飲んでいるという人はリベルサスとの併用に工夫が必要です。

ピルを飲む時間の30分以上前に起床しリベルサスを飲むか、ピルを飲む時間を次のシートから変更し今の起床時間にリベルサスを飲めるようにしましょう。

リベルサスの飲み方はこちらの記事で詳しく解説しています。

リベルサスの飲み方について詳しくはこちら

糖尿病だとピルは使えない？

糖尿病治療中であっても、低用量ピルであれば使用可能です。

通常糖尿病患者にピルを使用する場合、糖代謝や脂質代謝等に及ぼす影響、心筋梗塞、血栓症などが懸念されますが、卵胞ホルモンの少ない低用量ピルであれば影響を及ぼさないとの報告が挙がっているためです。

また、以前妊娠糖尿病だった人も、低用量ピルであれば飲むことができます。

糖尿病治療中でピルを飲みたいという人は、かかりつけの医師にその旨を相談してください。

なお、日本のガイドラインでは、糖尿病の人に対しピルは相対禁忌や慎重投与となっていますが、WHO世界保健機構の基準においては問題がないとされています。

リベルサスとアフターピル(緊急避妊薬)

リベルサスを飲んでいても緊急避妊薬を使用することができます。

低用量ピルと同じく、添付文書では併用禁忌とはされていません。

ただし、糖尿病の人は緊急避妊薬を飲むことができません。
数値によっては高血圧の人でも飲めない場合があります。

今リベルサスを飲んでいる人は、緊急避妊薬を処方してもらう場合必ず事前に医師に相談してください。

まとめ

この記事で解説したことをまとめました。

• リベルサスとピルは併用禁忌とはされていない
• 低用量ピルであれば併用は問題ないとするクリニックも多い
• ただしピルがリベルサスの効果を弱める可能性がある
• 併用したい場合は念のため医師に相談する

Q&A

リベルサスとピルの併用に関連してよくある質問についてまとめました。

Q.リベルサスは妊娠希望でも使えますか？

A. リベルサスは2カ月以内に妊娠を希望する人には使用することができません。
リベルサスは動物実験において胎児毒性が認められているためです。

また、妊娠中、授乳中の人にも同じく使用することができません。

糖尿病治療の場合、リベルサスではなくインスリンを使用して治療を行います。

Q.リベルサスと一緒に飲んではいけない薬は？

A. リベルサスには、併用禁忌薬はありませんが併用注意薬があります。